◇ 賭けに敗れたメイ首相 = イギリスの総選挙で、メイ首相が率いる保守党は12議席を失う結果となった。EUとの離脱交渉に備えて政権基盤の強化を目指したメイ首相にとっては、全く想定外の結末だったに違いない。10議席を獲得した北アイルランド民主統一党と組んでようやく政権を維持するが、選挙前にこんな政局を想定した人はだれもいない。
このところ、イギリスは「想定外の国」になっている。キャメロン前首相が昨年6月、EU離脱の是非を巡る国民投票に踏み切ったのも想定外。その結果が「離脱OK」と出たのも大番狂わせだった。そのあとを継いだメイ首相は「総選挙は20年までない」と一貫して言明してきた。その首相が一転して、総選挙を前倒しで実施。議員も国民も、予想していなかった。
選挙戦が始まった時点で、世論調査では圧倒的に保守党が優勢だった。それが人気のなかった労働党に追い上げられたのはなぜか。イギリスの世論調査は昨年の国民投票でも間違えたから、もともと信用できないという説。選挙戦中に起きた自爆テロ事件が、保守党の足を引っ張ったという説。
このテロによる影響については、メイ首相の「移民を厳しく制限」という政策への支持が強まるという見方と、労働党が批判した「警察官を2万人削減した政策の結果」に賛同するという見方があった。結果は「警察官の削減」の圧勝。これも一つの想定外だった。もう1つ、選挙ではスコットランドの独立を標榜する民族党が大敗した。この結果、スコットランドの独立機運は薄らぐことになったが、この点だけはメイ首相にとって唯一の「歓迎すべき想定外」だったに違いない。
(続きは明日)
≪12日の日経平均 = 下げ -104.68円≫
≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
このところ、イギリスは「想定外の国」になっている。キャメロン前首相が昨年6月、EU離脱の是非を巡る国民投票に踏み切ったのも想定外。その結果が「離脱OK」と出たのも大番狂わせだった。そのあとを継いだメイ首相は「総選挙は20年までない」と一貫して言明してきた。その首相が一転して、総選挙を前倒しで実施。議員も国民も、予想していなかった。
選挙戦が始まった時点で、世論調査では圧倒的に保守党が優勢だった。それが人気のなかった労働党に追い上げられたのはなぜか。イギリスの世論調査は昨年の国民投票でも間違えたから、もともと信用できないという説。選挙戦中に起きた自爆テロ事件が、保守党の足を引っ張ったという説。
このテロによる影響については、メイ首相の「移民を厳しく制限」という政策への支持が強まるという見方と、労働党が批判した「警察官を2万人削減した政策の結果」に賛同するという見方があった。結果は「警察官の削減」の圧勝。これも一つの想定外だった。もう1つ、選挙ではスコットランドの独立を標榜する民族党が大敗した。この結果、スコットランドの独立機運は薄らぐことになったが、この点だけはメイ首相にとって唯一の「歓迎すべき想定外」だったに違いない。
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