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前回取り上げた塩原古町温泉の「やまなみ荘」から至近にある「東や(あずまや)」でも日帰り入浴してまいりました。看板に「毎分225Lの源泉100%」と書かれているように、こちらは湧出量豊富な自家源泉をしっかりかけ流していることを誇りにしているお宿です。
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玄関に入った瞬間は、館内の雰囲気から察して「あれ?ここって下足のままで良いの?」という不安に駆られましたが、帳場の方に下足のままで入館してよいことを確認してから、その帳場で料金を支払い、カウンターの左手にさがっている暖簾を潜って浴室エリアへと進みました。暖簾の向こうには手書きの看板が立てられており、お湯の中に黒砂が出ているけれども、それはマグネシウムなので心配ご無用という旨が説明されていました。最近はちょっとした湯の華が舞っていても「掃除が行き届いていない」と勘違いしてクレームをつける無粋なお客も多いそうですから、このような説明は不可欠なのでしょうね。
●浴室
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浴室ゾーンには、帳場側から女湯(内湯)、露天風呂、家族風呂、男湯(内湯)という順でそれぞれの入口扉が並んでおり、日帰り入浴でも各内湯や家族風呂、そして露天風呂が利用できますが、全部入浴していたら体が完全に茹であがってしまいそうでしたので、今回は男湯(内湯)と露天風呂の2湯を利用することにしました。まずは内湯から入ってみましょう。
家族風呂と並んで男湯の暖簾が下がっています。渋い佇まいの脱衣室は、建物の外観同様、経年劣化による疲労感が全体から滲んでいるようでした。棚のひとつにはお客さん用のアメニティー(カミソリ)が籠に収められているのですが、同じ棚にはトイレットペーパーも置かれており、せっかくのお客さんへのサービスも艶消しになっているようで残念でした。
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浴室もかなり疲れており、壁や天井に残るシミ汚れやコケが目につき、洗い場の上を覆うサンルーフには落ち葉などによる汚れがこびりついていて、浴室全体にそこはかとない寂寥感が横溢していました。大きな建物を作ってしまうと、それを維持してゆくことがいかに大変であるかを窺えます。洗い場にはシャワー付き混合水栓が3基設置されており、お湯は源泉が出てきますが、水栓金具の経年劣化のためか、吐出圧力はやや不足気味…。
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この浴室は崖(山)側からせり出ている巨大な岩が印象的であり、その巨岩を仰ぐようにして大きな浴槽が据えられています。巨岩は右側の一部が削られていて、そこではお湯が滝のような感じで浴槽へ垂直に落とされていました。
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タイル貼りの浴槽には仕切りこそ無いものの、実質的には途中で折れている箇所で浅い部分と一般的な深さの部分とに分かれており、前者は3~4人サイズ、後者は7~8人サイズです。温度調整のためホースから若干の水が加えられていますが、加温循環消毒は一切無い完全かけ流しと言っても差し支えない湯使いであり、湯船を満たしたお湯は、浴槽の一番左隅にある切り欠けから溢れ出ていました。この切り欠けにはブロックが挿し込まれており、このブロックを抜いたり嵌めたりすることで、排湯量を調整することができます。この他、隣の浴室、つまり家族風呂とこちらを隔てる壁には穴が開いており、両室の浴槽ではお湯が貫通しているようです。
●家族風呂
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家族風呂は今回利用していませんが、この時はどなたも利用していなかったので、見学のみさせていただきました。利用の際は入口にかかっている札を裏返して「入浴中」を表示させておきます。
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男湯の内湯を3分の1にダウンサイズしたような造りをしており、こちらでも室内にせり出ている巨岩がインパクトを伴って入浴客に迫ってきます。洗い場にはカランが2基あり、こちらでもお湯のコックを開けると源泉が出てきました。湯船を見ますと、さきほど男湯で見つけた穴があいており、男湯側とお湯が貫通していることを確認できました。
●露天風呂
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続いて、内湯から一旦着替え、露天風呂へ。
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露天専用の勝手口より屋外に出て、つっかけに履き替えて宿の裏山に登る通路を歩きます。
ジグザグ状の階段を上がってゆくと、緑色の暖簾が掛かる東屋にたどり着きました。
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こちらの露天風呂は上下の2段に分かれており、上下段とも特に男女の区別はなされていない混浴です。緑色暖簾の東屋の前には下段の湯船が設けられています。下段は7~8人サイズといったところ。
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一方、階段を更に上がったところが上段の湯船で、こちらは下段よりはるかに大きな14~5人サイズ。上段の湯船からはお宿の建物越しに塩原の山々が眺望でき、景色を眺めながら湯浴みを楽しむことができますが、この時は下段の方がお湯が良かったように感じられたので、敢えて景色の面では劣る下段で入浴することにしました。内湯では若干の加水がありましたが、外気による自然冷却が期待できる露天では加水も無い完全かけ流しであり、お湯が持つ特徴を存分に味わうことが出来ました。
そのお湯はごく薄い麦茶のような色を呈しており、重炭酸土類泉的な味や匂いと共に、モール泉的な鉱物油臭や新鮮金気の味と匂いも含まれていますが、モール感よりも金気感の方が優っているように感じられました。ツルスベ感は想像していたよりは弱く、泡付きもあまり見られませんが、お湯へ入った時に得られる鮮度感は良好であり、絶妙な湯加減と相俟って、入浴中はいつまでも浸かっていたくなるような心地よさに包まれました。
林の中という環境なので露天入浴中にはやぶ蚊の猛襲に遭ってしまいましたが、季節を選べば森林浴と温泉入浴という相乗効果が期待でき、爽快な湯浴みが楽しめるかもしれませんね。
あづまや源泉
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 54.9℃ pH7.4 225.0L/min(動力揚湯) 溶存物質1.471g/kg 成分総計1.530g/kg
Na+:317.0mg(83.73mval%), Ca++:30.0mg(9.10mval%), Mg++:6.9mg(3.45mval%),
Cl-:181.9mg(30.90mval%), HS-:1.1mg, SO4--:67.5mg(8.47mval%), HCO3-:609.2mg(60.13mval%),
H2SiO3:204.2mg, HBO2:28.4mg, CO2:58.7mg, H2S:0.5mg,
加水加温循環消毒なし
塩原温泉バスターミナルより徒歩9分(650m)
栃木県那須塩原市塩原町下塩原1548-1 地図
0287-32-363
ホームページ
日帰り入浴時間不明
500円
シャンプー類あり、ロッカー・ドライヤー見当たらず
私の好み:★★