温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

台東県 緑島1泊2日 その5 小さな飛行機で島を離れる

2017年08月10日 | 台湾
※今回記事にも温泉は登場しません。あしからず(次回記事から日本の温泉に戻る予定です)

先日から連続して2017年3月に訪れた台湾台東県緑島1泊2日の旅について取り上げてきましたが、今回がようやくラストです。以前の記事で述べましたように、台東から緑島への往路は船を利用しましたが、同じ交通機関で帰るのは工夫が足りないので、復路は空路を使ってみることにしました。


 
腹が減っては、戦どころか旅の行動力すら湧きません。しかし民宿は素泊まりでしたので、バイクで南寮の街で出て、朝から営業している飲食店に入って朝食をいただきました。たくさんあるメニューの中から選んだのは・・・


 
海鮮焼きそばと緑島ちまき(緑島魚粽)、そしてミルクティーです。緑島ちまきはこのお店のオススメで、一般的なちまきに入っているお肉の代わりに、マグロが使われており、結構な美味でした。


 
さて胃袋を満たした後は、お昼前まで島内を観光し、一旦宿へ戻ってから身支度を調えて、いざ出発です。
チェックアウトすると、民宿のおばちゃんが車で空港まで送迎してくれました。宿から空港までは歩いても楽に行けるほど近いのですが、この時は敢えて厚意に甘えさせてもらいました。

緑島の空港ターミナル内はいかにも田舎の飛行場といった風情。定員20程度の小型機が1日3便(往復)発着するだけの需要しかありませんので、待合ホールのベンチは地方の鉄道駅と大して変わらない数しか用意されておらず、しかもお店が全くないため、お土産の購入どころか軽食すらできません。実にのどかなターミナル。私がターミナルへ入った時、ベンチでは明らかに搭乗客ではないおじさんがコクリコクリと昼寝していました。空港で船を漕ぐとはこれ如何に。


 
緑島から出発する飛行機は1日3便の台東行きのみ。緑島空港の滑走路が短いために小型機しか使えません。しかも現在使用されている機材の一便あたりの定員は20名程度。ということは、1日に空路を利用できるのは60人未満なのです。このため飛行機の利用に際しては早めの事前予約が必須です。いきなり当日空港でチケットを購入するのは、閑散期でも難しいかもしれません。私はこの航路を運航している徳安航空の公式サイトでオンライン予約をしておきました。空港の窓口で予約番号と引き換えにチケットを入手し、大きな荷物を預けて、いざ搭乗です。搭乗の際にはちゃんと保安検査も実施されます。


 
保安検査の後、ターミナルの裏側から滑走路に出て、歩いて飛行機に乗り込みます。
機材はバイキング・エア社の"DHC-6-400"。双発のターボプロップ機で、この型式(-400)は2008年から既に生産されているのですが、徳安航空では2016年に導入されたばかりなので、まだ新しい機体です。


 
機内の座席配置は1+2席。前から後ろまで7列あるのですが、動線確保のため出入口付近の2席分が削られているため、(1+2)×7列-2席=19名がこの飛行機の定員です。天井が低いため、どんな大人も背中をかがめながら入らないと、頭をゴッツンしてしまいます。また着席時や離席時などは、乗客の誰かが天井に頭をぶつけてしまいがちですから、もしこの飛行機を利用の際にそのような現場を目撃しても、慣れない機内ゆえ、お互い様ということで目を瞑って嗤わないようにしてあげてください。実際に痛い思いをした私からのお願いです。


 
乗客は20人に満たないため、あっという間に搭乗が完了します。通路に立つ子供や、着席中の大人とシートの大きさなどから。いかにこの機内が狭いかを窺い知ることができるかと思います。天井が低いため、エアコン吹き出し口や読書灯が、頭上というより耳の横というべき位置に取り付けられていました。


 
シートポケットに収められている安全のしおり。普段乗る旅客機ならあまり気にしませんが、このような小型機だと不安は否めないので、とりあえず離陸前に目を通しておきました。
安全面で心配なのが、客室とコクピットとの間に扉がないこと。小型機は航続距離が短いので、ハイジャックには不向きですが、もし乗客が常軌を逸した行動をとってコクピットに乱入したらどうするのでしょう・・・。


 
操縦士と副操縦士が息を合わせながら、天井から下がっているスロットルに手をかけると、エンジンの出力が上がってプロペラの回転数が早くなり、滑走路の隅っこまでランディングしたかと思いきや、スピーディーに方向転換して一気に加速し、あっという間に離陸していきました。苦もなく地面から離れてゆく飛行機に乗っていると、機体の身軽さを実感できます。


 
緑島よ、さらば。


 
緑島と台東の間は33kmほどしかありません。高速船で50分を擁する道のりを、飛行機はわずか10分ちょっとで渡ってしまいます。離陸と着陸のタキシングを含めても機内で過ごす時間はわずか20分です。小型機はあっという間に海を渡り、窓の外には台東の街や郊外の田園風景が広がりました。


 
空港の南側へ回ってから着陸へ。


 
出発から20分で台東空港に到着し、所定の位置に停止した後、乗客が降機します。
束の間の空の旅でしたが、上空から眺める緑島の景色もなかなか佳く、なにしろ短時間ですからストレスがかかりませんし、船酔いの心配もありません。往路と復路の移動手段を変えて正解でした。


 
台東空港にはボーディングブリッジがありますが、機体が小さすぎてブリッジが使えないため、緑島と同じくここでも客は歩いてターミナルへ向かいます。預けた荷物はトラックによってターミナルの小さなバゲッジクレームまで運ばれるのですが、そのルートは乗客が歩くルートとほとんど変わりませんし、トラックからターンテーブルに載せ替える時間も余計にかかりますから、せっかちな私としては、わざわざトラックに運んでもらわなくとも、飛行機から直接自分で荷物を受け取りたくなりました。


 
空港の表玄関へ出た後は、熱帯魚みたいな塗装が施されている路線バスで台東の市街地へと向かいました。

今回記事でひとまず台湾ネタは終了です。次回からは日本の温泉に戻ります。

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