※2019年にお風呂が完全リニューアルされました。本記事で取り上げているのは以前の浴場の様子です。あしからずご了承ください。現状のお風呂の様子は公式サイトをご覧ください
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温泉大国日本といえども、県庁所在地でかつ県の最主要駅の駅前なのに掛け流しの温泉がある都市は決して多くありません。山陰本線の鳥取駅はそんな条件に全てあてはまる極めて稀な存在ですが、昨年(2016年)某日にたまたま鳥取で一晩越す機会がありましたので、その時にお世話になった「丸茂旅館」についてレポートさせていただきます。鳥取駅前から徒歩5分という好立地にあり、市街地のど真ん中であるにもかかわらず掛け流しの温泉に入れるというとても珍しいお宿です。
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日本旅館らしく敷地内には庭園が設けられていました。この庭園だけ見ていると、とても駅近の市街地とは思えません。
なお、こちらのお宿は日本海の幸を活かしたお料理も美味しいらしく、本来ならばお宿ご自慢のお食事もいただきたかったのですが、この時は旅程の都合で夜遅くにチェックインし、早朝に出発しなければならなかったため、残念ですが素泊まりで利用させていただきました。
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今回通された客室は8畳の和室です。室内にはテレビやエアコンなどひと通りの設備が揃っているほか、トイレや洗面台もあるので、温泉入浴以外は全て室内で完結することができました。
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客室にはお風呂が付いていましたが(温泉ではなく普通の沸かし湯です)、夜も翌朝も温泉の大浴場に入ったため、お部屋のお風呂は使っておりません。
お部屋の卓袱台の上にはお茶のセットのほか、冷水も用意されていました。後述するようにこちらの温泉は塩気が強く火照って汗が引きにくいため、こうして冷たい水をたくさん用意してくださると、風呂上がりには非常に助かります。小さなサービスかもしれませんが、お宿の優しい心配りが感じられました。
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廊下をどんどん進んでいった突き当たりに浴場があります。男女の入れ替えは無いらしく、男湯は突き当たりの左側で固定されていました。脱衣室内にはタオルがたくさん用意されていますので、部屋からタオルを持参する必要はなく、手ぶらで入室しても大丈夫です。
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細長い脱衣室の奥にあるドアを開けると浴室の湯気がお出迎え。お風呂は内湯のみです。ちょっとレトロな空気感を漂わせる浴室内には大きな浴槽がひとつ据えられ、それを囲むように洗い場が配置されていました。浴槽の周りは石庭風に設えられており、露天風呂がない分、大きな庭石や石灯篭などによって温泉らしい雰囲気を醸し出そうとしているようでした。
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ベージュとグリーンの豆タイルによって独特な模様が描かれた壁のうち、一部には裸婦のタイル絵が施されていました。そしてその裸婦に見つめられるような形で洗い場が設けられており、シャワー付きカランが2つ、そして水道の蛇口が3つ(うち1つは浴槽の加水用)、それぞれ一列に並んでいました。いくら絵だとわかっているものの、シャワーで体を洗っている時にちょっぴり恥ずかしい思いをしたのは、私が自意識過剰だからでしょうか。
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浴槽は小文字のbみたいに左側がちょこんと突き出ている変則的な形状で、左側の最長辺は約3m、手前側の幅は約2.5m。浴槽内は赤茶系の石板張りですが、縁は温泉成分のこびりつきによってアイボリー色にコーティングされていました。温泉は底にあけられた穴から供給されており、その真上に湯面はこんもりと盛り上がって小さな波を描いていました。
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このお風呂でマニア的に目を奪われたのが、お湯の排水路です。湯船から溢れ出たお湯は小さなせせらぎをなして石庭の中を流れてゆくのですが、その流れの周りには温泉成分がこってりとこびりついて、サンゴ礁のような細かなトゲトゲや、石灰華の千枚田が形成されていました。県庁所在地且つ駅前市街地のお宿で温泉が掛け流されているだけでも驚きなのに、まさか石灰華まで現れているだなんて奇跡のようです。
