温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

すもも沢温泉郷 家族風呂

2016年05月10日 | 青森県
 
開業してまだ数年しか経っていないにもかかわらず、今や青森県三八上北地方屈指の名湯として全国の温泉ファンに名前が知られるようになった「すもも沢温泉」。一昨年あたりに家族風呂が増設され、既に多くの温泉ファンが訪れてその素晴らしさに感嘆の声を上げています。私も遅ればせながら昨年初夏に家族風呂を利用してみることにしました。スッポン養殖場の方には、いつの間にやらプレハブの休憩所もできたんですね。


 
こちらはオーナーさんに見せていただいた源泉のポンプ小屋。この日もポンプが元気良くお湯を組み上げていました。


 
既に温泉ファンのサイトやブログで何度も取り上げられていますので、私が改めて説明するまでもないのですが、念のため簡単にご説明申し上げますと、家族風呂利用の際には、(上画像に写っている)青いプレハブ小屋の事務所出入口に掲示されている携帯電話へ連絡して、オーナーさんに個室の鍵を開けてもらうことになります。事務所とはいえ、いつも誰かがいるわけではなく、むしろ誰もいない時間の方が多いので、いきなり行っていきなり入れるというわけではありません。私が電話をかけた時には、オーナーのおじさんはちょっと離れたところで野良仕事の真っ最中でしたが、仕事の手を休めて数分後にこちらへやってきてくださいました。
家族風呂にはAとBの2棟がありまして…


 
今回は青いドアが目を惹くA棟の「かぞく温泉」を利用させていただきました。おじさん曰く、自分が使う家族風呂の前に車を止めておいてほしい、車がいなくなったら客が帰ったと判断して施錠をしに行く、とのことでした。このおじさんとのお話しの中で印象的だったのが「最近、遠くから来るお客さんが多いんだね」という一言。私のような好事家が全国からやってくるのでしょう。ネットの影響力を再認識させられます。


 
ドアを開けますと、3畳ほどの広さを有する室内には、畳表が張られた小上がりの上に扇風機やカゴが置かれ、浴室側には洗面台やトイレも設置されていました。狭いながらも設備が充実していますから、小上がりにマットレスを敷けば泊まれちゃうかもしれませんね。


 
家庭のお風呂をひと回り大きくさせたような浴室。2人サイズのバスタブがひとつ据えられている他、スタイリッシュな形状のカランがひとつ設置されており、ホースの先には大きなシャワーヘッドが取り付けられていました。


 
カランやシャワーから吐出されるお湯は温泉のお湯です。


 
浴槽はFRP製。浴室ギリギリのサイズです。というか、浴槽の大きさに合わせて浴室の幅を設計したのでしょうね。古い話になりますが、荒井注が伊豆でカラオケボックスを開こうとした時、せっかく建てた建物の出入口が狭くて、カラオケ機器を室内に搬入することができなかったという有名な珍事がありました。家族風呂は浴槽があってこそですから、さすがにそんなマヌケなことはできませんよね。浴槽の選定ありきで小屋の設計が進められたんだと思われます。

私が入室した時、既に湯船にはお湯が張られており、お湯の投入によってザバザバとオーバーフローしていました。他の温泉ファンの方もおっしゃっていますが、室内寸法いっぱいの浴槽に満杯のお湯が張られているわけですから、そんな状態の湯船に体を沈めるとお湯が一気にドバーッと溢れ出て、浴室内は大洪水状態になります。ドアをちゃんと閉めておかないとお湯が脱衣室まで漏れてしまうという情報を予め入手していたので、ドアが閉まっていることを確認してから入浴させてもらいました。


 
湯口にはバルブが付いているので、自分の好みに合わせて適宜開閉ができます。お湯は以前拙ブログで取り上げた公衆浴場のお湯と同じで、いわゆるモール泉の特徴を有しています。見た目はコーヒーのような色を帯びており、湯面には白い泡の塊が浮いています。お湯を口に含むと弱いながらもはっきりとしたタマゴの匂いと味、清涼感を伴うほろ苦み、そして弱い金気味が感じられ、湯船ではヌルヌルを伴うツルツルスベスベの非常に滑らかで気持ち良く、お湯の中では老若男女を問わず誰しもが美人肌になること間違い無し。もちろん湯中では肌への泡つきも見られます。加温加水循環消毒の一切ない完全掛け流しであり、一切人の手が加わっていないにもかかわらず、湯船において適温になっているのですから、これぞ大地の恵みと言わずして何と申しましょうか。さらには、湯上がりのサッパリとした爽快感も極上。家族風呂ならば誰にも邪魔されずにこのお湯を独占できるのですから、紙幣1枚を出す価値は十分にありますね。制限時間である1時間ギリギリまで、この名湯を堪能させていただきました。なお利用後は湯口のバルブを閉め、浴槽の縁にあるボタンを押して、浴槽のお湯を抜いておくのが、こちらの流儀です。



余談ですが、「すももざわ」という言葉を目にすると、私個人としてはこの温泉の他、どうしても↑画像の李沢教授を思い出してしまいます。このキャラが登場していた番組「ヨルタモリ」は、当初からの1年契約に基づいて昨年秋に終了してしまいましたが、あの番組でこの教授の名前を目にし、即座に青森県の温泉を連想してしまった人は、きっと私だけではないはずです。また再び特番のような形で復活してくれると嬉しいなぁ。


アルカリ性単純温泉 42.5℃ pH8.58 563L/min(動力揚湯) 溶存物質0.388g/kg 成分総計0.388g/kg
Na+:67.5mg(86.98mval%), K+:16.0mg(12.13mval%),
Cl-:54.4mg(47.52mval%), HCO3-:57.5mg(29.19mval%), CO3--:12.0mg(12.42mval%),
H2SiO3:163.4mg, CO2:0.0mg,

青森県上北郡七戸町大字李沢字道ノ下22-1  地図
家族風呂1000円/1時間
公衆浴場の営業時間・料金などに関しては拙ブログの以前の記事をご参照ください。
備品類無し

私の好み:★★★
コメント (10)
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