温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

掛落林温泉 あすなろ温泉 2016年7月宿泊 前編(お風呂付き客室)

2017年04月28日 | 青森県

アブラ臭を放つ温泉が好きな一部の温泉マニアから聖地として崇められている青森県板柳町の「あすなろ温泉」。私もそんな臭いに心を奪われている好事家の一人なので、この温泉には再訪を繰り返しており、5年前には拙ブログで一度取り上げたことがありますが(当時の記事はこちら)、一度は泊まって一晩中思う存分アブラ臭を嗅ぎつづけてみたかったので、2016年夏の某日、一泊お世話になることにしました。


 
敷地内には温泉と同じ経営者によって運営されているデイサービスホーム「ひばの里」があり、また旅館部と称する建物も隣接しているのですが、今回はこの旅館部で泊まるのではなく・・・


 
以前に拙ブログで紹介した家族風呂のお部屋へと向かいました。温泉浴室付きの客室を希望する場合は、ここで泊まることになります。
まずは公衆浴場部の玄関の右手にある家族風呂の受付を訪ね、料金を支払って、客室の指定を受けます。


●お風呂付きの客室(「王林」の場合)と朝食
 
各室はリンゴの品種名でネーミングされているのですが、この日私が一晩お世話になった客室は、廊下の一番奥にある「王林」でした。
訪問の数日前に電話で宿泊予約をお願いした際、温泉風呂付きの部屋を指定する客はマニアだと心得ているらしく、番台のお婆ちゃんは「王林で良いよね」とこちらの意図を忖度して話を進めてくれました。そうです、私はこの部屋に泊まりたかったんです。



カーペットが敷かれた室内は約8畳の広さがあり、全体的な古さは否めませんが、テレビ・冷蔵庫・エアコンなどの電化製品が揃っているほか、洗面台やトイレなども備え付けられているので、宿泊中は不自由なく過ごせるかと思います。なお、私がチェックインした時(20:30頃)には既に布団が敷かれていたほか、天井のスピーカーから有線放送の演歌が流れていましたが、有線放送に関してはいつの間のやら消えていました。


 
お部屋の冷蔵庫を開けると、キンキンに冷えた水(ピッチャー)が用意されていました。後述するように、こちらのお湯は非常によく火照り、発汗作用も強いので、水分補給が欠かせません。一晩に何度も風呂に入る私にとって、こうした配慮は非常にありがたいものです。


 
宿泊は素泊まりと朝食付きのいずれかを選択(夕食は現在行っていないそうです)。私は朝食付きのプランをお願いしたのですが、その料金はなんと5,076円! 温泉に入り放題で、しかも朝食が付いてこのお値段なのですから、とってもリーズナブルですね。なお、朝食は大広間でいただきます。献立としてはごく一般的なものであり、具体的には塩シャケ、煮物、卵、小鉢、そしてご飯と味噌汁といったラインナップでした。


●お風呂

さて、お部屋のお風呂へ入ることにしましょう。先述したように、お部屋には洗面台やトイレが付いており、その奥に浴室が設けられているのですが、客室に入ってすぐに洗面台で手を洗おうとすると、浴室のドアの隙間から温泉由来のアブラ臭が漏れてくることに気づき、早くも私は危ない中毒患者のように鼻をクンクンと鳴らしながらその匂いを嗅いで、フライング気味に悦に入ってしまったのでした。


 
匂いに反応してしまった私は、居ても立ってもいられず、すぐに服を脱いでお風呂へ。
ドアを開けて浴室に入った途端、あまりに濃厚なアブラ臭に包まれ、その匂いを思いっきり吸い込んだ私は、すぐに頭がクラクラしてしまいました。こんなにも強い匂いだったっけ? まるで灯油を室内にぶちまけたような石油系の強いに私は大興奮。狂ったように欣喜雀躍してしまいました。私のような変態は好き好んでこの匂いを胸いっぱいに吸い込んで、その独特なアロマに大喜びしているのですが、かなり強い臭いであるため、石油系の臭いが苦手な方は頭痛を催すかもしれません。

あすなろ温泉の家族風呂は、部屋によってその造作が異なっています。「王林」のお風呂は、白いタイル張りの室内に、大理石のような材質の湯船が据え付けられており、白亜の湯殿と称したくなるような作りになっていました。手前側には1基のシャワー付き混合水栓が取り付けられており、お湯のハンドルを開けると源泉のお湯がアブラ臭を放ちながら吐出されました。シャンプーしながら、アブラ臭の温泉を頭から存分に浴びれるのですから、私にとっては天国としか表現のしようがありません。


 
湯船のお湯は水栓から注がれています。この水栓の先から出るお湯の温度を計測したところ、46.8℃でした。湯船に浸かるにはちょっと熱い温度であるため、投入量を絞ることによって温度調整が図られており・・・


 
湯船の温度は40.3℃という長湯したくなるような素晴らしい湯加減になっていました。
四角い浴槽は、1人はもちろん、詰めれば2人なら入れそうな大きさがあり、元々は白い材質だったのでしょうけど、温泉成分のこびりつきのよって、全体的に薄い褐色に染まっていました。湯船のお湯は淡い飴色を呈した透明で、湯中ではベージュ色をした小さな繊維状の浮遊物がチラホラ舞っています。お湯を口に含むと、しょっぱさの他に出汁味や苦味も同時に感じられました。そしてお湯に浸かると全身がとても滑らかなツルスベ浴感に覆われるのですが、少々引っ掛かる浴感も混在しており、湯上がりには力強く火照って、海水浴の後のようなベタつきが皮膚に残りました。濃い食塩泉ですので、お風呂から上がる時は多少上がり湯を浴びた方が良いかもしれません。
それにしてもこの家族風呂に漂っているアブラ臭の強さには、改めて驚かされます。次回記事では公衆浴場部のお風呂を取り上げますが、同じ源泉を使っているにもかかわらず、家族風呂の方が狭い空間に篭っている分、匂いが凝縮されるのですね。私は宿泊中、何度もお風呂に入ってこの匂いを思う存分嗅がせてもらいました。ただ、その度に軽く頭が痛くなり、そして食塩泉の温浴パワーによって体が火照ってしまうのですが、そんな時に冷蔵庫の冷水をグビッと飲むと、体に水分が行き渡り、心身がシャキッと蘇るので、しばらく時間が経って体が落ち着いてきた頃、再びお風呂へ・・・。このサイクルを何度も繰り返してしまいました。最高です!

宿泊者は公衆浴場のお風呂にも入れるので、次回記事では公衆浴場に関して取り上げます。

次回記事
に続く。
コメント (4)
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