パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

雑念2

2021年02月06日 | Weblog
2月6日(土)晴れ

父の弟妹達がお通夜お葬式に来てくれて、まず感じたことは・・・
おぢちゃん達、年とったなあ〜〜〜
父の、下から二番目の弟Hおぢ(74歳)は、若い頃ドイツに留学とかしてて、ピアニストで、髪も長髪で、今で言うシュッとしていた。
一人異彩を放っていた。
う〜ん・・・誰に似てるかなあ〜今なら「假屋崎省吾氏」かなあ。
あれ、全然シュッとしてないなあ(・・・失礼です)
そのH兄ちゃんがお通夜の途中で駆け込んできてお焼香する後ろ姿が、すっかりおじいちゃんで驚いた。
そんなこと言うなら、その後にまた駆け込んできたS兄ちゃん(69)に至っては頭頂部がきれいに禿げている。
ワタクシが中学生の頃、おぢは早稲田の学生で、ワタクシはこのおぢが大好きだった。
大学の夏休みに帰省して、我が家に滞在していた時、喫茶店なるところに連れて行ってもらってクリームソーダをご馳走になりながら陸奥A子や田渕由美子の漫画の主人公になったような気持ちだった。
祖父母のお葬式やその他諸々親戚の集まりで時々は会ってたとは思うが、
ここ15年くらいはご無沙汰していたのですっかり間が欠落して、ついつい40年以上も前の記憶に飛んでしまう。
まあ、その点、最近会っていたおぢちゃん達のことは、それなりに「もう年だもんね〜」と受け入れてはいた。

そして・・・翌日のお葬式がしめやかに始まる少し前。
静かな音楽が流れる中、司会の方が「携帯電話をマナーモードにしてください」等の注意をされる。
もう、いよいよ始まると言う時・・・
Kおぢちゃんの声が響き渡る。
「Aちゃんはもう遺影の準備した?」
Aおぢ(81歳)は耳が遠いのか、はたまた式が始まるからかスルーしている。
Kおぢ、さらに大きな声で「遺影は準備してる?おとうさんの時だったか写真がなくて大変だっただろ?だから俺はもう準備してるんだ!」
とうとうH兄ちゃんが席を立って「しーっ!静かに!」と注意。
と、今度はいきなり携帯電話が鳴る。
スマホに替えて以来、すぐ電話に出られなくなったAおぢのスマホのようだ。
止められない。
響き渡る。
慌てて誰かがスマホを止めに行ってるようだ。
もう、ワタクシ、だんだんじわじわ可笑しくなってきて、マスクの下で笑ってしまう。
これが、我が親だったら笑うどころじゃすまないのだが、ワンテンポ置いておぢちゃん達なので笑える許せる。

そうそう!このマスクのおかげで、ワタクシ、秘技をうみだした。
法要が終わり、いよいよ棺に蓋が乗せられる時、またもおぢちゃん達が号泣。
ワタクシは子供の頃から、人前で泣くことを良しとしない。
我慢に我慢する(←よって「恐ろしい子!」と思われがちだったが)
おぢちゃん達を見たり、老母の涙を見ると、涙腺が崩壊する。
よって、宙を見る。だれかを見ているようで誰も見ていない。
これで涙の噴出は阻止できた。
しかし、驚いたことに鼻水は出る。
泣く時の涙と鼻水は同時だと思っていたが、涙は堪えられても鼻水は堪えられないということを知った。
よって、棺を離れてお花を取りに行くフリをしながらマスクをずらして鼻水を拭くということを数回繰り返した。
これまたマスクのおかげである。

急遽変更したマイクロバスに乗って火葬場へ行く。
段取りを説明しようとしている女子職員に、色々質問しているS兄ちゃん。
社会科見学じゃないんだからさぁ〜ここの休日がいつだろうとどうだっていいでしょ、早く説明をさせてあげてくれ。
5人だけ遺影や骨壷、お花を運ぶために移動してくれと言われ、他の人たちは別室で待機なのに、ワタクシ達の後をふらふら付いてくるAおぢ。
「違う違う、おぢちゃんはあっちの部屋だよ。」と言っても耳が遠いから付いてくる。
女子職員さんが追いかけてきて説明しても、ワタクシ達の方へこようとする。
おぢちゃ〜〜〜ん、あっちで待ってて〜
そして、そのおぢちゃんの頭にはグレーの正ちゃん帽。
そんなのをかぶるような人じゃなかったのに・・・
喪服に正ちゃん帽・・・
後からK姉ちゃんが「何度もバスに置いていけって言ったんだけど、聞かなくてさあ」とため息。
寒かったのだろうか、孫からのプレゼントだったのだろうか。
ふわふわと歩くAおぢちゃんの頭で揺れるニット帽に、じわじわと笑いがこみ上げマスクの下で口角が上がる。

怒涛の二日間の行程が終わり、ジタバタバタバタはしたものの、やはり弟妹達に見送ってもらえて父は喜んでいるだろうなと思う。
ついつい段取りとか、予定とかを考えがちだったけど、終わってみて、これが一番良かったのだと思いたい。
雑念が多すぎて、お寺のご住職の法話も気もそぞろに聞いてたが、これから毎週の忌日法要はもう少し落ち着いて供養するからね、お父さん!
コメント
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