温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

濁河温泉 湯の谷荘

2016年03月14日 | 岐阜県
昨年夏に拙ブログで岐阜県塩沢温泉の「湯元山荘跡露天風呂」が閉鎖されてしまったことを取り上げましたが、しばらく放置されて泥が溜まったその野湯で入浴した後は、どうしても体を綺麗にしたくなったので、ちょっと足を伸ばして濁河温泉へ向かうことにしました。

  
御嶽山の北側山腹を東西に走る県道435号線を走行していると、フロントガラスの目の前には穏やかな御嶽山が、そして車窓の北の彼方には白山連峰がなだらかに裾を広げていました。眼前で美しくそびえる御嶽山が、その前年(2014年)に恐ろしい惨禍をもたらしたとは信じられません。


 
さて御嶽山6合目のいで湯、濁河温泉に到着です。当地では日帰り入浴を受け入れている宿が多いものの、私の到着した時間が遅く、予め目をつけていた宿のほとんどは日帰りの受付時間を過ぎてしまっていたため、今回はまだ利用可能時間内だった「湯の谷荘」を訪うことにしました。


 
玄関で声を掛けて日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださいました。玄関脇にある広間を右に見ながら、お風呂がある奥へと進んでゆきます。


 
建物は地形の傾斜に沿う形で建てられており、奥へ向かうに従って下の方へ段々になっていて、いくつかのステップを下ってゆくと、最下段の突き当たりにある浴室へとたどり着きました。二つのドアが並んでおり、男女の区別はドアに掛けられている笠に記されています。


 
脱衣室には4つのスチールロッカーが設置されていたのですが、カゴも積み重ねられていましたので、ロッカーに入れるのが面倒になった私は、先客に倣ってカゴに衣類を収め、そのカゴをそのまま床に直置きしちゃいました。浴室出入口のドア右には内湯や露天風呂の温度が掲示されており、数値を見る限りではどちらの浴槽もぬるめの湯加減となっているようでした。


 
タイル張りで実用的な造りの浴室には、窓下に浴槽がひとつ据えられているほか、壁に沿って洗い場が2箇所に分かれて配置されており、計3基のシャワー付きカランが設置されています。カランのお湯は真湯ですが、ボイラーのご機嫌が宜しくなかったのか、コックを開けてからお湯が出てくるまで若干のタイムラグがありました。なお女湯との仕切りには曇りガラスが嵌め込まれており、ちょっぴりエロティック♪


 
浴槽は(目測で)2m×3mの四角形でおおよそ4~5人サイズ。温泉成分の付着によるのか、表面は全体的にフラットで赤茶色に染まっているのですが、元々コンクリ打ちっ放しなのか、はたまた何らかの建材で加工されていたのに成分付着でその建材の表面が覆われてしまったのか、そのあたりの事情はよくわかりません。
浴槽の隅っこにはフェイクの観葉植物が置かれた湯口が設けられ、トポトポ音を響かせながらお湯が注がれており、窓下の溝からしっかりと排湯されていました。純然たる放流式の湯使いです。


 
内湯の洗い場左にある出入口から屋外へ出ると、深い緑に覆われた急峻な谷を直下に見下ろす立地に、岩造りの露天風呂が設けられていました。お宿の屋号はこの谷のことを指しているのかな? 谷に面して開けているロケーションなのですが、その急斜面には針葉樹が密生しているため、いまいち展望が利かず、また谷と反対側には駐車場があるため目隠しの塀が立てられており、谷の上という立地の割にはあまり開放感が得られません。ですからここでは展望を期待せず、森林浴をしながら湯浴みを楽しんだ方が良さそうですね。


 
露天岩風呂の上には鋼製の無骨な屋根が立てられており、雨天や雪の日でも湯浴みできるようになっているのですが、柱や梁に塗られたグリーンの塗装が妙にけばけばしく、緑豊かな自然環境の中でサイケデリックな存在感を放っていました。周囲の環境に馴染ませようとしてこの色をチョイスしたのかもしてませんが、却って不自然に浮いちゃっています。黒やこげ茶の方が良かったかもしれませんね。


 
露天の岩風呂は3~4人サイズ。内湯側にある供給口からお湯が注がれており、槽内の谷側に開けられた穴から排湯されていました。内湯同様、この露天も放流式の湯使いで間違いないでしょう。

お湯は薄いオレンジ色を帯びた微濁ですが、ほぼ透明と言っても差し支えないでしょう。湯中ではオレンジ色の粉状浮遊物が無数に待っており、浴槽の底にも沈殿しています。上画像で槽内に沈んでいるステップの石の色が違うのは、私が湯船に入ることによってお湯の沈殿が舞い上がったためです。内湯の湯口から出てくるお湯をテイスティングしてみますと、金気や石灰らしさがはっきり感じられ、炭酸の名残みたいな味も伝わってきます。湯中ではギシギシと引っかかる浴感があり、肩までしっかり浸かると、全身に毛布を掛けられているような重厚感に包まれました。なお脱衣室には内湯・露天ともに長湯できそうな湯温が書かれていましたが、実際に私が入浴したところ、内湯・露天のいずれも41~2℃はあり、入り応えと温まりを存分に得られる湯加減になっていました。


市営泉源の混合泉(市営G泉・濁河温泉・市営泉源の混合泉)
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉 51.9℃ pH6.3 759L/min(掘削自然湧出) 溶存物質2.4464g/kg 成分総計2.6735g/kg
Na+:341.3mg(46.58mval%), Mg++:86.9mg(22.43mval%), Ca++:151.8mg(23.75mval%), Fe++:4.4mg,
Cl-:139.1mg(13.58mval%), SO4--:619.3mg(44.66mval%), HCO3-:725.3mg(41.20mval%),
H2SiO3:282.9mg, CO2:226.9mg, H2S:0.2mg,
(平成18年3月)

岐阜県下呂市小坂町大字落合2376-1  地図
0576-62-3037
ホームページ

日帰り入浴時間不明
500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント
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