温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

浅間温泉 目の湯旅館

2016年03月05日 | 長野県
 
信州松本の奥座敷である浅間温泉で一泊した昨年の某日。
上画像の看板に導かれながら、なまこ壁に挟まれた路地を入ってゆき…



純和風で趣きたっぷりの「目の湯旅館」へと向かいました。こちらのお宿の創業家では、かつて養蚕業を営んでいたんだとか。


 
正直に申し上げますと、実際に訪れたのは日没後です。と申しますにも、この日は別のお宿に宿泊したため、今回は日帰り入浴で利用したかったのですが、こちらのお宿における日帰り入浴は平日の午後のみであるため、宿にチェックインして諸々を済ませて落ち着いた夜にお邪魔したのでした。
玄関の軒先には白い提灯がさがっていたので、てっきり「秘湯を守る会」かと思いきや、そこには「日本源泉を守る宿」と記されていました。温泉旅館業界には似たような名称のいろんなグループがあるんですね。


 
長い歴史を感じさせる館内は、まるで明治か大正から時が止まっているかのよう。浴室へと伸びる廊下の天井には、レトロで洒落た照明器具がさがっており、柔らかく暖かな灯りが足元を照らしていました。


 
3畳ほどの狭い脱衣室を抜けて浴室へ。内湯の上屋は木造で、床はアイボリー色のタイルです。男湯の場合は左側に浴槽がひとつ据えられ、右側に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付きカランが2基並んでいました。


 
内湯の浴槽は2m四方で3人サイズの総檜造り。お宿の説明によれば、自然倒木した樹齢2000年以上になる巨木から造られたものなんだそうですが、さすが悠久の時を経てきた木材は伊達じゃない。入ってみますと、その優しい肌触りに思わずため息が漏れ、それでいて深めの造りゆえに入り応えもあるため、腰を下ろしたときに得られる寛ぎたるや、そんじょそこらの旅館では得られないほど極上です。
湯船のお湯は無色透明、私の体感でちょっと熱めの43~4℃。心地の良い熱さなので心身がシャキッと冴えます。湯中では消しゴムのカスみたいな細かく白い湯の華が舞っています。湯口に置かれたコップでお湯を飲んでみますと、ちょっぴり硫酸塩泉っぽい感覚が得られたものの、ほぼ無味無臭と言って差し支えないような感じでした。もちろん湯使いは完全掛け流し。


 

内湯の浴槽脇にある扉を開けた先には、別の浴室があるのかと思いきや、そこは露天風呂なのでした。周囲を塀で囲まれ、頭上は傾斜のある目隠しで覆われているため、てっきり室内なのかと勘違いしてしまったのでした。足元はスノコ状になっており、片隅には鬼瓦が置かれていました。かつてこちらの建物で使われていたのでしょうか。


 
真ん丸い樽風呂の直径はおおよそ1間(1.8m)、キャパとしては3人ほどでしょうか。湯口から注がれるお湯は内湯と同じもので、こちらも内湯同様にちょっぴり熱めの湯加減となっており、ツルスベとキシキシが6:4の割合で混在しているような浴感が肌に伝わりました。目の湯という名前からもわかるように、こちらのお湯に含まれるホウ酸が眼に良いんだそうです。
内湯・露天ともに、意図的に抑えられた照明の照度や木のぬくもり、そして歴史が醸し出す重厚感が相まって、何とも言えない雰囲気が味わえ、またそうした環境のもとで湯浴みする掛け流しの熱いお湯もまた素晴らしいものがありました。


温泉分析書確認忘れ
アルカリ性単純温泉

松本駅からアルピコ交通の浅間温泉行き路線バスで「ホットプラザ浅間前」下車、徒歩1分
長野県松本市浅間温泉1-37-5  地図
0263-46-0255
ホームページ

日帰り入浴15:00~21:00(平日のみ)
600円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント (2)
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