前回記事で取り上げた平湯温泉「穂高荘倶楽部」で一晩を明かした翌朝は、標高3026mの乗鞍岳に登って、頂上からの大パノラマと高山植物の花々に大満足。下山した後は、登山でかいた汗を流すべく、平湯温泉に戻って名湯「神の湯」へ向かったのですが、あいにく長期休業中だったため…
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第二候補の「平湯民俗館」へと向かいました。「穂高荘倶楽部」の斜め前にあり、神社に隣接しているので、その神社の鳥居がわかりやすい目印になっています。「民俗館」という名称の施設ですが、こちらにも温泉の露天風呂があるんですね。
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民俗館と称するだけあって、当地の伝統的な民俗文化を伝承することが本業であり、最奧には立派な茅葺き屋根の入母屋造である民俗資料館があるほか、その手前には同じく茅葺き入母屋造で高山市の指定文化財である「旧豊坂家住宅」(移築)が展示されており、駐車場側には足湯も設けられていました。
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民俗資料館の1階では軽食類の販売が行われている他、屋内には囲炉裏の部屋があったり、また伝統的な衣類や古民具類などが展示がされていますので、それら展示類により飛騨の厳しい自然を生き抜く先人たちの生活の工夫を学ぶことができます。縁側から昔噺の世界観に満ちた室内を覗くと、いまにも常田富士男や市原悦子の声が聞こえてきそうな感じです。
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さて私がこちらを訪れたのは民俗学を学ぶためではなく、温泉に入るためです。入浴利用者は資料館へ声をかける必要はなく、母屋の右側にある湯屋へ直接向かえばOKなのですが、湯屋自体は無人ですので、利用前には必ず男湯前に立っている料金ポストへ湯銭を納めましょう。
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総木造の脱衣室は、まるで農機具小屋を思わせるようなシンプルな佇まいで、棚とカゴ、そしてロッカーが用意されている程度です。
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お風呂も露天風呂のみという潔い構成ですが、周囲の美しい緑に囲まれた大きな岩風呂は、和の温泉情緒たっぷりで、なかなか良い雰囲気です。奧へ長いつくりのお風呂は、手前側半分に屋根がかけられていますから、多少の雨や雪なら凌げるでしょう。あくまで観光客がふらっと立ち寄って湯浴みすることを前提に造られているのか、あるいは極力シンプルな造りにしたかったのか、お風呂にカランや洗い場などはありません。このため3個ほどある備え付けの桶で、湯船からお湯を直接汲んで掛け湯することになります。
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最奧の岩から突き出ている竹筒より温泉がドバドバ大量に注がれており、脱衣室側の湯尻からしっかりと溢れ出ているほか、オーバーフロー管からも排湯されていました。20人は同時に入れそうなほどのキャパを有する大きな浴槽に対して、十分な量のお湯が供給されているようです。
お湯と接する岩風呂の表面には橙色に染まっており、しかも細かなトゲトゲにもびっしりと覆われています。湯船のお湯はやや緑色を帯びていますが、この日は空から強い日差しが降り注いでおり、その影響を受けてか、濃く明るい橙色に強く濁っているように見えました。平湯温泉らしい土類っぽい匂いや味とともに、少々の甘みや焦げたような感覚もあり、また湯口においては微かな硫黄臭も嗅ぎとれました。脱衣室に掲示されている温泉分析表の数値は加水後の検体を計測したものとなっており、加水により溶存物質が1g/kgを下回っちゃうため、単純温泉になってしまうのですが、加水前はナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物温泉であるはずです。加水されているものの、私の訪問時は少々熱めの湯加減となっており、私の後にやってきた若者たちは熱いお風呂に慣れていないのか、「うわっ、あちーよ」と唸りながら眉間に皺を寄せていました。
湯中では土類泉らしいギシギシと引っかかる浴感が得られるほか、肩までじっくり浸かっていると、皮膚の細かな皺一本一本に温泉成分の微粒子が入り込んでコーティングされてゆくかのような、しっとりとしたホールド感が全身を覆い、何とも言えない安堵感に満たされます。見た目には強く濁っていますが、そんな見た目に反し、シャキッとして、それでいてイヤミの少ない、マイルドな塩化土類泉と表現したくなる優しいお湯です。
「あぼうの湯」と山水の混合泉
単純温泉 47.5℃(湯口における温度) pH6.8 溶存物質0.910g/kg 成分総計1.084g/kg
Na+:129.8mg(57.85mval%), Mg++:13.8mg(11.63mval%), Ca++:47.8mg(24.44mval%), Fe++:3.4mg,
Cl-:132.2mg(37.05mval%), HCO3-:378.7mg(61.67mval%),
H2SiO3:166.8mg, CO2:173.4mg,
(平成25年3月13日)
平湯バスターミナルから徒歩3~4分
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯 地図
