今回から久々に九州の温泉を長期にわたり連続して取り上げてまいります。まずは長崎県島原半島の小浜温泉から。
1軒目は雲仙市小浜支所前の「蒸気家」を訪うことにしました。かつては「田中荘」という屋号でしたが、昨年(2014年)にリニューアルして現在の屋号を名乗るようになり、その新しい屋号が示すように、建物横の源泉施設では真っ白い湯気がもうもうと立ち上がっていました。このように街のあちこちから湯気が立ち上がっているのは、小浜温泉ならではの光景です。
現在は素泊まり格安宿としての営業スタイルをとっており、別府・鉄輪温泉の自炊宿でおなじみの温泉蒸し釜があるので自炊も可能ですが、お食事付きの宿泊も可能であり、お客さんの多様なニーズに対応できるようです。リニューアルされたお宿だけあり、館内はこざっぱりとして落ち着いた雰囲気です。日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださいました。
ロビー左手から館内奥へ進んだ突き当たりが男女別の浴場。館内にはこのほか家族風呂もあるのですが、私が日帰り入浴客なので、今回は男湯のみの利用です。訪問した時間はちょうど清掃が終わったばかりで、脱衣室はとても綺麗。室内に洗面台が2台並び、出入り口付近にロッカーが設置されているほか、扇風機やシーリングファンなどもあって、湯上がり後のクールダウン対策も問題ありません。
浴室に入ると、臭素臭のような僅かな刺激を伴う硫化水素臭が香ってきました。この日の一番風呂だったためか、床は乾燥しており、桶や腰掛けなど備品類もきれいに整頓されていました。床は市松模様のタイル貼りで、側壁下部には暖色系の石材が用いられ、全体的にオフホワイトやクリーム等の色調でまとめられた室内はぬくもりのある佇まいです。洗い場は二手に分かれており、計5基のシャワー付きカランが取り付けられています(なおカランから出てくるお湯は真湯です)。
洗い場の隣には木箱のような小さな2室は温泉蒸気を利用したスチームサウナで、大きさは1室につき1人。白い腰掛けが置かれており、内部は湯気で白く煙っていて、実際に入ってみますとかなり熱く、しっかりと蒸されました。
全面タイル貼りの浴槽は鏡餅を半分にしたような形状をしており、最大幅で3.5m×6m、13~4人は同時に入れそうな容量があり、一番端っこには寝湯ができるよう、背もたれと枕が設けられていました。また、浴槽上の壁には松や帆船、そして雲仙の普賢岳と思しき山がタイルによって描かれており、寝湯関係のタイルの貼り方や、壁のタイル絵の意匠などに昭和らしい古風な美意識が感じられます。
浴槽を別の角度からも撮ってみました。窓下の槽内には塩ビ管(VP管)が埋められており、そこから気泡がブクブクと上がっていました。泡風呂発生装置も稼働しているみたいです。湯船のお湯はほぼ無色透明で、(私の体感で)42℃前後の入りやすい湯加減となっており、浴槽のお湯は浴槽縁の切り欠けから静々と少しずつオーバーフローし、その流路はベージュ色に染まって、細かいうろこ状の石灰華の模様が形成されていました。
浴槽の片隅に小さく囲まれている湯枡が源泉投入口。壁から突き出ているバルブ付きの塩ビ管は太いのですが、そこから吐出されるお湯は80℃弱の熱湯なので、投入量は思いっきり絞られています(それゆえ上述のようにオーバーフロー量も少ないわけです)。なお湯使いに関する案内は見当たりませんでしたが、おそらく掛け流しかそれに準じた湯使いかと思われます。
この小さな湯溜まりからお湯を掬って、息をふーふー吹きかけながら少しずつ口にしてみますと、上述のような軽い刺激を伴う硫化水素臭が香ってくるほか、はっきりとした塩味があり、ほんのりと苦汁味や石灰のような味も混在していました。湯中では食塩泉らしいツルスベ浴感が得られ、湯船に浸かりながら腕でお湯を掻くと、しっとりとしたトロミも感じられました。一方、温泉成分の影響なのか、湯船のお湯を使って石鹸等を泡立てようとしても、なかなか泡立たず、それゆえ真湯のシャワー使用は欠かせないかと思われます。さすが食塩泉だけあって湯上りの温まりは実にパワフルで、いつまでも湯冷めせず、むしろ汗がなかなか止まらないほどでした。
温泉分析書見当たらず(おそらく食塩泉)
諫早駅などから島原鉄道バスの小浜方面行き、あるいは長崎駅前から長崎県営バスの雲仙行特急バスで小浜バスターミナル下車すぐ
長崎県雲仙市小浜町北本町14-7 地図
0957-74-2101
ホームページ
日帰り入浴9:00~21:00
