温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

登山初心者の登山記 その3 2010年秋 安達太良山(周回コース)

2010年12月30日 | 福島県
素人登山の第三弾は、燃え盛るような紅葉が美しい、秋の安達太良山・周回コースです。

2010年10月12日 曇り

9:00 ゴンドラ頂上駅
9:02/9:10 薬師岳展望台
9:35 仙女平分岐
10:10/10:25 安達太良山頂
11:00/11:10 鉄山
11:25 矢筈森分岐
11:35 峰の辻
12:15/13:15 くろがね小屋
13:40 勢至平分岐
14:15 鳥川橋
14:45 奥岳登山口

歩行距離約9.5km
単独行

あだたら高原リゾート(ホームページ)
 ↑ ゴンドラの営業案内やコース説明・地図など


 
まずは奥岳登山口からあだたらエクスプレスに乗って頂上駅へ。紅葉シーズンだけあって、多くの客で賑わっており、ゴンドラ乗り場には乗車待ちの列ができています。この日は平日だったので、比較的すぐに乗れましたが、祝日だった前日は温泉街からゴンドラ搭乗まで1時間半もかかる大混雑だったとのこと。


 
【9:00 ゴンドラ頂上駅】
約10分で頂上駅に到着。駅からすぐのところに薬師岳展望台があるので、寄ってみると…


(画像クリックで拡大)
【9:02/9:10 薬師岳展望台 標高1360m】
うわぁ、すげぇ…。しばし絶句。山腹一面が紅葉で彩られているではありませんか!


絶景を仰いで余計に登る気が横溢。さぁ、登りましょう。

 
【9:35 仙女平分岐 標高1480m】
仙女平や安達太良温泉へ向かう道との分岐点。ここで休んでいる方もいらっしゃいますが、歩き始めてまだ25分しか経っていないので、さっさと通過しちゃいます。

 
他人のことを言えた義理じゃありませんが、平日だというのに登山客が多いのなんの。これだけいりゃ、道に迷いたくても迷えませんね。振り返ると下界に広がる二本松や本宮の街並みが眺望できました。大した勾配じゃないので、運動不足の私でも楽々登坂。中高年ハイカーを次々に追い抜かせていただきました。

 
【10:10/10:25 安達太良山頂 標高1700m】
やがて灌木帯が終わってガレが広がり始め、しばらく歩いているうちに「安達太良山頂」と書かれた杭の前までたどり着いてしまいました。登り始めてわずか1時間。

 
本当の頂上はその杭から更に先にある岩場の上なので、ひとまずそこを目指すことに。ちょこっとした鎖場があるので、滑りやすい足元に気をつけながら岩の上へあがると、そこには360度の大パノラマが広がっていました。
てっぺんには安達郡青年団の手により紀元2600年(てことは昭和15年)を記念した八紘一宇の石碑が建てられています。全方向の視界を遮るものがない頂の上ですから、八紘一宇のイメージにはぴったりかも。

 
左画像はたぶん和尚山方向。右画像は沼の平手前に伸びる尾根。いずれも頂上から撮影。こんな景色を眺めながら、いつものようにおにぎりを頬張って悦に入る私。

 
これで下山しちゃうのは何だか物足りなかったので、尾根伝いに鉄山まで足を延ばしてみることにしました。なだらかな尾根なのでガスったら思いっきり巻かれて道を見失いそうですが、そんな時のために、ルート上の随所の岩にはマーキングされています。振り返ると、さっきまでおにぎりを食べていた頂上が、もう小さく見えるほどになっていました。


赤い火山質の礫が印象的なこの場所は矢筈森分岐。牛の背と呼ばれているんだそうです。ここから下りるのが一般的な安達太良山周回コースですが、今回は東進して馬の背を縦走し、鉄山まで向かいます。


牛の背からは沼の平のようすが一望できました。沼の平一帯は硫化水素ガスが発生中につき、遭難による死亡事故が発生して以来立入禁止区域となっていますが、この荒涼とした地獄のようなガレを下ると、私が大好きな野湯「沼尻元湯」があるんですね。また行きたいなぁ。


