経済なんでも研究会

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サタデー自習室 -- 水の 経済学 ⑩

2017-06-10 07:34:52 | 
◇ 淡水化の技術は日本がリード = ナイロンやカーボン製の薄い皮膜に、極小の穴を無数に開ける。そこに海水や汚水を通して、塩分や不純物を濾過する。穴の大きさは用途によっていろいろだが、たとえば海水の淡水化用だと0.5-0.7ナノ・メートル(ナノは10億分の1)程度。海水や汚水を高圧で押し込むから、膜は頑丈でなければならない。用途によっては、熱や油に強いことも求められる。

水以外の不純物は通さない逆浸透膜。この製造技術は、日本が世界一だ。売上高でみると、日本の企業が世界市場の6割を占めている。特に東レや日東電工の売上高が大きい。アメリカ、オーストラリア、スペイン、イスラエルなど、世界各国に製品を輸出している。その用途も飲料水、工業用水、農業用水とさまざまだ。

逆浸透膜に100ナノ・メートルの穴を開けると、大腸菌などの細菌類を除去することができる。さらに穴を10ナノ・メートルにすると、A型肝炎などのウイルスも通さなくなる。そして1ナノ・メートル以下にすると、塩素やナトリウム・イオンも通らなくなり、海水が淡水に浄化されるのだそうだ。

海水と言っても、場所によって塩分の濃度が異なる。また汚水も、生活排水や工場排水の汚れ方はさまざま。これらの状態に応じて、いろいろな逆浸透膜を製造する。この技術は、とても貴重。もっと安価で耐久性に優れた製品が出来上がれば、世界の水不足を解消する救世主になるはずだ。

                                (続きは来週サタデー)

      ≪9日の日経平均 = 上げ +104.00円≫

      【今週の日経平均予想 = 2勝3敗】   


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