残暑お見舞い申し上げます。
今回記事から3回連続で、今年(2017年)2月に日帰りで訪れた栃木県奥日光の日光湯元温泉を取り上げます。記事中の画像に写っている雪景色をご覧いただくことで、みなさまに一服の涼が伝われば幸いです。
冬の日光。東照宮周辺は関東平野と同じく雪のない景色でしたが、いろは坂を登って中禅寺湖を過ぎて戦場ヶ原に近づくと、景色は完全な銀世界と化して国道は積雪路面となり、さらに先の湯の湖周辺では道全体が分厚い雪に覆われていました。
さて今回の日光湯元温泉で訪ねたのは「湯元板屋」です。特に日帰り入浴に関する案内はないのですが、フロントで日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださり、料金と引き換えにフェイスタオルを手渡してくれました。
浴場は3階にありますので、エレベータで上がります。
3階のエレベーターホールを出て、目の前にある短い連絡通路を進むと、その先に畳敷の小上がりが設けられ、男女の暖簾が掛かっていました。
小上がりは休憩室になっており、お茶や冷水のサービスの他、足をマッサージする機器類が用意されていました。こぢんまりしていながらも和の趣きたっぷりですから、お風呂上がりに落ち着いてひと息入れられるかと思います。また夫婦やカップルなどで入浴する場合は、どちらか早く出てしまった方がもう一方を待つ際に、このような休憩室があると便利ですね。
清潔感たっぷりで使い勝手の良い脱衣室を抜け内湯へ。
厳冬期に訪れたので浴室内は湯気が充満して視界不良でしたが、湯気と共にイオウの香りも充満しているので、ドアを開けて踏み込んだ瞬間に温泉への期待が膨らみました。内湯には後述する浴槽がひとつ設けられており、壁に沿ってL字形に洗い場が配置されています。洗い場のシャワーは計8基です。
内湯の浴槽は(目測で)3m×2mの四角形で、槽内にはタイルが用いられていますが、その縁は木材で囲われており、しかも表面はイオウの付着によって白く染まっていました。また湯船のお湯はレモンイエローを帯びた白濁を呈しており、湯面には粉状の湯の華が塊になって浮かんでいました。このようにイオウがビジュアル的に現れてくれないと、日光湯元へ来た実感が湧きません。
湯口から吐出されるお湯は直に触れられないほど熱々なのですが、その直下の枡に一旦落としてから浴槽へ供給するような作りになっているため、その過程で湯温が落ち着き、湯船では丁度良い湯加減に調整されていました。
さて、露天風呂で雪見風呂を楽しみましょう。左側には本棟(客室)からの視線を遮るための目隠しの塀が立ちはだかり、右手は山の斜面が高くそびえているため、両方に挟まれたこの露天風呂はあまり開放感がなく、ほとんど裏庭のようなロケーションなのですが、でも山の斜面に奥行きがあるので、湯船に入る方向を工夫すれば周囲の景色を眺めながら湯浴みすることができました。東屋に護られたL字形の石風呂には、やや緑掛かった白濁湯が張られています。
斜面には雪崩防止用の柵が立てられているのですが、私が湯浴みをしていると、サルのファミリーがその柵の上を伝って目の前までやってきて、お風呂に浸かってのんびりしている私を一瞥した後、フェンスから飛びおりて山の上へと雪の斜面を駆け上がっていきました。
木組みの湯口からは熱いお湯が絶え間なく注がれ、吐出口の真下は硫黄の付着によって黄色く染まっていました。私の訪問時は内湯よりもこの露天の方がお湯の投入量が多かったのですが(もちろん露天は冷めやすいためです)、それでもややぬるめの湯加減でした。でもおかげで長湯を楽しむことができました。浴槽の縁には小さなすのこが置かれていたのですが、これは枕代わりに使うとよいのかな?