鉄山へ続くこの尾根の名前は馬の背。なるほど言われてみれば、鞍を載せる馬の背中のように見えますね。狭い尾根を伝いながら、一気に下って一気に登ります。

 
【11:00/11:10 鉄山 標高1709m】
安達太良山頂より9m高い鉄山。ちゃんと三角点が埋め込まれていました。この他、安達太良神社と彫られた小さな石碑が、礫を積み上げられてできた小さな山の上に載っかっています。安達太良山頂とは違い、こちらは人影が殆ど見られず、恐山を連想させる不毛で荒涼とした景色が広がるばかり。紅葉とは無縁の世界。ここにいても寂しいので、下山することにしました。


途中矢筈森分岐(牛の背)までは来た道を戻ります。馬の背からは、これから下るくろがね小屋方面の湯川の谷が一望できました。こちらも紅葉が綺麗だわ。

 
【11:35 峰の辻】
矢筈森分岐(牛の背)からひたすら下り、安達太良山頂からダイレクトに下りてくる道とぶつかるところが峰の辻。眺めがよく、広々としているので、ここで休憩する人多し。


近くにはくろがね小屋を示す道しるべが岩にペイントされていました。

 
実に鮮やかな発色だこと。自然界の色彩美って凄い。


この谷は、東斜面(画像の左側)が黄色、西斜面(右側)が紅色と、紅葉の色がはっきりわかれています。日の当たり方などによって色づきが異なるのでしょうね。


【12:15/13:15 くろがね小屋】
通年営業の山小屋「くろがね小屋」到着。ここでゆっくり湯浴みさせてもらいました。その様子はまた改めて書きます。

 
小屋から谷上へちょっと登ったところが源泉地帯ですが、沼の平同様、こちらも立ち入り禁止。


紅葉の谷に抱かれてポツンと佇むくろがね小屋。絵になる風景ですね。


登山道を歩いていると、前方から軽自動車がこちらへ走ってくるではありませんか! こんな道を車が走れるのか。ちょうど小屋が工事中でしたので、その関係者だと思います、凸凹で車幅いっぱいの狭い登山道を運転するのは、さぞかし大変でしょうね。ご苦労様です。

 
くろがね小屋付近から、登山道の横を這うように、引湯管が設置されています。この引湯管によって岳温泉のお湯が供給されているわけですね。


途中、金明水と称する水場と遭遇。湯上りの火照った体に、冷たい水が滲み渡ります。

 
【14:15 鳥川橋】
なだらかな台地が広がりレンゲツツジが群生する勢至平が終わる辺りで、新道(馬車道)と旧道(登山道)が分かれるポイントがあり、旧道を下りたほうがショートカットできるのですが、雨上がりのため道がぬかるみ、とても滑りやすい状態だったので、遠回りですが歩きやすい馬車道を選択。ジグザグ道をすいすい下り、あっという間に鳥川橋。ゴールはもうすぐですが、まだ歩き足りないので、脇道に入って渓谷へ寄り道してみました。

 
鳥川の渓谷。鬱蒼と木々が茂る中、小さな滝が連続していましたが、とにかく足元が悪く、見事な紅葉を十分に堪能しちゃった後だったので、あんまり印象に残っていません。


【14:45 奥岳登山口】
スタート地点に無事帰還。お疲れ様でした。

安達太良山の紅葉は聞きしに勝る、錦絵のような素晴らしい絶景でした。お客さんが全国から集まってくるのも頷けます。
登りをゴンドラで短縮することができるうえ、山の勾配自体も比較的なだらかなので、さほど疲れることなく、ハイキング気分で登山を楽しむことができました。まさに初心者向きのコースだと思います。

今回たどったルート(鉄山の往復を除く)は「日本いで湯百名山登山ガイド〈上巻〉」P90~92で紹介されています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仏岩温泉 鈴森の湯

2010年12月29日 | 群馬県
※記事の一部(料金と公式サイトURL)を訂正いたしました(2019年10月7日)。


関越道・谷川岳PAの真下にあるバーベキュー&イワナ釣り場の敷地内で、平成21年7月27日にオープンした新設の日帰り入浴施設です。

 
駐車場内には温泉の源泉井が。


温泉施設の開業に伴って建てられたと思しき食堂棟に入り、すぐ右に折れて階段を数段下りたところが下足場&受付。靴箱のカギと引き換えにロッカーキーが手渡されます。新しいだけあって、館内は至るところまで綺麗でピカピカ。休憩処の脇を通って浴室へ。


