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白老町には昭和40年台後半に開発された「○○団地」と称する温泉付きの住宅地が12箇所ほど点在していますが、その中の一つである萩野地区の「太平洋団地」には温泉ファンからお湯が良いとして評価が高い温泉民宿「萩野荘」がありますので、今回はそちらで立ち寄り入浴して参りました。こちらのお宿は創業してから何度か経営者が変わっており、2005年には一旦閉館したものの、その後素泊まりのお宿として復活して今日に至っているんだそうです。玄関の左側には「素泊まり二〇〇〇円」と記された札が貼り付けられており、いまでも宿泊営業していることをこっそりとアピールしているようでした。
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訪問時、玄関ではデカいミドリカメが逃奔中。いや、放し飼い中。
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帳場のカウンターには灰皿が置かれていますが、これは料金を納めるためのものですから、ここに吸い殻を捨てちゃいけません。訪問時にはお宿のご夫婦がリビングでテレビを観ていらっしゃったので、ひと声かけてから入館しましたが、もし誰もいない場合でもこの灰皿に300円を置いておけば入館OKのようです。
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お風呂は男女別の内湯が1室ずつ。
脱衣室内にはニトリで売っていそうなチープな組み立て棚が左右に置かれていました。
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浴室の扉を開けた途端にモール泉っぽいアブラ臭が鼻孔をくすぐり、モール泉好きな私の気分を高揚させてくれました。側壁には水色、床にはアイボリーのタイルが貼られています。床のタイルは後述する温泉の成分付着により、部分的に茶色く染まっていました。また室内の左右にはシャワー付き混合水栓が計4つ(左右2つずつ)取り付けられています。
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シャワーのカランからは源泉が出てきます。温泉には硫黄が含まれているのでしょうか、給湯配管は硫化して黒く変色していました。
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タイル張りの浴槽は5~6人サイズで、男女の仕切りの下では男女両浴槽がつながっています。浴槽の縁には木材が用いられていますが、温泉の特質によりこの木の縁はやたらに滑りやすいので、入浴の際にはちょっと注意が必要かも。いつもながら注意散漫な私は不自然な格好でこの縁に手をかけながら体重を載せたところ、思いっきり滑って危うく横っ腹を強打しそうになってしまいました。また縁ほどではありませんが槽内のタイルも滑りやすいので、もし槽内を移動する際には慎重に歩きましょう。
浴槽の左隅には補修用のモルタルがコッテコテに塗りたくられ、そこから突き出た塩ビ管より源泉が浴槽へドバドバと音を立てて勢い良く注がれています。浴槽を満たしたお湯は縁からオーバーフローしており、浴槽では加水が行われているような様子はなく、循環や消毒もありませんので、完全放流式の湯使いかと思われます。お湯はコーヒーを薄めたような琥珀色の透明で、湯加減はやや熱めの43~44℃くらいです。湯口に鼻を近づけると、はじめのうちはフンワリとしたタマゴ臭が嗅ぎ取れますが、やがてモール臭に近いアブラ臭が臭覚を占めるようになりました。口に含むと薄い塩味に苦味、そして何かが焦げたような香りと味が感じられるのですが、口に含んだだけなのに喉の粘膜にはっきりと残る苦味の強さが印象的でした。いかにもモール泉的な見た目のお湯ですが、見た目のみならず浴感もツルツルスベスベとしたモールらしい気持ち良い感覚が楽しめました。香りといい浴感といい、私好みのタイプのお湯だったので、入浴中は至極満悦でした。
館内に温泉分析書の掲示は無く、浴室内の壁に効能とともに簡単なデータが記されているばかりなのですが、それによれば泉質名は含食塩硫黄温泉で、泉温は48℃、湧出量は毎分310リットルとのことです。しかしながら、このデータは今から38年前(昭和50年)のものであり、現在は多少変化しているのではないかと推測されます。あくまで体感に基づく私の予想ですが、たとえば泉質名は硫黄泉ではなくて食塩泉か重曹泉だろうと思われますし、泉温ももう少し高いような気がします。なおこちらのお湯は「萩野荘」のみならず、このお宿が立地する太平洋団地の各世帯にも配湯されてるんだとか。こんな良いお湯に毎日浸かれるだなんて、羨ましいことこの上ありませんね。
余談ですが、この近所にある某食堂の看板にも温泉マークが描かれており、噂によればそこで宿泊すると温泉に入れるんだそうですが、実際に私がそこで食事をし、ダメで元々でお勘定の時に入浴を乞うてみますと、あっさり断られてしまいました。でも食堂のお祖母ちゃんははっきりと「うちには温泉があるんだよ」と仰っていましたから、何らかのきっかけがあれば入浴が叶うかもしれません。
含食塩硫黄温泉 48℃ 310L/min
(昭和50年10月15日)
北海道白老郡白老町字萩野426-2 地図
0144-83-4923
入浴可能時間不明
300円
備品類なし
私の好み:★★+0.5