会津を南北に縦断する国道121号線を車で走っていると、下郷付近の沿道で必ず目に入ってくるのが「弥五島温泉 郷の湯」です。国道沿いという便利な立地なので私は今まで何度か利用しており、ネット上でも多くの温泉ファンの方がご紹介なさっているので、てっきり拙ブログでも紹介済みかと思い込んでいたのですが、よく調べてみたらまだ取り上げていなかったので、今更ながら記事にさせていただきます。
玄関を入って右手に設置されている券売機で湯銭を支払い、反対側(左手)の窓側へ券を差し出して館内へ上がります。上がった先にはフローリングの休み処が設けられており、座布団がたくさん積まれていますので、私もお風呂上がりにドリンクを飲みながらここで一息入れさせてもらいました。ソフトクリームも売っているみたいですよ。なお脱衣室内にロッカーはありませんので、貴重品はこの休み処にある無料ロッカーに預けましょう。
冬季に訪れた際のレポートなので、曇って見づらい画像で申し訳ございません。
赤茶色系の床タイル、そしてベージュや白い壁とのコントラストが明瞭なこの浴室では、(男湯の場合)右手に浴槽、左手に洗い場が配置されており、洗い場にはシャワー付きカランが6基並んでいます。
内湯の浴槽は(目測で)2.5m×5m弱。縁はワインレッドの御影石、ステップは緑色凝灰岩、槽内はタイル、といったように部位によって建材が使い分けられています。湯口からはお湯が絶え間なく注がれ、御影石の縁から惜しげも無く溢れ出ていました。また湯加減は熱からずぬるからずの丁度良い温度でした。
露天風呂は目隠しの塀で囲まれていますが、周囲の山が目に入ってくる広さが確保されており、浴槽自体はいわゆる岩風呂であり、また日本庭園風の設えにもなっているので、非日常の温泉風情を感じることができるかと思います。そんな能書きを垂れるまでもなく、わずか330円で露天風呂にも入れるのですから、ありがたいことこの上ありません。この日私は雪見風呂を楽しませてもらいました。
露天では専用の湯口のほか、内湯からの流れ込みも合流しており、庭に向かってお湯がしっかりオーバーフローしていました。なお外気の影響なのか内湯よりも若干ぬるめの湯加減になっていました。
こちらのお湯は単純泉で無色透明ですが、浴槽の材質の影響なのか、内湯ではやや黄色を帯びているように見えました。また露天風呂では薄い膜のような浮遊も見られました。お湯を口に含むと弱い金気感のほか、薄い出汁味、そして微かな鉱物油感が得られ、湯中ではツルスベの優しい浴感が肌に伝わりました。分析書の湧出温度から推測するに、加温した上で放流式の湯使いを実践しているものと思います。適温ですがとてもよく温まり、湯上りはいつまでもポカポカし続けました。付近には魅力的な温泉地が点在しているため、ネット上ではどうしても相対的な評価が伸び悩んでしまうのかもしれませんが、単純泉だからといって侮るなかれ、なかなかの実力派。それでいてリーズナブル。しかも国道沿い且つ駅のそばという便利な立地。いろんな面で使い勝手の良い温泉浴場です。
和田3号
単純温泉 39.2℃ pH8.1 157L/min(動力揚湯) 溶存物質0.2490g/kg 成分総計0.2710g/kg
Na+:44.1mg(79.34mval%), Ca++:9.0mg(18.60mval%),
Cl-:5.2mg, SO4--:11.5mg, HCO3-:121.7mg(82.92mval%),
H2SiO3:55.4mg, CO2:22.0mg,
(平成25年6月7日)
会津鉄道・弥五島駅より徒歩約3〜4分(約300m)
福島県南会津郡下郷町大字弥五島字和田563 地図
0241-67-4710
ホームページ
10:00〜21:00 第1・3水曜定休
330円
ロッカー・ドライヤーあり、石鹸類販売あり
私の好み:★★★