脱衣所はフローリングで全体的に木目調。明るく清潔感に溢れています。


浴室にはカランが11基設けられ、全てシャワー付の混合栓。入り口傍には源泉が溜められた掛け湯用の桝も置かれています。


内湯は15人程なら余裕で入れそうな大きな加温槽と、7~8人サイズで、深さがへそ上(およそ110cm)まである非加温槽の二つ。いずれも大きなガラス窓に面しており、内湯でありながら開放感溢れる造りです。いずれも循環・加水・消毒は無く、浴槽の縁からお湯がふんだんにオーバーフローしています。無色透明で明瞭な石膏味とタマゴの匂いが感じられ、弱いスベスベ感の中に石膏泉らしい引っかかりが混在する浴感です。石膏型の単純温泉という、いかにも水上エリアらしい泉質ですね。


なかんずく非加熱槽のお湯が秀逸。35℃前後のお湯は人体に熱さや冷たさを感じさせない不感温度なので、長く入っていても温度的なストレスが全くないのです。いつまでも入っていられます。深いのでじっくり腰を沈められる構造になっているのも嬉しい点。実際、普段は落ち着きの無い私ですら、軽く1時間以上は非加熱槽に浸かり続けていました。しかも全身には細かい気泡がびっしり付着します。一般的に温泉は熱かったりぬるかったりするので、どうしても入浴の際には交感神経が働きますが、このお湯に限っては副交感神経が全面に出るため、まるで瞑想しているかのようなリラックス効果を享受することができると思います。冬だと寒いでしょうが、それ以外だったらこの上なく気持ちよいこと間違いなし。

 
内湯の入り口隣にあるドアから屋外に出て、階段を下ってトンネルを潜ると、露天風呂にも入れます。ちょっと歩かねばならないので、気温の低い時期には思いっきり湯冷めしそう。


露天風呂は渓流の傍に設けられ、砂防ダムっぽい滝が目の前で轟音を立てながら落ちています。加温ながらこちらも掛け流しで、程よい湯加減でした。ただ渓流沿いで森に囲まれた環境ゆえ、夏はアブが多く落ち着いて入浴できないのが残念なところ。

 
休憩処には源泉で淹れた麦茶が無料サービスされていました。またマッサージチェアが4台も用意。


食堂棟の屋外軒下には足湯も。

道路に面した秘密基地のような外観からはあまり良いお湯を期待していませんでしたが、新しい設備で使い勝手が良く、しかも夢心地になれる優しいぬる湯に浸かれるので、とても気に入ってしまいました。また夏に再訪しなきゃ。上州は他にも大塚温泉など素晴らしいぬる湯が湧いていて、ぬるい湯が好きな私にとってはまさに聖地です。
ちなみに浴場名の「鈴森」とは、こちらのオーナーさんの苗字のようです。


単純温泉 35.0℃ pH8.2 580L/min(動力揚湯) 溶存物質0.77g/kg 成分総計0.77g/kg

群馬県利根郡みなかみ町阿能川1009-2  地図
0278-72-4696
ホームページ

10:00~21:00(受付20:00まで) 第2水曜定休(祝日の場合は翌日)
800円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり、タオル有料貸し出しあり

私の好み:★★★
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

湯檜曽温泉 林屋旅館

2010年12月29日 | 群馬県

湯檜曽では珍しく掛け流しのお湯が堪能できると聞いたので、谷川岳登山の帰路、汗を流すべく立ち寄りました。大正12年に開業し、与謝野鉄幹・晶子夫妻も投宿した老舗なんだそうです。清水街道に面した小規模な建物で、注意していないと見逃しそう。

 
主張の少ない地味な外観とは裏腹に、中へ入るとなかなか立派な玄関ではありませんか。さすがは老舗、風格を感じさせてくれます。訪問時は愛想の良い老夫婦が対応してくださり、日帰り入浴を乞うと、玄関の左前方にある浴室へと案内されました。


当宿の浴室は、大浴場と小浴場の2つがあって、大浴場は主に男湯として使用されているようです。今回入ったのも大浴場。脱衣所は広くないものの、とても清潔で綺麗に手入れされています。

 
浴室内は湯檜曽川に面した明るいタイル貼りで、とくに目を惹くのがアーチ形の天井。戦前に流行ったモダンなデザインの典型のような、モザイク模様のタイルが貼られています。個人的な印象ですが、ブダペストのゲッレールトを髣髴とさせてくれます。また壁面に描かれたスキージャンプのタイル絵も秀逸です。