400円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5
1軒目は雲仙市小浜支所前の「蒸気家」を訪うことにしました。かつては「田中荘」という屋号でしたが、昨年(2014年)にリニューアルして現在の屋号を名乗るようになり、その新しい屋号が示すように、建物横の源泉施設では真っ白い湯気がもうもうと立ち上がっていました。このように街のあちこちから湯気が立ち上がっているのは、小浜温泉ならではの光景です。
現在は素泊まり格安宿としての営業スタイルをとっており、別府・鉄輪温泉の自炊宿でおなじみの温泉蒸し釜があるので自炊も可能ですが、お食事付きの宿泊も可能であり、お客さんの多様なニーズに対応できるようです。リニューアルされたお宿だけあり、館内はこざっぱりとして落ち着いた雰囲気です。日帰り入浴をお願いしますと、快く受け入れてくださいました。
ロビー左手から館内奥へ進んだ突き当たりが男女別の浴場。館内にはこのほか家族風呂もあるのですが、私が日帰り入浴客なので、今回は男湯のみの利用です。訪問した時間はちょうど清掃が終わったばかりで、脱衣室はとても綺麗。室内に洗面台が2台並び、出入り口付近にロッカーが設置されているほか、扇風機やシーリングファンなどもあって、湯上がり後のクールダウン対策も問題ありません。
浴室に入ると、臭素臭のような僅かな刺激を伴う硫化水素臭が香ってきました。この日の一番風呂だったためか、床は乾燥しており、桶や腰掛けなど備品類もきれいに整頓されていました。床は市松模様のタイル貼りで、側壁下部には暖色系の石材が用いられ、全体的にオフホワイトやクリーム等の色調でまとめられた室内はぬくもりのある佇まいです。洗い場は二手に分かれており、計5基のシャワー付きカランが取り付けられています(なおカランから出てくるお湯は真湯です)。
洗い場の隣には木箱のような小さな2室は温泉蒸気を利用したスチームサウナで、大きさは1室につき1人。白い腰掛けが置かれており、内部は湯気で白く煙っていて、実際に入ってみますとかなり熱く、しっかりと蒸されました。
全面タイル貼りの浴槽は鏡餅を半分にしたような形状をしており、最大幅で3.5m×6m、13~4人は同時に入れそうな容量があり、一番端っこには寝湯ができるよう、背もたれと枕が設けられていました。また、浴槽上の壁には松や帆船、そして雲仙の普賢岳と思しき山がタイルによって描かれており、寝湯関係のタイルの貼り方や、壁のタイル絵の意匠などに昭和らしい古風な美意識が感じられます。
浴槽を別の角度からも撮ってみました。窓下の槽内には塩ビ管(VP管)が埋められており、そこから気泡がブクブクと上がっていました。泡風呂発生装置も稼働しているみたいです。湯船のお湯はほぼ無色透明で、(私の体感で)42℃前後の入りやすい湯加減となっており、浴槽のお湯は浴槽縁の切り欠けから静々と少しずつオーバーフローし、その流路はベージュ色に染まって、細かいうろこ状の石灰華の模様が形成されていました。
浴槽の片隅に小さく囲まれている湯枡が源泉投入口。壁から突き出ているバルブ付きの塩ビ管は太いのですが、そこから吐出されるお湯は80℃弱の熱湯なので、投入量は思いっきり絞られています(それゆえ上述のようにオーバーフロー量も少ないわけです)。なお湯使いに関する案内は見当たりませんでしたが、おそらく掛け流しかそれに準じた湯使いかと思われます。
この小さな湯溜まりからお湯を掬って、息をふーふー吹きかけながら少しずつ口にしてみますと、上述のような軽い刺激を伴う硫化水素臭が香ってくるほか、はっきりとした塩味があり、ほんのりと苦汁味や石灰のような味も混在していました。湯中では食塩泉らしいツルスベ浴感が得られ、湯船に浸かりながら腕でお湯を掻くと、しっとりとしたトロミも感じられました。一方、温泉成分の影響なのか、湯船のお湯を使って石鹸等を泡立てようとしても、なかなか泡立たず、それゆえ真湯のシャワー使用は欠かせないかと思われます。さすが食塩泉だけあって湯上りの温まりは実にパワフルで、いつまでも湯冷めせず、むしろ汗がなかなか止まらないほどでした。
温泉分析書見当たらず(おそらく食塩泉)
諫早駅などから島原鉄道バスの小浜方面行き、あるいは長崎駅前から長崎県営バスの雲仙行特急バスで小浜バスターミナル下車すぐ
長崎県雲仙市小浜町北本町14-7 地図
0957-74-2101
ホームページ
日帰り入浴9:00~21:00
400円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5