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前回に引き続き、2013年の「塩原古式湯まつり」の「温泉ふるまい」にて一般開放された共同浴場を巡ってまいります。今回は前回の某所Hと同じく古町温泉地区にある共同浴場「某所A」を取り上げます。今回も本文中では浴場名を伏せさせていただきますが、画像にはしっかり名前が写っていますし、周辺の風景からもそのロケーションが推測できるかと思いますので、来年以降に湯めぐりなさる方は画像を参考になさってください。
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「温泉ふるまい」に際して、外来者にもわかるよう、ご丁寧に浴場名を大きく表示したネームプレートが掲げられていました。普段は掲示されておらず、これが無ければ青いトタンの倉庫にしか見えないでしょう。地元の方のご親切に心から感謝申し上げます。
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扉を開けると、川に沿って奥へ細長い湯屋の中は、仕切りを挟んで奥と手前に浴室が分かれており、手前側が男湯となっていました。
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脱衣ゾーンと入浴ゾーンが一体となった古典的な浴場スタイルです。この鄙びた風情が何とも言えませんね。室内に洗い場用のカランが無いため、桶で湯船のお湯を直接汲んでかけ湯することになりますが、湯船と脱衣ゾーンのスノコが接近しているため、スノコを濡らさないよう、場所に気をつけながらかけ湯しました。地域のための共同浴場ですから入浴用の備品類は殆どありませんが、ケロリン桶のみ3つ備え付けられています。
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コンクリの浴槽は5~6人サイズ。浴槽周りのコンクリは温泉成分の付着によって、全体的にアイボリー色に覆われていました。画像を見ますと、浴槽脇に据えられている枡からお湯が落とされているように思われますが、この枡に湛えられているのは冷水でして、源泉のままでは熱すぎるお湯を冷ますため、この枡から流下する水によって常時加水されているようです。では、お湯はどこから供給されるのかと言えば、この枡の直下にある浴槽内の側壁にあいた穴より吐出されており、迂闊にその穴を素手で触ろうとしたら、あまりの熱さで火傷しそうになりました。清らかな冷水とブレンドされた浴槽のお湯は、常時は脱衣ゾーン側に設けられた浴槽縁の切り欠けより排湯されていますが、私が湯船に入ると切り欠けのみならず全ての縁よりお湯がザバーっと溢れ出ていきました。
お湯は薄っすら貝汁濁りで、湯中ではクリーム色や褐色の浮遊物がチラホラ見受けられます。金気臭とともに何かを燻したような匂いが漂い、重炭酸土類泉的な味(土類味・金気味・炭酸味のミックス)が感じられます。前回取り上げた某所H浴場よりも炭酸味はかなり弱く、金気も幾分マイルドでしたが、ほろ苦みはしっかり前面に出ていたようでした。
加水されているとはいえ、結構熱めの湯加減となっていて、私と同じく「温泉ふるまい」を目当てに訪れた外来客の皆さんは、その熱さゆえ、湯船に浸かっても早々に出ていってしまいましたが、私としては浴感が何とも心地よく、茹で上がって少々朦朧としてしまいましたが、じっくり長湯させていただきました。風情といいお湯といい、文句のつけようがない、素晴らしい共同浴場でした。
温泉分析表の掲示なし
栃木県那須塩原市の古町温泉地区某所(地図による場所の特定は控えさせていただきます)
2013年の開放時間は10:00~17:00
備品類なし
私の好み:★★★