カラン(混合栓)は6基設けられ、うち4基がシャワー付き。L字形の浴槽は長い歴史の中で何回かに亘って補修を繰り返してきたのでしょう、底のタイルがモザイク状だったり、市松模様だったりと、いろんなタイルが混在しています。しかし川に近い部分だけ、深さが数センチ浅くなっており、底のタイルがライトグリーンに統一され、窓の外から入ってくる日の光が底のタイルに反射して、とっても綺麗に映えていました。


窓を開けると、すぐ目の前を湯檜曽川が流れており、対岸には黒いホースが渡されていました。引湯用かと思われます。源泉が対岸にあるのでしょう。


自家源泉を含む3つの源泉を混合したお湯は、季節に依るのかもしれませんが、ちょっと熱め。無色無味で綺麗に澄み切っており、薄っすら芒硝っぽさが感じられますが、身を沈めると滑らかに全体を包んでくれる、弱スベスベ感でクセの少ないとても優しいお湯です。竹筒を被せられた湯口からドバドバ源泉が投入され、浴槽の縁から見事なまでにオーバーフロー。

基本的には宿泊者に入浴してもらうためのお湯なので、突然訪問してもお湯が溜まっていないこともあるようです。私の訪問時(午後3時頃)も、宿の方が「あれ? もうお湯溜まってるかなぁ?」とお湯の張り具合を確認しに行ったほどなので、確実に入浴したい場合は事前に問い合わせるのが吉でしょう。料金がちょっと高めで露天風呂が無いなど、ちょっと気になる点はあるものの、循環湯の多い湯檜曽にあっては珍しく加水加温循環消毒が一切無いので、お湯の鮮度や清らかさを重視する温泉ファンにとっては実にありがたい宿だと思います。


 
(右画像はクリックで拡大)
なお林屋旅館の並びに建つ湯檜曽会館には、地元民専用の共同浴場があります。どんなお風呂なのか入ってみたいなぁ。

 
また更に土合側には足湯も設けられています(要寸志)。ただ、この道を皆さんはその存在に気づかず通り過ぎてしまうことが多いようで、この時も観光シーズンだというのに人影なし。もったいないなぁ。




林屋の湯
単純温泉 41.4℃ pH7.9 蒸発残留物0.35g/kg 成分総計0.36g/kg

音松の湯・薬師の湯 混合泉
アルカリ性単純温泉 47.2℃ pH8.2 蒸発残留物0.380g/kg 成分総計0.38g/kg

JR上越線・湯檜曽駅より徒歩5分(630m)
群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽124  地図
国道の反対側の土合寄りに駐車場あり

0278-72-3508
ホームページ
日帰り入浴10:00~16:00?
800円

私の好み:★★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

登山初心者の登山記 その2 2010年夏 谷川岳(天神尾根コース)

2010年12月29日 | 群馬県
初心者登山の第二弾は谷川岳。
ロープウェイやリフトでワープできるビギナー向けの天神尾根コースを往復してみました。

2010年8月5日 晴れ

【往路】
9:15 土合口 ロープウェイ乗車
9:30 天神平 ロープウェイ下車
9:35 天神平 リフト搭乗
9:45 天神峠 リフト下車 <<登山スタート>>
10:00 分岐点
10:20 熊穴沢避難小屋
10:50 天狗のとまり場
11:20 天神のザンゲ岩
11:30 肩の小屋
11:35 トマの耳
11:53 オキの耳

【復路】
12:20 オキの耳
12:30 トマの耳
12:55 天狗のとまり場
13:25 熊穴沢避難小屋
14:00 天神平 ロープウェイ乗車 <<登山終了>>
14:15 土合口 ロープウェイ下車

歩行距離:6.3km
単独行


 
【9:15 土合口 ロープウェイ乗車】
まずはロープウェイで土合口から570mの標高差を一気に上がります。

 
【9:30 天神平 ロープウェイ下車】【9:35 天神平 リフト搭乗】
天神平でリフトに乗り換え。普通はここから登山を開始するのでしょうが、軟弱者の私はリフトで楽して、更に高さをかせぎます。

