経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

「日銀=GDP」 の異常さ

2017-06-09 07:45:33 | 日銀
◇ 日銀の資産が500兆円を突破 = とうとう500兆円を超えてしまった。日銀の発表によると、5月末時点の保有資産額は500兆8000億円。異次元緩和政策を始めた13年4月の保有額は134兆円だったから、この4年あまりで4倍近くも増えたことになる。激増した原因は、日銀が大量の国債や株式を市場で買い入れたこと。ついに一銀行が日本のGDPに匹敵する資産を保有する、異常な状態に陥った。

保有資産には金や貸付金も含まれているが、その大部分は市場から買い入れた国債や証券類。内訳をみると、国債が427兆円、ETF(上場投資信託)が13兆9000億円などとなっている。日銀は現在も年間80兆円のペースで国債や証券を買い続けているから、GDPをどんどん追い越して行くことは間違いない。

GDPというのは、日本人が1年間働いて作り出す新しい経済価値。16年で530兆円ほどだ。それとほぼ同額の資産を、いかに中央銀行とはいえ一銀行が保有する事態は、どう考えても異常である。この資産は、いずれ市場で売り戻さなければならない。そこで相場が下落すれば、日銀は巨額の債務を抱え込むことになる。そのとき何が起きるのかは見当もつかない。

GDPにほぼ匹敵するおカネが、市場を通じて供給された。しかし日本経済はそれほど上向かない。日銀は巨額の資金放出が、ほんとうに景気をよくすると考えているのだろうか。これまで放出した大量の資金は、どこに消えたのか。日銀をはじめとして政府も民間の研究機関も、この異常さをもっと追求すべきだと思う。

       ≪8日の日経平均 = 下げ -75.36円≫

       ≪9日の日経平均は? 予想 = 上げ


Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>