6:00~21:00(冬期8:00~19:00) 不定休
寸志(300円が目安)
ロッカー(100円有料)あり、他備品類なし
私の好み:★★+0.5
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第二候補の「平湯民俗館」へと向かいました。「穂高荘倶楽部」の斜め前にあり、神社に隣接しているので、その神社の鳥居がわかりやすい目印になっています。「民俗館」という名称の施設ですが、こちらにも温泉の露天風呂があるんですね。
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民俗館と称するだけあって、当地の伝統的な民俗文化を伝承することが本業であり、最奧には立派な茅葺き屋根の入母屋造である民俗資料館があるほか、その手前には同じく茅葺き入母屋造で高山市の指定文化財である「旧豊坂家住宅」(移築)が展示されており、駐車場側には足湯も設けられていました。
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民俗資料館の1階では軽食類の販売が行われている他、屋内には囲炉裏の部屋があったり、また伝統的な衣類や古民具類などが展示がされていますので、それら展示類により飛騨の厳しい自然を生き抜く先人たちの生活の工夫を学ぶことができます。縁側から昔噺の世界観に満ちた室内を覗くと、いまにも常田富士男や市原悦子の声が聞こえてきそうな感じです。
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さて私がこちらを訪れたのは民俗学を学ぶためではなく、温泉に入るためです。入浴利用者は資料館へ声をかける必要はなく、母屋の右側にある湯屋へ直接向かえばOKなのですが、湯屋自体は無人ですので、利用前には必ず男湯前に立っている料金ポストへ湯銭を納めましょう。
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総木造の脱衣室は、まるで農機具小屋を思わせるようなシンプルな佇まいで、棚とカゴ、そしてロッカーが用意されている程度です。
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お風呂も露天風呂のみという潔い構成ですが、周囲の美しい緑に囲まれた大きな岩風呂は、和の温泉情緒たっぷりで、なかなか良い雰囲気です。奧へ長いつくりのお風呂は、手前側半分に屋根がかけられていますから、多少の雨や雪なら凌げるでしょう。あくまで観光客がふらっと立ち寄って湯浴みすることを前提に造られているのか、あるいは極力シンプルな造りにしたかったのか、お風呂にカランや洗い場などはありません。このため3個ほどある備え付けの桶で、湯船からお湯を直接汲んで掛け湯することになります。
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最奧の岩から突き出ている竹筒より温泉がドバドバ大量に注がれており、脱衣室側の湯尻からしっかりと溢れ出ているほか、オーバーフロー管からも排湯されていました。20人は同時に入れそうなほどのキャパを有する大きな浴槽に対して、十分な量のお湯が供給されているようです。
お湯と接する岩風呂の表面には橙色に染まっており、しかも細かなトゲトゲにもびっしりと覆われています。湯船のお湯はやや緑色を帯びていますが、この日は空から強い日差しが降り注いでおり、その影響を受けてか、濃く明るい橙色に強く濁っているように見えました。平湯温泉らしい土類っぽい匂いや味とともに、少々の甘みや焦げたような感覚もあり、また湯口においては微かな硫黄臭も嗅ぎとれました。脱衣室に掲示されている温泉分析表の数値は加水後の検体を計測したものとなっており、加水により溶存物質が1g/kgを下回っちゃうため、単純温泉になってしまうのですが、加水前はナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・塩化物温泉であるはずです。加水されているものの、私の訪問時は少々熱めの湯加減となっており、私の後にやってきた若者たちは熱いお風呂に慣れていないのか、「うわっ、あちーよ」と唸りながら眉間に皺を寄せていました。
湯中では土類泉らしいギシギシと引っかかる浴感が得られるほか、肩までじっくり浸かっていると、皮膚の細かな皺一本一本に温泉成分の微粒子が入り込んでコーティングされてゆくかのような、しっとりとしたホールド感が全身を覆い、何とも言えない安堵感に満たされます。見た目には強く濁っていますが、そんな見た目に反し、シャキッとして、それでいてイヤミの少ない、マイルドな塩化土類泉と表現したくなる優しいお湯です。
「あぼうの湯」と山水の混合泉
単純温泉 47.5℃(湯口における温度) pH6.8 溶存物質0.910g/kg 成分総計1.084g/kg
Na+:129.8mg(57.85mval%), Mg++:13.8mg(11.63mval%), Ca++:47.8mg(24.44mval%), Fe++:3.4mg,
Cl-:132.2mg(37.05mval%), HCO3-:378.7mg(61.67mval%),
H2SiO3:166.8mg, CO2:173.4mg,
(平成25年3月13日)
平湯バスターミナルから徒歩3~4分
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯 地図
6:00~21:00(冬期8:00~19:00) 不定休
寸志(300円が目安)
ロッカー(100円有料)あり、他備品類なし
私の好み:★★+0.5