 
【9:45 天神峠 リフト下車】
標高1502m。ここから登山を開始。目指す谷川岳が聳え立っていますが、頂上付近は雲に隠れちゃっていますね。ここからは下りの尾根道を歩くのですが、えぐれている上にぬかるんでいて、滑りやすい悪路でした。



【10:00 分岐点】
足もとの悪い道を我慢して進むと、やがて天神平からあがってくる登山道の本道と合流。さすがに利用者の多い登山道だけあってちゃんと整備されており、俄然歩きやすくなりました。

 
緩い傾斜を登りつつ、山腹の木道を進みます。岩場をトラバースする鎖場もありますが、晴天時だったからか、捉まらずに済みました。

 
【10:20 熊穴沢避難小屋】
避難小屋に到着。ここまでは楽チン。一休みしてもよかったのですが、水場もトイレも無いただの小屋なので、今回は通過。

 
避難小屋を過ぎると、山頂までの1.8kmはひたすら心臓破りの急登が続きます。随所に鎖場(ロープ場)あり。まもなく森林限界を過ぎ、灌木が両側に生い茂りはじめます。


小屋から15分登っただけですが、振り返ると避難小屋が小さく見えます。

 
朝日岳方面の眺望が遠くまで見晴らせました。西黒尾根もくっきり。

 
【10:50 天狗のとまり場】
大きな岩がせり出たポイント。露出した岩が続く痩せ尾根をひたすらよじ登ります。運動不足でだらしない体の私は、何度も立ち止まって息を整えながら、少しずつ進みました。


高山植物の可憐な花をみると、ちょっとは力が回復できたりして…。


撮影時分から推測すると、多分ここは天神のザンゲ岩。この辺りが胸突き八丁、息が切れて汗だくになり、ちゃんと記録できませんでした。


ザンゲ岩を越えるとガレ場が広がりはじめました。登山者がルートを踏み外さないよう、木の段が設けられています。

 
【11:30 肩の小屋】
小さいながらもかなりしっかりした造りの山小屋。西黒尾根への分岐もここ。もうすぐ頂上だ!


【11:35 トマの耳】
双耳峰である谷川岳の南側の頂上、トマの耳に到達。1963m。

 
新潟県側の麓が一望。自分の足で上越国境に立てたことに感動しちゃいました。北の方を見ると、もうひとつの頂上であるオキの耳へ続く尾根も綺麗です。最高部はオキの耳なので、ここで休まず、更に先へ進みました。

 

 
トマの耳とオキの耳の間の尾根は、高山植物のお花畑でした。可憐な花々が今を盛りと咲き誇っていました。

 
尾根の途中の鞍部で振り返ると、先ほど到達したトマの耳が屹立しており、その上には眺望を楽しむ人影がまるで蕎麦粒のように小さく見えました。

 
【11:53 オキの耳】
1977m、谷川岳の最高部に到達です。こちらも360度の大パノラマ。酷暑続きの下界と違って、山頂はとっても涼しく快適。このときはトンボが大発生していました。まぁトンボならば害はないので気にせずに済みますけどね。今回はここで折り返します。眺望を楽しみながら頬張るおにぎりは本当に美味い。


このあたりは一の倉沢の衝立岩のちょうど真上に当たるのでしょうね。東側斜面を覗き込むと、そこは吸い込まれそうなほどの急な断崖絶壁で、足を滑らせたら湯檜曽川が流れる谷底へ真っ逆さまに落ちてしまいそう。思わずすくみあがっちゃいます。滑落注意だ…。

【12:20 トマの耳 出発】
腹拵えし、高山の清らかな空気をたくさん吸って鋭気を養ったところで、後ろ髪ひかれる思いで引き返します。
帰路は同じ道を戻るだけですので、写真撮影は省略。
頂上から去ると、途端に空がかき曇り、頂上は雲の中へ完全に隠れてしまいました。早めに到達できてよかった。

 
【12:55 天狗のとまり場】
途中、天狗のとまり場で休憩していると、雲が一時的に消えて急に視界が開け、沼田方面の眺望を遠くまで見晴らすことができました。その時、ふと自分の大腿に目を遣ると、なんとルリボシカミキリがとまっているではありませんか。生きているときにしか見られない美しい瑠璃色に、思わず心が吸い込まれます。今回は何かと運が良いなぁ。