湯口付近の縁には傾斜が設けられており、湯船に入りながら仰向けの姿勢でもたれかかれるようになっていました。でも私が訪れた時には雪が浴槽の上まで迫っていたため頭の置き場所がなく、残念ながらもたれかかることができませんでした。非積雪時にまた再訪してみたいものです。
こちらのお風呂に引かれているお湯は、内湯・露天ともに奥日光開発(株)3・4・7号と森林管理署源泉の混合泉。基本的には日光湯元温泉らしい硫黄がよく現れている白濁湯なのですが、単なる白濁ではなく若干のエメラルドグリーンが含まれており、殊に露天風呂では翠色と灰白色がよく出ていました。また湯中では白くて細かな湯の華が無数に舞っていました。お湯からは硫化水素臭が強く漂っていましたが、卵黄味や苦みやエグ味といったこの手の温泉ではお馴染みの諸々の味覚的特徴はいささか弱かったような気がします。湯船に浸かるとツルスベの滑らかな浴感とキシキシと引っかかる浴感が拮抗して肌に伝わり、湯上がりにはしっかりと体の芯まで温まるとともに、さっぱり感もあり、一浴で温感と爽快感の両方を味わうことができました。
白濁の硫黄泉に浸かりながら雪見風呂を楽しめる日光湯元ならではの素敵なお風呂でした。今回は日帰りでしたが、次回は是非宿泊してみたいものです。
奥日光開発(株)3・4・7号、森林管理署源泉、混合泉
含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 74.1℃ pH6.5 溶存物質1.284g/kg 成分総計1.440g/kg
Na+:126.1mg, Ca++:191.5mg, Mg++:4.2mg,
Cl-:77.8mg, HS-:10.9mg, SO4--:496.2mg, HCO3-:236.4mg,
H2SiO3:96.0mg, HBO2:18.4mg, CO2:119.8mg, H2S:37.2mg,
(平成20年5月26日)
加水あり(源泉温度が高いため)
加温循環消毒なし
日光駅(東武・JR)から東武バスの湯元温泉行で終点下車、徒歩3~4分程度
栃木県日光市湯元2530
0288-62-2131
ホームページ
日帰り入浴12:30〜15:00(念のため事前の問い合わせをおすすめします)
1000円(フェイスタオル付き)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
今回記事から3回連続で、今年(2017年)2月に日帰りで訪れた栃木県奥日光の日光湯元温泉を取り上げます。記事中の画像に写っている雪景色をご覧いただくことで、みなさまに一服の涼が伝われば幸いです。
冬の日光。東照宮周辺は関東平野と同じく雪のない景色でしたが、いろは坂を登って中禅寺湖を過ぎて戦場ヶ原に近づくと、景色は完全な銀世界と化して国道は積雪路面となり、さらに先の湯の湖周辺では道全体が分厚い雪に覆われていました。
さて今回の日光湯元温泉で訪ねたのは「湯元板屋」です。特に日帰り入浴に関する案内はないのですが、フロントで日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださり、料金と引き換えにフェイスタオルを手渡してくれました。
浴場は3階にありますので、エレベータで上がります。
3階のエレベーターホールを出て、目の前にある短い連絡通路を進むと、その先に畳敷の小上がりが設けられ、男女の暖簾が掛かっていました。
小上がりは休憩室になっており、お茶や冷水のサービスの他、足をマッサージする機器類が用意されていました。こぢんまりしていながらも和の趣きたっぷりですから、お風呂上がりに落ち着いてひと息入れられるかと思います。また夫婦やカップルなどで入浴する場合は、どちらか早く出てしまった方がもう一方を待つ際に、このような休憩室があると便利ですね。
清潔感たっぷりで使い勝手の良い脱衣室を抜け内湯へ。
厳冬期に訪れたので浴室内は湯気が充満して視界不良でしたが、湯気と共にイオウの香りも充満しているので、ドアを開けて踏み込んだ瞬間に温泉への期待が膨らみました。内湯には後述する浴槽がひとつ設けられており、壁に沿ってL字形に洗い場が配置されています。洗い場のシャワーは計8基です。
