温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

草津温泉 躑躅の湯

2016年09月21日 | 群馬県
 
今回記事から数回連続で群馬県吾妻地方の温泉を取り上げます。と言っても、これまでの記事と同じく半年以上前の冬に訪れた際の内容ですので、季節外れの雪景色が連続してしまいますが、何卒ご容赦ください。まずは温泉ファンの聖地である草津温泉の共同浴場「躑躅の湯」から。私が訪れた時には屋根上の湯気抜きから白い湯気を上げており、温泉風情たっぷりでした。

こちらの共同浴場は、草津に数ある外湯の中でも温泉街の中心部から最も遠く離れていますが、「道の駅 草津運動茶屋公園」から至近であるため、基本的に駐車場を併設しない草津の外湯にあって、車で利用しやすい数少ない施設と言えるかもしれません。ちなみに私は路線バスで伺いました。余談ですが、まだ大学生の頃に学生仲間と草津を訪れた時、この「躑躅の湯」を「ドクロの湯」と読んだ女の子がいましたが、なるほど躑躅と髑髏は字面が似ており、みんなで爆笑した想い出があります。もちろんこの浴場と髑髏とは全く関係ありません。


 
浴室内は草津の外湯の標準仕様と称すべきレイアウトで、木造の湯屋内部に浴槽が一つあるだけの至ってシンプルな構造です。床や側壁立ち上がり部分など、お湯が掛かりやすい箇所に耐酸塗装が施工されている点も草津の他の外湯と同様です(このため大変滑りやすいので、足元にはご注意を)。


 

原則的に地元の方のための共同浴場であるため、外来者向けの備品類は無く、ロッカーも設置されていないのですが、全国から人々が集まる日本屈指の観光地であり、その中には不届きな輩もいるため、脱衣室にはロッカーの代わりに貴重品を入れる巾着袋が用意されており、浴室内に取り付けられているフックに貴重品を入れた巾着袋をぶら下げて、入浴中は各自が目視で監視する方法を採用しています。この方法は当浴場のみならず、草津の他の外湯でも見られますね。


 
浴槽は(目測で)1.5m×3mほどの寸法で、おおよそ5〜6人サイズ。浴槽にはライムグリーン色の耐酸塗装が施され、バルブ付きの湯口からお湯がドバドバと注がれています。そして底面にあいた穴からオーバーフロー管によってお湯が排出されています。言わずもがな完全放流式の湯使いです。訪問した日は寒さが厳しい冬だったためか、お湯を大量投入しても熱くは感じず、むしろ長湯したくなるような丁度良い湯加減でした(でも強い酸性のお湯であり、体への影響も強いため、不用意な長湯は禁物です)。
こちらに引かれている源泉は万代鉱源泉。浴槽内のお湯は無色透明で湯の花などは見られず、酸っぱい匂いは弱いものの、とてつもなく強烈な収斂酸味が感じられ、湯船への入りしなには脛にピリピリとした刺激が走り、お湯に肩まで浸かると強酸性のお湯らしいヌメリを伴うツルスベ浴感がはっきりと肌に伝わりました。草津で最も凶暴とされる万代鉱源泉ですが、引湯距離が長いためか、同源泉を引いている他浴場よりもお湯が幾分こなれており、劇しさが若干抑えられているように感じられました。

地元の方々のおかげで脱衣室も浴室内も綺麗に維持されているこの浴場。
草津のお湯をありがたく享受させていただきました。


万代鉱
酸性-塩化物・硫酸塩温泉 96.5℃ pH1.6 湧出量測定せず(掘削自噴) 溶存物質3.30g/kg 成分総計3.32g/kg
H+:26.0mg(54.84mval%), Na+:101mg(9.35mval%), Mg++:57.0mg(9.97mval%), Ca++:102mg(10.84mval%), Fe++:6.31mg, Al+++:47.1mg(11.15mval%),
F-:23.2mg, Cl-:742mg(44.41mval%), SO4--:836mg(36.92mval%), HSO4-:732mg(16.00mval%), Br-:2.9mg,
H2SiO3:501mg, HBO2:18.7mg, H2SO4:48.1mg, CO2:14.7mg,
(平成25年5月15日)
加温加水循環消毒なし

JR吾妻線・上野原草津口駅よりJRバス関東の草津温泉行きバスで「運動茶屋公園」バス停下車すぐ
群馬県吾妻郡草津町南本町  地図

外来者の利用は10:00〜15:00
無料(貰い湯の精神で)
備品類なし

私の好み:★★
コメント (4)
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