お湯に関してですが、こちらでは宿の名前を冠した「丸茂泉源」という源泉を使っています。湯船のお湯は無色透明ですが、湯中では赤茶色の細かな浮遊物が無数に舞っており、その影響で僅かに霞んでいるようにも見えました。お湯を口に含むと、甘塩味のほか薄いパラフィンの風味が感じられましたが、匂いはあまり無かったように記憶しています。肩まで湯船に浸かると、食塩泉のようなツルスベと硫酸塩泉らしい引っかかりやトロミが混在して肌に伝わり、やや熱い湯加減も手伝って、大変強く温まりました。そして湯上がり後もなかなか汗が引かず、それゆえ上述した客室に用意されている冷水が非常にありがたかったのです。
館内表示によれば、源泉の湧出温度が熱すぎる時以外は、加水加温循環消毒の無い完全放流式であり、加水する場合でも最大加水率6%という上限を定めています。私が利用した時には非加水の源泉100%であり、お湯の濃さとフレッシュさを存分に味わうことができました。
今回は慌ただしい旅程で利用したため、ゆっくり過ごすことができませんでしたが、次回利用する機会があれば、食事もいただいてのんびり宿泊したいものです。スタッフの方も接客も良く、お湯も良質でかけながし、しかもリーズナブルという、とても利用価値の高いお宿でした。
丸茂泉源
ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 47.7℃ pH6.8 42.5L/min 溶存物質4.447g/kg 成分総計4.467g/kg
Na+:1293mg(87.48mval%), Ca++:128.8mg(10.00mval%),
Cl-:919.5mg(40.06mval%), Br-:2.1mg, SO4--:1427mg(45.87mval%), HCO3-:534.1mg(13.51mval%),
H2SiO3:60.8mg, HBO2:33.1mg, CO2:20.2mg,
(平成16年1月20日)
加水あり(源泉の温度が高くなった場合のみ。最大加水率6%)
加温循環消毒なし
JR鳥取駅より徒歩5分(約400m)
鳥取県鳥取市永楽温泉町458 地図
0857-23-1311
ホームページ
日帰り入浴不可?
シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
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温泉大国日本といえども、県庁所在地でかつ県の最主要駅の駅前なのに掛け流しの温泉がある都市は決して多くありません。山陰本線の鳥取駅はそんな条件に全てあてはまる極めて稀な存在ですが、昨年(2016年)某日にたまたま鳥取で一晩越す機会がありましたので、その時にお世話になった「丸茂旅館」についてレポートさせていただきます。鳥取駅前から徒歩5分という好立地にあり、市街地のど真ん中であるにもかかわらず掛け流しの温泉に入れるというとても珍しいお宿です。
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日本旅館らしく敷地内には庭園が設けられていました。この庭園だけ見ていると、とても駅近の市街地とは思えません。
なお、こちらのお宿は日本海の幸を活かしたお料理も美味しいらしく、本来ならばお宿ご自慢のお食事もいただきたかったのですが、この時は旅程の都合で夜遅くにチェックインし、早朝に出発しなければならなかったため、残念ですが素泊まりで利用させていただきました。
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今回通された客室は8畳の和室です。室内にはテレビやエアコンなどひと通りの設備が揃っているほか、トイレや洗面台もあるので、温泉入浴以外は全て室内で完結することができました。
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客室にはお風呂が付いていましたが(温泉ではなく普通の沸かし湯です)、夜も翌朝も温泉の大浴場に入ったため、お部屋のお風呂は使っておりません。
お部屋の卓袱台の上にはお茶のセットのほか、冷水も用意されていました。後述するようにこちらの温泉は塩気が強く火照って汗が引きにくいため、こうして冷たい水をたくさん用意してくださると、風呂上がりには非常に助かります。小さなサービスかもしれませんが、お宿の優しい心配りが感じられました。
