温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

浅間温泉 栄の湯旅館 前編(客室・貸切風呂)

2016年03月06日 | 長野県
 
前回記事では昨年某日に浅間温泉「目の湯旅館」で日帰り入浴した際のことを述べましたが、その日に私が宿泊したのは温泉街の坂を登ったところにある「栄の湯旅館」です。某大手宿泊予約サイトから朝食付きのプランで手頃なお宿を探していたところ、こちらが目に止まったので一晩お世話になることにしました。


 
玄関のすぐ左には浅間温泉に複数存在する有力源泉のひとつ「東北源泉」が、そして道路を挟んだお宿の向かい側には「中央分湯場」があります。源泉が目の前にあるので、そこで湧くお湯を引いているものと考えてしまいがちですが、実際にはこの東北源泉を含む5つの源泉をブレンドして組合が管理しているお湯を引いています。詳しくはまた後ほど。


●客室・朝食
 
今回通された客室は3階の8畳間。かなり古い建物であり、洗面台こそ付帯しているもののトイレは共用なのですが。清掃はきちんと行き届いてますし、テレビ・空調・Wifiなど完備されていますので、居心地に問題ありません。私は夕食なし・朝食付きのプランでお願いしましたので、お部屋へ案内された時点で既に布団が敷かれており、すぐにでも鼾が掛ける状態にありました。
私が泊まった晩で興味深かったのが、外人客が目立っていたことです。この晩はフランス人ファミリーが宿泊しており、女将曰くその前の日にはオランダ人が利用していたんだそうですが、海外向けの宿泊予約サイトを通じての利用が多いんだそうです。リーズナブルであり、且つ純和風な佇まいですから、日本の伝統的な文化の中で宿泊したいという外国人旅行者にとっては、うってつけのお宿なのでしょうね。


 
朝食は北アルプスを一望する眺めの良いお部屋へ移動していただきました。
いかにも和風旅館らしい献立の数々。ハート形になっている卵焼きが愛嬌たっぷり。なお鉄鍋の中身はお味噌汁です。いずれもおいしくいただきました。


●貸切風呂
 
源泉掛け流しがお自慢のお風呂は、男女別の大浴場と貸切風呂の2種類があり、いずれも帳場の奥にある階段で1フロア下った先にあります。
まずは廊下を歩いてその階段へ。廊下には和の風情の感じさせる小物がたくさん飾られていました。


 
「源泉の湯」と記された札を潜りながら階段を下って浴室ゾーンへ。
階段を下りきってすぐ右に貸切風呂が1室、そしてその先に男女別の大浴場がそれぞれ一室ずつあるのですが、記事スペースの都合上、今回記事では貸切風呂をまず先にご紹介させていただきます(男女別大浴場に関しては後編で)。貸切風呂の利用に際しては、特に予約などの必要は無く、空いていればいつでも利用可能です。限られた人数しか使わない脱衣室は非常にコンパクトですが、室内にはドライヤーが用意されており、必要にして十分な設備です。



総タイル張りの浴室は至って質素で実用的ですが、ドアを開けた時にプンと漂ってくる石膏臭や芒硝臭が温泉情緒をかき立ててくれます。室内には1人サイズの浴槽がひとつ、そしてシャワー付きカランが1基設けられていました。


 
浴槽の縁には御影石が用いられており、そこから絶え間無く無色透明の綺麗なお湯が溢れ出ていました。もちろん完全掛け流しです。湯加減はちょっと熱め。硫酸塩の白い析出がこびりついている湯口にはコップが置かれており、それで飲泉してみますと、ほぼ無味ながらほんのり石膏や芒硝らしい感覚が伝わってきました。熱めのお湯とじっくり対峙なさりたい方に向いている燻し銀のお風呂でした。

続いて、大浴場へと向かうことにしましょう。

後編へつづく
コメント
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