前回記事の続編です。
川を歩いて遡ること約90分、ついに馬陵温泉に到達です。
●第1の湯溜まり
上画像の滝付近で渡渉しようとしたところ、川からはっきりとした硫化水素臭が漂ってきました。「もしや!」と思ってあたりを見回すと、温泉藻の緑、そして硫黄の白によって河床に筋ができているではありませんか。
川底の白い筋を辿ってゆくと、右岸に一つの湯溜まりを発見しました。これを仮に第1の湯溜まりと呼ぶことにします。おそらく先人が石を積んでつくってくれたのでしょうけど、この湯だまりは、温度こそ43℃と適温ですが、小さくて浅いため、腰を沈めるのがようやく。
他にも湯だまりがあるはずですので、ここはパスしてさらに川を遡ることにしました。
●第2の湯溜まり
第1の湯溜まりからさらに川を100mほど遡ると・・・
第1の湯溜まりと同じく川の右岸に、複数の湯溜まりが連なっている箇所を発見しました。
ここを第2の湯溜まりと呼ぶことにします。
上2枚の画像は、上流側から下流側に向いて第2の湯溜まりを撮った様子です。まさに深山幽谷の秘湯ですね。第一の湯溜まりと同じく、先人が石を積み上げてつくったものと思われますが、わずか数センチの石で隔てられた大甲渓の川水と湯溜まりの温泉を見比べると、その色が明らかに違うことがわかります。清らかな川水は無色透明であるのに対し、温泉の湯溜まりは青や緑色を帯びているように見えます。おそらく温泉藻の発生がその原因なのでしょう。
複数ある湯溜まりのうち、最も上流側(以下「上」と称する)の湯溜まりに温度計を突っ込んでみたところ、39.3℃と計測されました。火照りを気にせずいつまでも湯浴みし続けていられる長湯向けの湯加減ですね。この「上」は2〜3人入れる大きさがあり、しかもちょっと寝そべると肩まで浸かれるほどの深さを有しています。
お湯は石の隙間から自然湧出しており、湧出箇所における湯温は44.1℃。pH値は7.90ですから弱アルカリ性ですね。お湯からは茹で卵の卵黄のようなタマゴ臭が漂っており、口に含むとタマゴ味が感じられました。でもイオウ感は下流にある第一の湯溜まりの方が若干強かったかも。
「上」と隣あっている一つ下流側の湯溜まり(以下「中」と称する)の温度は38.8℃でした。こちらも2人は入れそうな大きさがあり、深さも「上」と同じくらいですが、こちらの方がわずかに小さかったかな。
「上」と「中」ではそれぞれ別源泉からお湯が注がれており、大きな岩の下で自然湧出している「中」の湧出温度は42.3℃。そのまわりはイオウの湯の花によって白く染まっていました。なお「中」より下流側にも湯溜まりが連なっているのですが、それらは「上」や「中」から流れてくるお湯を受けており、川水も混じってかなりぬるくなっていたので、今回私は入りませんでした。
「上」で実際に湯浴みしている私。枕にちょうど良い石があったので、それに頭をのせて湯溜まりに入ると、とても快適な姿勢で湯浴みすることができました。しかも上述のように長湯仕様の湯加減ですから、いつまでも入っていられます。すぐそばでせせらぎの瀬音を耳にしながら、仙境のような清らかな環境で、湧きたての天然温泉に浸かる幸せ・・・。極上の野湯です。できることなら、ここにテントを張って一晩過ごしてみたかった!
