温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

摩周駅 足湯「ぽっぽゆ」と駅弁「摩周の豚丼」

2011年02月24日 | 北海道
 
今月上旬某日、網走6:41発の釧網本線普通釧路行に乗車し、摩周駅には定刻通り8:34に到着。
空は綺麗に晴れていました。白銀の雪と空の青のコントラストが実に綺麗です。

 
一両のみのワンマンカー。後部は巻き上げられた雪で真白に覆われています。

 
かわいらしい瀟洒な駅舎です。以前は町名と同じく弟子屈という駅名でしたが、近くにある観光地「摩周湖」にあやかって摩周駅と改称されました。よくある改称のパターンですね。
駅構内には売店の他、観光案内所が設けられています。売店はお昼近くにならないと開きませんが、観光案内所は私が到着した朝8:34の時点で既に開いていました。ここで案内所の方が日帰り入浴について親切に説明してくださったことは前回の記事で記した通りです。

 
駅を出た左側には足湯「ぽっぽゆ」が設置されています。周囲は雪だらけですが、腰かけるところは乾燥していたので、難なく足湯が楽しめました。摩周温泉の2号と6号の混合泉が使用されており、無色透明、41~2℃の弱スベなお湯が掛け流されています。冷たい外気に触れながら温かいお湯で足湯をすると、その極端な温度差が妙に気持ちいいんですよね。この足湯の排湯によって、駅周辺の排水溝の蓋からは湯気がのぼっていました。

 
トイレを借りようと駅舎内に戻ると、トイレ入口付近に飲泉所を発見。足湯や手湯が設置されている駅は近年珍しくなくなりましたが、飲泉所がある駅にはなかなかお目にかかれません。ちゃんと飲泉許可も受けています。足湯同様、こちらも摩周温泉の2号・6号の混合泉が使われています。湯口の上に湯呑みが置かれていたので、これで飲んでみると、微かに塩味が感じられ、匂いは殆ど無臭。比較的飲みやすいお湯でした。こちらには詳しい温泉分析表が掲示されていましたので、その一部を以下に抜粋します。
 摩周温泉(2号と6号の混合泉)
 ナトリウム-塩化物泉 81.5℃ pH8.2 550L/min(動力揚湯・自然湧出) 溶存物質2.165g/kg 成分総計2.243g/kg


駅前の食事処「ぽっぽ亭」
もちろん店内で食事ができますが、注文すればその場で駅弁「摩周の豚丼」をつくってくれます。デパートの駅弁フェアでも人気を集めていると聞いたので、早速注文してみることに。オーダーしてから5分もしないうちに出来上がりました。

 
これがその「摩周の豚丼」(1050円)。
道産米と十穀米をブレンドしたご飯の上に、網焼きした北海道産豚ロースを載せて、甘辛のタレをたっぷり掛けた豚丼。焼き立てのお肉は厚くて柔らかく、タレも肉やご飯にしっかり絡んで、ボリュームもしっかり。とっても美味しかった!

 
弟子屈町内をうろうろ歩いていたら、町役場の敷地の隅にタンクを発見。
タンクの隣の小屋には「第一地区給湯ポンプ室」と書かれています。どうやら温泉を一旦このタンクに貯めてから、供給先へ分配しているようです。どこでどんな風に使われているのかしら。興味津津。
余計なお湯は捨てられているらしく、このタンクの周囲の排水溝からはあちこちで湯気が上がっていました。
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摩周温泉(美里温泉) 民宿北の大地

2011年02月23日 | 北海道
摩周駅構内にある観光案内所で「摩周駅付近で午前中から入浴できるところはありますか」と訊いたところ、亀の湯以外では
・ペンションBIRAO
・民宿北の大地
この2軒しかないとのこと。朝早くから親切に答えて下さった案内所の方に感謝します。ありがとうございました。

 
このうち、亀の湯から駅へ戻る途中の路線バス(弟子屈市内線)で容易に行ける「民宿北の大地」へ立ち寄ることにしました。釧路川沿いに位置しており、摩周大橋のすぐそばにあります(橋の上から見える黄色い看板が目印)。なおこちらの温泉は摩周温泉の一つとして扱われていますが、厳密には源泉の所在地に因んで「美里温泉」という称するんだそうです。