内湯の浴槽は(目測で)3m×2mの四角形で、槽内にはタイルが用いられていますが、その縁は木材で囲われており、しかも表面はイオウの付着によって白く染まっていました。また湯船のお湯はレモンイエローを帯びた白濁を呈しており、湯面には粉状の湯の華が塊になって浮かんでいました。このようにイオウがビジュアル的に現れてくれないと、日光湯元へ来た実感が湧きません。
湯口から吐出されるお湯は直に触れられないほど熱々なのですが、その直下の枡に一旦落としてから浴槽へ供給するような作りになっているため、その過程で湯温が落ち着き、湯船では丁度良い湯加減に調整されていました。
さて、露天風呂で雪見風呂を楽しみましょう。左側には本棟(客室)からの視線を遮るための目隠しの塀が立ちはだかり、右手は山の斜面が高くそびえているため、両方に挟まれたこの露天風呂はあまり開放感がなく、ほとんど裏庭のようなロケーションなのですが、でも山の斜面に奥行きがあるので、湯船に入る方向を工夫すれば周囲の景色を眺めながら湯浴みすることができました。東屋に護られたL字形の石風呂には、やや緑掛かった白濁湯が張られています。
斜面には雪崩防止用の柵が立てられているのですが、私が湯浴みをしていると、サルのファミリーがその柵の上を伝って目の前までやってきて、お風呂に浸かってのんびりしている私を一瞥した後、フェンスから飛びおりて山の上へと雪の斜面を駆け上がっていきました。
木組みの湯口からは熱いお湯が絶え間なく注がれ、吐出口の真下は硫黄の付着によって黄色く染まっていました。私の訪問時は内湯よりもこの露天の方がお湯の投入量が多かったのですが(もちろん露天は冷めやすいためです)、それでもややぬるめの湯加減でした。でもおかげで長湯を楽しむことができました。浴槽の縁には小さなすのこが置かれていたのですが、これは枕代わりに使うとよいのかな?
湯口付近の縁には傾斜が設けられており、湯船に入りながら仰向けの姿勢でもたれかかれるようになっていました。でも私が訪れた時には雪が浴槽の上まで迫っていたため頭の置き場所がなく、残念ながらもたれかかることができませんでした。非積雪時にまた再訪してみたいものです。
こちらのお風呂に引かれているお湯は、内湯・露天ともに奥日光開発(株)3・4・7号と森林管理署源泉の混合泉。基本的には日光湯元温泉らしい硫黄がよく現れている白濁湯なのですが、単なる白濁ではなく若干のエメラルドグリーンが含まれており、殊に露天風呂では翠色と灰白色がよく出ていました。また湯中では白くて細かな湯の華が無数に舞っていました。お湯からは硫化水素臭が強く漂っていましたが、卵黄味や苦みやエグ味といったこの手の温泉ではお馴染みの諸々の味覚的特徴はいささか弱かったような気がします。湯船に浸かるとツルスベの滑らかな浴感とキシキシと引っかかる浴感が拮抗して肌に伝わり、湯上がりにはしっかりと体の芯まで温まるとともに、さっぱり感もあり、一浴で温感と爽快感の両方を味わうことができました。
白濁の硫黄泉に浸かりながら雪見風呂を楽しめる日光湯元ならではの素敵なお風呂でした。今回は日帰りでしたが、次回は是非宿泊してみたいものです。
奥日光開発(株)3・4・7号、森林管理署源泉、混合泉
含硫黄-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉(硫化水素型) 74.1℃ pH6.5 溶存物質1.284g/kg 成分総計1.440g/kg
Na+:126.1mg, Ca++:191.5mg, Mg++:4.2mg,
Cl-:77.8mg, HS-:10.9mg, SO4--:496.2mg, HCO3-:236.4mg,
H2SiO3:96.0mg, HBO2:18.4mg, CO2:119.8mg, H2S:37.2mg,
(平成20年5月26日)
加水あり(源泉温度が高いため)
加温循環消毒なし
日光駅(東武・JR)から東武バスの湯元温泉行で終点下車、徒歩3~4分程度
栃木県日光市湯元2530
0288-62-2131
ホームページ
日帰り入浴12:30〜15:00(念のため事前の問い合わせをおすすめします)
1000円(フェイスタオル付き)
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★