温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

那須湯本温泉 中藤屋旅館

2015年11月10日 | 栃木県
 
那須湯本温泉での湯めぐり2軒目はバス通り沿いに日帰り入浴の看板を立てている「中藤屋旅館」です。玄関を訪って入浴をお願いしますと、館内左奥の方からワンちゃんの鳴き声が聞こえてきました。那須湯本では標準的な中規模旅館ですが、どことなくアットホームな雰囲気が漂っています。


 
帳場の右奥が浴室入口です。暖簾をくぐって脱衣室にお邪魔しますと、既にこの時点でイオウの匂いが香ってきました。洗面台には綿棒・髭剃り・シェービングクリーム・ヘアリキッドなどのアメニティが用意されていましたが、そのラインナップは総じて高年齢層向け。


 
浴室は男女別の内湯のみで露天風呂はありませんが、湯川の谷に面して大きな窓が設けられており、窓の外に植えられた松の木が和の趣きを演出しています。また壁など室内随所に木材が多用されていて、ぬくもりたっぷりな室内は明るいながらも落ち着いており、静かな環境の中でゆっくりと湯浴みをくつろげます。床には伊豆青石が敷かれており、歩くたびに足裏から伝わってくる感触も良好です。
洗い場にはシャワー付きカランが4基並んでいます。


 

浴槽は総檜造りで分厚い材木を採用しており、やや深めの造りで入り応えがあって、とても上質なフィーリングです。槽内は2:3の大きさに2分割されており、小さな方は2人サイズで42℃前後、大きな方は4人サイズで40℃前後の湯加減となっていました。もちろん掛け流しの湯使いであり、私が湯船に入ると、ザバーッと音を轟かせながら豪快にお湯が溢れ出てゆきました。この大小両浴槽にまたがる形で木箱の湯口が据えられており、その両側にあけられた穴からお湯が注がれているのですが、穴には木の栓が突っ込まれており、その差し込み具合によって湯量を調整しています。この木の栓による湯量調整は、那須湯本温泉の各旅館や施設でよく見られる当地伝統のスタイルですね。

使用源泉は前回記事の「旅館山快」と同じく、温泉街の各旅館に引かれている鹿の湯と行人の湯の混合泉であり、イオウ感が強くて収斂する酸味のある白濁湯です。体にまとわりつくようなトロミと同時に得られるスルスベ感とキシキシ引っかかる浴感は、いかにも那須湯本のお湯らしい感触なのですが、熱い浴槽でも湯加減が42℃程度に抑えられているためか、鹿の湯を引いている他のお宿のお風呂よりも浴感が若干マイルドで優しく、湯疲れしにくく、入りやすいコンディションでした。「鹿の湯」みたいな熱い湯が苦手な方におすすめ。落ち着いた雰囲気の中で静かに湯浴みを楽しめる、味わい深いお風呂でした。


鹿の湯・行人の湯混合泉
単純酸性硫黄温泉(硫化水素型) 57.2℃ pH2.6 溶存物質0.843g/kg 成分総計0.899g/kg 
H+:2.5mg, Na+:28.5mg, Mg++:22.1mg, Al+++:7.6mg, Fe++:0.7mg,
Cl-:76.0mg, HSO4-31.3mg, SO4--:370.1mg,
H2SO4:0.2mg, H2SiO3:225.5mg, H2S:56.3mg,
加水加温循環消毒なし

那須塩原駅もしくは黒磯駅より東野交通バスの那須湯本方面行で「湯本一丁目」バス停下車
栃木県那須郡那須町湯本274  地図
0287-76-2705
ホームページ

日帰り入浴11:00~20:00
500円
シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
コメント (2)
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