【14:00 天神平ロープウェイ駅 到着】
帰路はリフトを使わず、天神平まで歩いて下りました。途中で小さな子供連れの親子を追い抜かしたのですが、その際チビっ子に「何年生ですか?」と聞いたら、返ってきた答えがなんと「幼稚園」! 幼稚園生が歌を歌いながら元気に頂上まで往復してきたんだとか。スゲェなぁ! それにひきかえ、この程度の往復で息を切らせて膝を笑わせている私ときたら、なんと情けないことだろう…。


今回の登山で歩いたコースは「関東日帰りの山ベスト100 (ブルーガイドぶらり山散歩)」のP202~203に掲載されています。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

尾瀬温泉(戸倉) 尾瀬ぷらり館 戸倉の湯

2010年12月28日 | 群馬県
 
2010年夏の至仏山登山で下山後の汗を流すべく利用しました。東電の手により2009年4月にオープンした新しい施設で、尾瀬のビジターセンター的役割や自然教室の開催が主たる目的ですが、温泉入浴施設も併設されているので、トレッキングや登山の後で汗を流すのにはもってこい。でもなぜかこのお風呂の存在は積極的にPRされていないため、知名度が低く、尾瀬の玄関口という立地の割にはそれほど混雑していません。

鳩待峠から乗り合いタクシーで麓の戸倉集落へ。鳩待峠~戸倉の交通はシャトルバスか乗り合いタクシーですが、双方とも共通チケット900円を購入すれば利用できます。バスは定刻通りに運行しますが本数に限りがあり、一方タクシーはシーズン中ならばいつも待機していますが、定員に満たないとなかなか発車してくれず、いずれも一長一短です。

 
山の中には不似合いな大きな建物。玄関入って右手がお風呂です。オープンして1年程度しか経っていないため、館内はどこもかしこも綺麗で清潔。脱衣所も明るく使い勝手良好。ただしザック類を置く場所が無いので、下足場所付近の指定位置に置いておくことになります。

 
お風呂は内湯と露天がひとつずつ。両方とも3~4人サイズ。洗い場にはシャワー付混合栓が4基。
見た目は無色透明。内湯は若干貝汁っぽく濁っているようにも見えました。はっきりとしたタマゴ味とタマゴ臭を有し、特に露天風呂はタマゴ感が強かったように感じられました。消毒処理されているはずですが、殆ど気になりません。加水・循環は無し(季節により加温)。


湯中では薄く白い小さな湯の華が浮遊していました。高アルカリ性で且つメタケイ酸が影響しているためか、ヌルヌルスベスベとした浴感もはっきり顕れており、肌をさするととても気持ち良いお湯です。タマゴ感と同様、ヌルスベ感も露天の方が強かったような気がします。そのかわり露天はちょっとぬるめ。
内湯は湯口からごく普通にお湯が注がれ、静かにオーバーフローしていますが、露天の方は湯口から常時投入されているようには見えず、出たり止まったりを繰り返しているような感じで、どういう仕組みでその開閉が調整されているのかよくわかりません。

 
露天風呂は頭上の高い位置に屋根が設けられているので、半露天といったほうが正確かもしれません。またアコーディオン状の扉で閉じられるようにもなっており、これはおそらく冬季に雪の侵入を防ぐために用いられるのでしょう。露天風呂エリアには人工芝が敷かれており、その上で涼めます。

東電という公共性の高いお役所みたいな企業が運営する温泉施設なので、てっきり循環仕様のつまらないお風呂かと思っていたら、消毒こそされているものの、タマゴ感が明瞭なお湯で、放流式の湯使いであることは意外でした。この界隈は循環式のお風呂が多いので、お湯の鮮度を重要視する方には貴重な存在かと思います。また綺麗で使い勝手が良いので、上述の通り、トレッキングや登山の後に汗を流すのにも最適です。


アルカリ性単純硫黄温泉 43.8℃ pH9.82 成分総計0.29g/kg

JR上越線・沼田駅から関越交通バスで1時間25分、戸倉(鳩待峠行バス連絡所)下車、徒歩約2分
関越交通・片品エリアの時刻表
群馬県利根郡片品村戸倉736-1  地図

0278-58-7263
ホームページ

入浴可能時間12:00~17:00(季節によって異なる? 委細は直接施設へ尋ねられたし)
定休:毎週水曜(祝日の場合は翌日)、年末・年始
500円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする