

下呂温泉の温泉街は飛騨川の左右両岸に広がっており、その両岸を結ぶ「いで湯大橋」の上に立つと、川に沿って旅館が建ち並ぶ温泉街を一望できます。そして橋の下の河原には、下呂温泉名物の開けっぴろげな露天風呂「噴泉池」があり、当地を訪れた観光客が、橋の上から「噴泉池」で湯浴みする人を眺めるのも、下呂温泉ならではの光景のひとつです。この「噴泉池」は単に開けっぴろげの入浴環境が珍しいだけでなく、お湯の質が下呂温泉で最も良いことでも知られています。最も良いお湯なら是非とも入りたいですよね。でも、昼間は人目がありますし、足湯を楽しんでいる方もいらっしゃったので、日が沈むのを待って・・・


夜9時に出直して行ってみますと、案の定、誰もいませんでした。そうです。このタイミングを待っていたのでした。絶好の入浴チャンス!
私はすでに水着を履いていたので、その場で服を脱ぎ、海パン一丁で早速入浴させていただきました。
(「噴泉池」では平成22年2月1日から男女とも水着着用が義務付けられているため、私も水着着用で入浴しました)
露天風呂はいわゆる岩風呂ですが、瓢箪のような形状をしており、瓢箪のくびれの部分で二分割されていて、湯口側は適温、湯尻側はぬるくなっていました。私が訪れたのは2016年1月の正月休み。例年ですと真冬の「噴泉池」はぬるすぎて入れないそうですが、皆様ご存知のように昨冬は全国的に暖冬で、この下呂温泉も正月だというのに雪が全く無く、むしろダウンジャケットを纏うと汗ばむような陽気であったため、この「噴泉池」の湯温も下がり過ぎず、ちょうど良い湯加減が保たれていました。
なお「噴泉池」に照明は設置されていませんが、周囲で輝く街灯かりのおかげで、夜でも不自由なく利用できます。そして橋の上から通行人に見られても、夜ならボンヤリしてはっきり視認できませんから、人目を気にする方には夜がオススメです。


川の上流側に石積みの湯口があるのですが、現在その湯口は使われておらず、傍から伸びる黒いホースからお湯が吐出されていました。新鮮湯の供給量は温泉街の各宿とは比べものにならないほど多く、言わずもがなの完全掛け流し。お湯からはタマゴ臭がふんわりと香ってきます。見た目は無色透明、薄いながらもしっかりとタマゴ味が感じられ、ヌルヌルを伴うツルスベ浴感が大変強く肌に伝わります。まるでローションの中に浸かっているかのように、トロットロのお湯です。

うひゃー! 最高だぜ。この時の露天風呂は40〜41℃という長湯仕様の湯加減でしたので、後客がやってくるまでの1時間半ほど、ずっとここで湯浴みを続けてしまいました。「名物に旨いものなし」と言いますが、この「噴泉池」はそんな言葉を覆してくれます。実に素晴らしいお湯を楽しむことができました。


翌朝、改めて「噴泉池」へ行ってみますと、男性二人がお湯を抜いて清掃していました。関係者の皆さんのおかげで、素晴らしい湯浴みが楽しめるのですね。ありがとうございます。天下の名湯、ここにあり。
温泉分析書掲示なし(アルカリ性単純温泉)(おそらく幸田タンクからの配湯かと思われます)
JR高山本線・下呂駅より徒歩3〜4分
岐阜県下呂市幸田 地図
紹介ページ(下呂温泉観光協会公式サイト内)
通年24時間利用可能(ただし清掃時や河川増水時は入浴不可)
無料
備品類なし(掛け湯用の桶が数個備え付けられています。低い衝立があるものの、着替え用の小屋等はないため、人目を気にする方は着替えポンチョなどを持参するとよいでしょう)
※平成22年2月1日から男女問わず水着着用が義務付けられています
私の好み:★★★