画像をご覧になってもわかるように、この湯溜まりは渇水期の川水とほとんど同じ高さ(水位)であるため、これよりも川水が増えてしまうと、たちまち川の中に呑み込まれてしまいます。このため夏季にはおそらく入浴不可能となるはずです。そもそもここまで辿り着くことすら困難でしょう。渇水期だからこそ楽しめる、素晴らしい野湯でした。
高鉄台中駅より豊原客運の谷関温泉行き路線バスで2時間。終点「谷関」下車。
谷関の温泉街(バス停)から上谷関まで徒歩40~50分。上谷関から馬陵温泉(野湯)まで徒歩約90分。
台中市和平区
野湯につき無料。湯溜まりができている時なら24時間入浴可能。ただし渇水期限定。
危険を伴う場所ですので、もしここへ行く場合は自己責任で。
(携帯の電波に関して、私が利用した「台湾大哥大」では3Gを受信できました。他のキャリアは不明)
私の好み:★★★
川を歩いて遡ること約90分、ついに馬陵温泉に到達です。
●第1の湯溜まり
上画像の滝付近で渡渉しようとしたところ、川からはっきりとした硫化水素臭が漂ってきました。「もしや!」と思ってあたりを見回すと、温泉藻の緑、そして硫黄の白によって河床に筋ができているではありませんか。
川底の白い筋を辿ってゆくと、右岸に一つの湯溜まりを発見しました。これを仮に第1の湯溜まりと呼ぶことにします。おそらく先人が石を積んでつくってくれたのでしょうけど、この湯だまりは、温度こそ43℃と適温ですが、小さくて浅いため、腰を沈めるのがようやく。
他にも湯だまりがあるはずですので、ここはパスしてさらに川を遡ることにしました。
●第2の湯溜まり
第1の湯溜まりからさらに川を100mほど遡ると・・・
第1の湯溜まりと同じく川の右岸に、複数の湯溜まりが連なっている箇所を発見しました。
ここを第2の湯溜まりと呼ぶことにします。
上2枚の画像は、上流側から下流側に向いて第2の湯溜まりを撮った様子です。まさに深山幽谷の秘湯ですね。第一の湯溜まりと同じく、先人が石を積み上げてつくったものと思われますが、わずか数センチの石で隔てられた大甲渓の川水と湯溜まりの温泉を見比べると、その色が明らかに違うことがわかります。清らかな川水は無色透明であるのに対し、温泉の湯溜まりは青や緑色を帯びているように見えます。おそらく温泉藻の発生がその原因なのでしょう。
複数ある湯溜まりのうち、最も上流側(以下「上」と称する)の湯溜まりに温度計を突っ込んでみたところ、39.3℃と計測されました。火照りを気にせずいつまでも湯浴みし続けていられる長湯向けの湯加減ですね。この「上」は2〜3人入れる大きさがあり、しかもちょっと寝そべると肩まで浸かれるほどの深さを有しています。
お湯は石の隙間から自然湧出しており、湧出箇所における湯温は44.1℃。pH値は7.90ですから弱アルカリ性ですね。お湯からは茹で卵の卵黄のようなタマゴ臭が漂っており、口に含むとタマゴ味が感じられました。でもイオウ感は下流にある第一の湯溜まりの方が若干強かったかも。
「上」と隣あっている一つ下流側の湯溜まり(以下「中」と称する)の温度は38.8℃でした。こちらも2人は入れそうな大きさがあり、深さも「上」と同じくらいですが、こちらの方がわずかに小さかったかな。
「上」と「中」ではそれぞれ別源泉からお湯が注がれており、大きな岩の下で自然湧出している「中」の湧出温度は42.3℃。そのまわりはイオウの湯の花によって白く染まっていました。なお「中」より下流側にも湯溜まりが連なっているのですが、それらは「上」や「中」から流れてくるお湯を受けており、川水も混じってかなりぬるくなっていたので、今回私は入りませんでした。
「上」で実際に湯浴みしている私。枕にちょうど良い石があったので、それに頭をのせて湯溜まりに入ると、とても快適な姿勢で湯浴みすることができました。しかも上述のように長湯仕様の湯加減ですから、いつまでも入っていられます。すぐそばでせせらぎの瀬音を耳にしながら、仙境のような清らかな環境で、湧きたての天然温泉に浸かる幸せ・・・。極上の野湯です。できることなら、ここにテントを張って一晩過ごしてみたかった!
画像をご覧になってもわかるように、この湯溜まりは渇水期の川水とほとんど同じ高さ(水位)であるため、これよりも川水が増えてしまうと、たちまち川の中に呑み込まれてしまいます。このため夏季にはおそらく入浴不可能となるはずです。そもそもここまで辿り着くことすら困難でしょう。渇水期だからこそ楽しめる、素晴らしい野湯でした。
高鉄台中駅より豊原客運の谷関温泉行き路線バスで2時間。終点「谷関」下車。
谷関の温泉街(バス停)から上谷関まで徒歩40~50分。上谷関から馬陵温泉(野湯)まで徒歩約90分。
台中市和平区
野湯につき無料。湯溜まりができている時なら24時間入浴可能。ただし渇水期限定。
危険を伴う場所ですので、もしここへ行く場合は自己責任で。
(携帯の電波に関して、私が利用した「台湾大哥大」では3Gを受信できました。他のキャリアは不明)
私の好み:★★★