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廊下をどんどん進んでいった突き当たりに浴場があります。男女の入れ替えは無いらしく、男湯は突き当たりの左側で固定されていました。脱衣室内にはタオルがたくさん用意されていますので、部屋からタオルを持参する必要はなく、手ぶらで入室しても大丈夫です。
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細長い脱衣室の奥にあるドアを開けると浴室の湯気がお出迎え。お風呂は内湯のみです。ちょっとレトロな空気感を漂わせる浴室内には大きな浴槽がひとつ据えられ、それを囲むように洗い場が配置されていました。浴槽の周りは石庭風に設えられており、露天風呂がない分、大きな庭石や石灯篭などによって温泉らしい雰囲気を醸し出そうとしているようでした。
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ベージュとグリーンの豆タイルによって独特な模様が描かれた壁のうち、一部には裸婦のタイル絵が施されていました。そしてその裸婦に見つめられるような形で洗い場が設けられており、シャワー付きカランが2つ、そして水道の蛇口が3つ(うち1つは浴槽の加水用)、それぞれ一列に並んでいました。いくら絵だとわかっているものの、シャワーで体を洗っている時にちょっぴり恥ずかしい思いをしたのは、私が自意識過剰だからでしょうか。
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浴槽は小文字のbみたいに左側がちょこんと突き出ている変則的な形状で、左側の最長辺は約3m、手前側の幅は約2.5m。浴槽内は赤茶系の石板張りですが、縁は温泉成分のこびりつきによってアイボリー色にコーティングされていました。温泉は底にあけられた穴から供給されており、その真上に湯面はこんもりと盛り上がって小さな波を描いていました。
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このお風呂でマニア的に目を奪われたのが、お湯の排水路です。湯船から溢れ出たお湯は小さなせせらぎをなして石庭の中を流れてゆくのですが、その流れの周りには温泉成分がこってりとこびりついて、サンゴ礁のような細かなトゲトゲや、石灰華の千枚田が形成されていました。県庁所在地且つ駅前市街地のお宿で温泉が掛け流されているだけでも驚きなのに、まさか石灰華まで現れているだなんて奇跡のようです。
お湯に関してですが、こちらでは宿の名前を冠した「丸茂泉源」という源泉を使っています。湯船のお湯は無色透明ですが、湯中では赤茶色の細かな浮遊物が無数に舞っており、その影響で僅かに霞んでいるようにも見えました。お湯を口に含むと、甘塩味のほか薄いパラフィンの風味が感じられましたが、匂いはあまり無かったように記憶しています。肩まで湯船に浸かると、食塩泉のようなツルスベと硫酸塩泉らしい引っかかりやトロミが混在して肌に伝わり、やや熱い湯加減も手伝って、大変強く温まりました。そして湯上がり後もなかなか汗が引かず、それゆえ上述した客室に用意されている冷水が非常にありがたかったのです。
館内表示によれば、源泉の湧出温度が熱すぎる時以外は、加水加温循環消毒の無い完全放流式であり、加水する場合でも最大加水率6%という上限を定めています。私が利用した時には非加水の源泉100%であり、お湯の濃さとフレッシュさを存分に味わうことができました。
今回は慌ただしい旅程で利用したため、ゆっくり過ごすことができませんでしたが、次回利用する機会があれば、食事もいただいてのんびり宿泊したいものです。スタッフの方も接客も良く、お湯も良質でかけながし、しかもリーズナブルという、とても利用価値の高いお宿でした。
丸茂泉源
ナトリウム-硫酸塩・塩化物温泉 47.7℃ pH6.8 42.5L/min 溶存物質4.447g/kg 成分総計4.467g/kg
Na+:1293mg(87.48mval%), Ca++:128.8mg(10.00mval%),
Cl-:919.5mg(40.06mval%), Br-:2.1mg, SO4--:1427mg(45.87mval%), HCO3-:534.1mg(13.51mval%),
H2SiO3:60.8mg, HBO2:33.1mg, CO2:20.2mg,
(平成16年1月20日)
加水あり(源泉の温度が高くなった場合のみ。最大加水率6%)
加温循環消毒なし
JR鳥取駅より徒歩5分(約400m)
鳥取県鳥取市永楽温泉町458 地図
0857-23-1311
ホームページ
日帰り入浴不可?
シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★