温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

某所の超有名野湯 2015年11月、またまた訪問

2016年09月29日 | 秋田県
前回記事までは今年(2016年)1月の温泉訪問記を取り上げてまいりましたが、今回記事からはさらに時計の針を戻して、ほぼ一年前となる2015年11月に巡った北東北の温泉を連続してアップさせていただきます。毎度毎度のことですが、情報鮮度に欠けるブログで誠に申し訳ございません。言い訳になっちゃいますが、これから紅葉を迎える東北観光の参考にしてくだされば幸いです。

さて今回取り上げるのは、拙ブログにおいて4度目の登場となる、秋田県山中の超有名野湯。
最近では六本木の某テレビ局など各メディアでも取り上げられるようになったらしく、最早その知名度は全国的になっておりますので、いまさら匿名にする意味はありませんが、でも大っぴらに公表すると秘湯感が薄れるような気がするので、今回も世間の目を憚って匿名で書き綴らせていただくことにしました。



はい、到着です。私個人としては6回以上は訪問しているかと思います。今回訪れたのは2015年11月の某日。前回訪問したのは6月初旬だったためブヨの猛襲に悩まされましたが、冬を目前にしたこの日は紅葉もすっかり落ちており、野湯の大敵となる虫が完全になりを潜めていましたので、痒み痛みを気にすることなく湯浴みに専念できました。



最近、この野湯には行政関係と思しき方によってロープが張られるようになりました。ネット上では「とうとう関係当局によって目をつけられるようになったのか」とか「もしかしたら入れなくなるかも」などといったような憶測が広がりましたが、実際に現地で確認したところ、立入禁止を宣告するものではなく、ゴミや人工物は置きっ放しにしないでね、といった程度の注意喚起でした。ゴミの放置はもってのほかですが、以前は桶など入浴グッズも置かれており、入浴者にとっては便利であった反面、人工物を放置することは当地に関係する法令に抵触してしまい、結果として何らかの措置を取らざるを得ない状況になりかねないため、そうした事態を招かないよう、行政の担当者が注意してくれているんだろうと推測されます。つまりとっても親切な配慮なんだと思います。
そうした呼びかけのためか、前回訪問時に見られたケロリン桶などはすべて撤去されており、自然に近い姿へ戻されていましたが、それでも当地でテントを張ったり、あるいは車中泊をする方が残していったのか、残念ながら川沿いの駐車スペースにはゴミが散らかってされました。そんなこともあろうかと、私は持参したビニール袋でゴミ拾いをしましたが、一介の温泉ファンとして僭越ながら申し上げれば、ゴミの持ち帰りは徹底していただきたいと強く願っております。


 
この野湯は、湧出地こそ決まっていますが、そこから流れ出る下流側の湯溜まりは、来るたびにその位置や形状を変えているようです。前回訪問時と比べると、湯溜まりがひとつ増えていました。誰かさんが手掘りしたのかな。その一方、炭酸カルシウムの付着のためか、天然ジャグジーのメイン湯溜まりは、若干小さくなっているような気がしました。


 
天然ジャグジーはこの日も元気に湧出しており、温度計を突っ込んだら44.1℃と表示されました。炭酸味+塩味+金気という知覚的特徴は以前と同様であり、噴出する勢いにも衰えは見られません。この温泉はしばらくは安泰でしょう。


 
前回訪問時には無かったと思われるこの小さい湯溜まりは、大人一人が入るのにちょうど良いサイズなのですが、湧出地から若干離れているため程良くお湯が冷めており、噴出地直上の44℃という湯温が熱く感じる方でも入れるるような、丁度良い湯加減になっていました。



私は多少熱くても天然ジャグジーの直上が良いので、湧出地で湯浴みさせていただきました。
はぁ、いい気持ち。極楽だぁ。ここは何度訪れても最高ですね。

余談ですが、4年前の『小坂町議会だより』第60号(平成24年2月10日)の中で気になる記事を見つけましたので、ちょっと古いネタですが、当記事の最後にご紹介させていただきます。この天然のジャグジーは当然ながら地元の方々もご存知であり、この自然の恵みを求めて私のように他県からわざわざ足を運ぶ観光客も多いため、他県からの訪問者を町おこしへつなげられないかと地元の方が考えるのは至極自然な流れです。実際にそうした発想が平成23年12月の町定例議会で提案されました。議会において或る議員が「観光振興について」と題して、最近多くなっている●●温泉を訪れる観光客への対応とその利活用について町長に質疑したところ、町長は「国有林内であること、法的な手続きをとった本来の温泉施設ではないことから、現状では自己責任で利用していただく事としており、観光施設としては位置づけておりませんので今のところは現状のままと考えております」と答弁しました。詳しくは「小坂町議会だより」第60号(平成24年2月10日)の8ページをご覧ください。翻って思い出しますと、確かにこの野湯では数年前から営林署名義で同様の文章を記した看板が立つようになりましたね。そして答弁から4年経った現在でも、マス媒体に取材されながらも以前と同じ状態が維持されつづけているということは、当時の町長の見解が今でも通用しており、今後も余程のことが無ければ関係機関による黙認状態が続いて、従来通りに野湯を楽しむ事ができるのだろうと思われます。尤も、議員の提案のように観光目的で下手に人工的なものが設けられると興醒めですし、逆に国有林関連の法令に抵触するとして閉鎖されるのは最も避けたい事態ですから、我々温泉ファンとしても現状維持が最善な形です。そのためにも、ぜひゴミの持ち帰りやゴミ拾いを心がけていただき、またテントなどで山火事を起こさないようくれぐれも注意していただきたいと心より願っております。


秋田県鹿角郡小坂町某所

私の好み:★★★

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コメント (9)
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