経済なんでも研究会

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景気対策としては 力不足 (下)

2019-12-11 08:20:16 | 景気
◇ 補正予算を隠れ蓑にする悪弊 = たとえば高速道路を造れば、鉄鋼やセメントなどの需要も増加する。だがポイント還元では、消費者が全体の支出を増やすとは限らない。だから景気に対する浮揚効果は小さくなってしまう。今回の景気対策では、こういう事業が多くなりすぎた。というのも政府自身が、景気の現状をそれほど心配していないからかもしれない。政府の公式見解である月例経済報告では、いまだに「景気は回復中」という判断を続けている。

したがって、この程度の“おせち料理”対策でも、景気は維持できると考えているのだろう。しかし輸出の停滞から、製造業は苦境に陥っている。景気動向指数は、明確に「景気の後退」を告げている。本当にこの対策で、世界不況やオリンピック後の需要減少を乗り切れるのかどうか。ここが最大の疑問点になってくる。

もう1つの問題点は、補正予算の組み方である。総額13兆2000億円の財政支出のうち、19年度補正予算の規模は4兆3000億円に達する。台風や大雨の被害を復旧するための財政支出は、不可欠である。だが今回の補正予算をみると、畜産農家への奨励金や小中学校へのパソコン配備、それにポイント還元予算の増額までが組み込まれた。

補正予算は本来、想定外の緊急事態に対処するための方策である。そこに緊急でない対策を盛り込むのは、本予算の規模をできるだけ小さく見せようとする、政府の巧妙な手口に他ならない。また国会での審議を免れるための手段ともなっているようだ。安倍内閣は毎年のように補正予算を組み、この方策を活用してきた。防衛予算を紛れ込ませたことさえある。いい加減にしてほしい。

       ≪10日の日経平均 = 下げ -20.51円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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