 
訪ってみると宿のご主人が対応下さり、「私は今から出かけるけど、入っていいですよ」とのこと。お言葉に甘えて入らせていただきました。浴室は玄関斜め前に2室あり、この時は1室を貸切風呂として使うことができました。入室時には、ご主人から「貸切使用している時は浴室のドアを締め、使い終わったら空室であることを示すためにドアを開けておいてください」という旨の指示がありました。


民宿の風呂ですのでこじんまりしています。脱衣室には洗濯機が置かれていて、とっても家庭的な印象を受けます。空間としてはかなり狭いのですが、実質的には家族風呂(貸切風呂)として使用するのでしょうから、狭くても問題は無いでしょう。

 
浴室は2~3人サイズの浴槽がひとつ、洗い場にはシャワー付き混合栓が2基設けられています。岩の湯口の他、お湯の蛇口につながれたホースからも源泉が投入されており、岩の湯口から注がれるお湯はちょうど良い湯加減ですが、ホースのお湯は熱めでした。浴槽のお湯は静かにオーバーフローしており、湯船に体を沈めると、ザバーっと豪快にお湯が溢れ出ていきます。循環・加温・消毒はされていない掛け流しです。


無色透明でほとんど無味無臭、ツルツルスベスベ感がはっきり感じられてとっても気持ち良いお湯です。湯加減は若干熱め。湯上がりはさっぱりしますが、アルカリ性単純温泉とはいえ、成分的には食塩泉型だからか、保温力がかなり高く、お風呂から上がって駅まで歩いて戻る間は、ダウンジャケットを着ると暑くて汗をかいてしまうほど体が火照り続けました。

弟子屈市街地の温泉の中では午前中から入浴でき、駅からも近く、しかも掛け流しのお湯を味わえるという、旅人にとってはかなり貴重な存在です。


美里大道温泉
アルカリ性単純温泉 58.2℃ pH9.1 88L/min(動力揚湯) 溶存物質0.660g/kg 成分総計0.660g/kg

JR釧網本線・摩周駅から徒歩10分(約900m)
または阿寒バス・弟子屈市内線(倖和園行)で摩周大橋南詰下車、徒歩1分
北海道川上郡弟子屈町湯の島1-1-13  地図
015-482-4937
ホームページ

日帰り入浴時間9:00~22:00(日曜祝日は14時から)(受付21:30まで)、水曜定休
400円
シャンプー類あり、他の備品類は無し

私の好み:★★
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摩周温泉(鐺別温泉) 亀の湯

2011年02月22日 | 北海道
弟子屈の市街地に湧く温泉は摩周温泉と呼ばれ、数軒の旅館や民宿によって温泉街が形成されていますが、市街地からちょっと離れた桜ヶ丘地区でも温泉が湧いており、今でこそ摩周温泉の一つとして括られて扱われていますが、かつては鐺別温泉と称されていたんだそうです。その鐺別温泉の共同浴場「亀の湯」に行ってきました。

 
バス通りに面しているので分かりやすいかと思います。隣には公営の無料駐車場も用意されています(小さいですが)。箱のような立方体の建物で、内部は昔ながらの鄙びた銭湯風情がたっぷり漂っています。


男湯と女湯の間にある番台に直接料金を支払います。


飾りっ気の無い脱衣所。室内に棚はありませんが、籐の籠が積んであるので、これを使います。窓枠まわりは解けた雪が浸入してビショビショでした。建物はけっこう老朽化しているみたいです。


天然温泉の証。脱衣所内にあるものの中で一番目立つかも。


浴室はかなり暗く、その上換気が不十分のために湯気が篭って濃霧が立ち込めたような状態でした。一寸というか一間(約1.8m)先は闇です。霧で有名な摩周湖の地元ならではなのかも。この濃い湯気のため画像はとっても写りが悪くなっていますので、どうかご容赦の程を。


浴槽はひとつ、洗い場のカラン(お湯と水)は6組です。
青いタイル貼りの浴槽は6人サイズ。浴槽の中の段は下の方が内側(壁側)へ傾斜しており、湯面と底面の面積がほぼ同じになるような構造になっています(それに何のメリットがあるのかは分かりませんが)。


常に源泉が注がれているのではなく、その都度栓を開いてお湯を注ぐ溜め湯式ですが、循環などしているわけではないので、実質的には掛け流しと同等と言ってよいでしょう(循環加温消毒はしていませんが、源泉温度が高いため加水されています)。なお訪問時にはお湯のバルブはちょっとだけ開いており、チョロチョロとお湯が出ていましたが、自分の好みで開け閉めすれば良いかと思います。お湯を投入すればその分オーバーフローしていきますし、湯船に人が入ってもちゃんとお湯は溢れ出ます。

無色澄明、弱芒硝酸の味と匂いを帯び、微かに塩味も感じられたような無かったような…。高いpH値の割にはツルスベ感は弱いのですが、それでも一応ツルスベします(硫酸塩型なので引っ掛かりが生じるのかも)。上述のように溜め湯ですが、朝の9時頃に行ったためか、お湯は鈍っておらずキリリと冴えた新鮮なもので、湯加減も丁度良く、気持ちよく湯浴みできました。クセが無く肌に優しいのでじっくりと浸かることができ、また良く温まるので湯上りもしばらくは寒さを感じません。シンプル・イズ・ベスト、いいお風呂でした。


桜丘源泉
アルカリ性単純温泉 83.0℃ pH8.7 (湧出量不明)動力揚湯 溶存物質0.919g/kg 成分総計0.919g/kg

JR摩周駅から阿寒バス・弟子屈市内線(倖和園行)で鐺別団地下車(駅から約10分・230円)、徒歩1分
北海道川上郡弟子屈町桜丘2-3-1  地図
0154-82-2233
「弟子屈ナビ内」の亀の湯紹介ページ

6:00~20:00
200円
備品類無し(販売も無いようです)

私の好み:★★
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2011年冬 今年も流氷に逃げられた、でも…(@網走)

2011年02月21日 | 北海道
今回は温泉が登場しませんのであしからず

オホーツク海で流氷を観るべく、いままで2度砕氷船に乗ろうとしてきましたが、1度目は強風により欠航、2度目は流氷が沖へ流れてしまったため単なる鉛色の海原を見るだけに終始してしまい、いずれも骨折り損に終わっていました。でも3度目の正直という言葉があるじゃないですか、今年の冬は寒くて流氷もしっかり接岸しているという情報を得たので、雪辱を果たすべく今月上旬に網走へと向かいました。関東の人間が道東へ行くのって、結構面倒なのよね…。


網走駅からバスに乗って5分くらいで道の駅兼砕氷船埠頭に到着。駐車場には大型観光バスが何台も停められており、団体客が行列をなして船へと乗り込んでいきます。私のような個人客はどれくらいいるのかな。少なくとも一人旅は私だけみたい…。


事前にネットで予約をしていたので、カウンターにて料金と引き換えにチケットを貰うわけですが、その際に係員から「今日は流氷が沖へ流れてしまったため、能取岬沖のクルージングとなりますのでご了承ください」と悲しいお知らせが告げられました。流氷が見られないため料金は安くなるのですが、もう心は折れて泣きたい気持ち。何が3度目の正直だ…。


それでも団体さんは大挙して乗船してゆく。砕氷船「おーろら」は満員で出港。乗客のうち半数は華人系でした。ちょうど春節の休暇の時期なので、中国・台湾・香港などからの旅行者が多いのでしょうが、ここに限らず最近の国内観光地における華人系の多さには圧倒されますね。日本の観光産業はもはや中国人抜きでは考えられない状態なんでしょう。


能取岬をぐるっとまわるのなら、沖に出たら取舵をとるはずですが、なぜか船は面舵で南東の鱒浦方面へ向かっていきます。なぜかしら、と思いながら外を眺めていると、あれあれ、視界に白く広いものが映っているではありませんか。

 
この日、流氷はほとんどが沖へ流れてしまっていたのですが、一部が湾状の港に取り残されていたため、船はこの港に向かっていたのでした。デッキに出てみると、ちょうど船は港に取り残されたミニ流氷に船体をぶつけて氷を割っている最中。下のほうからゴリゴリゴリという砕氷音が聞こえます。

 
画像では単なる雪原にしか見えませんが、これが流氷の海原なのであります。波の音が聞こえずに白い氷が広がる海というのは、実に不思議なものです。

 
取り残された残骸とはいえ、流氷は流氷、関東にいたら絶対にお目にかかれない光景に、しばし心を奪われました。

 
船は狂った犬のように港内をグルグル回り、何度も氷を砕いて私たち観光客を喜ばせた後、能取岬方面へ向かいました。
途中、潮流に乗って氷の塊がベルト状に集まって流れている光景と何度もすれ違いました。

 
沖合いでも小さな流氷の密集帯に遭遇。いくら規模は小さくても、沖で味わう流氷の景色は、港内のものとはまた違う感動が得られました。寒さなんか全く気にならず、興奮して何度もカメラのシャッターを切ってしまう…。特に華人系の旅行者は嬉しそうでした。私だって嬉しいよ。少しだけでも本物の流氷が見られたんですから、わざわざ極寒の地に来た甲斐があったと言えるでしょう。

 
さよならミニ流氷。今度は高密度な状態で会いたいものだ!


1時間弱の航行を終えて帰港。バスで戻ります。網走バスってなぜか名鉄グループなんですよね。車体が赤いのも親会社に因んでいるのかしら。

 
翌朝、網走6:41発の釧網本線普通釧路行に乗車。せっかくなので海側の席を確保して車窓を眺めていたら、まず鱒浦付近で知床方面から朝日が昇り、陰になった知床の山々の稜線が綺麗に映えていました。

 
そして浜小清水付近の浜辺では、海岸に打ち上げられた流氷の塊のみならず、沿岸でも大小の氷がたくさんプカプカ浮いていましたが、沖合いの水平線を見ると、一面が真っ白に広がっているではありませんか。沖の流氷がこちらへ近づいてきているんでしょうか。


列車に乗りながら流氷が見られるのは日本全国でもこの釧網本線だけ。北海道の鉄道って本当に魅力的ですね。
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三朝温泉 飲泉所・足湯めぐり

2011年02月20日 | 鳥取県
三朝温泉には飲泉所や足湯も温泉街の中に点在しているので、そのうち私が実際に巡ったものをいくつか取り上げてみます。

・株湯前の飲泉所&足湯

株湯前にある飲泉所。株湯のお風呂ではタンクで一旦貯められた混合泉を使われていましたが、こちらでは株湯1号泉が直接使われているようです。お風呂のお湯よりぬるめで金気がありますが、比較的のみやすいかと思います。
分析表が掲示されていましたので、その一部を以下に書き写します。
 株湯1号泉 単純弱放射能泉 38.2℃ pH7.0 62.6L/min 溶存物質0.638g/kg 成分総計0.667g/kg


その目の前には立派な足湯も設けられています。
槽の底には玉砂利が敷かれ、そこからプクプク泡と共にお湯が供給されていました。


足湯前には三朝温泉の開湯縁起が方言で記された碑と2体の相対峙する像が立っています。その2体は大久保左馬之祐と白狼。源頼朝の家来で大久保左馬之祐という男が、三徳山の中で一度弓で射止めた白狼を山へ逃してやったら、妙見菩薩が男の夢の中に現れ、株の下に湯が湧いている、と教えてくれた、それがいまの三朝温泉なんだそうです。


・薬師の湯
 
温泉街の中心にある飲泉所&足湯。無色透明でほぼ無味無臭。塩化ナトリウムの溶存量が多いようですが、塩気はあまり感じられず、むしろ芒硝のような知覚が感じられました。お湯が触れるところでは金気の付着が目立ちますが、金気っぽい味や匂いもあまり感じられません(私が鈍感なだけでしょう)
 三朝町有1・4・6号泉混合タンク 含弱放射能-ナトリウム-塩化物泉 66.0℃ 成分総計1.419g/kg


・神の湯
 
さすが歴史ある温泉地。三朝神社の境内にある手水も温泉です。
無色透明無味無臭の癖がないお湯です。株湯源泉の混合ですが、株湯で得られた金気が感じられなかったのが不思議です。
 株湯1号2号混合泉 単純弱放射能温泉 45.6℃ 成分総計0.7863g/kg


・河原風呂
 
三朝温泉名物、三朝橋の下の河原に設けられた露天風呂&足湯。
一応衝立はあるものの、バスや車や人がよく渡る三朝橋の上から思いっきり丸見えなので、さすがの私も怖気づいてしまい、入浴を躊躇ってしまいましたが、訪問時には全身泡だらけにして湯浴みを楽しむおじさんが二人もいました。慣れているでしょうかね。このお風呂は早朝に行ったほうがいいのかしら。

 
衝立の手前には足湯もあります。こちらの方が利用しやすいですね。





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