経済なんでも研究会

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“部分合意”は 中国の遠謀深慮 (下)

2019-12-18 08:32:22 | 中国
◇ 本当の勝負はこれから = 米中両国には、それぞれの思惑があった。アメリカの場合は、何といっても来年11月に迫った大統領選挙。仮に15日に予告通り中国製品2500億ドル分に40%の関税をかけたら、日用品や玩具の値段が大幅に上昇する。すると消費者や小売業界の票を減らすかもしれない。関税を据え置くことで中国の農産物輸入を増やせれば、農村地帯の支持を確実なものとすることが出来る。これがトランプ氏の思惑だったに違いない。

一方の中国では、景気の鈍化が止まらない。来年は成長率が6%を割る危険性まで出てきた。同時に物価は4.5%の上昇に。これにはアフリカ豚コレラの流行が大きく影響している。5億頭といわれる豚が4割も減ったためだ。アメリカ産の豚を大量に輸入すれば、物価の上昇と国民の不満を抑えられる。その見返りでアメリカの輸入関税が下がれば、景気にとってもプラスになる。これが習主席の思惑だったに違いない。

さらに中国側は、トランプ氏は大統領選挙が近づくにつれて焦りを濃くするだろうと洞察している。たとえば養豚の数が激減しているから、大豆の需要は減っている。そこで大豆の輸入を減らし、ほかの農産品を増やしたら、アメリカは混乱するだろう。大豆農家に「大型トラクターを買え」と言ったトランプ氏は、票を失うかもしれない。

押したり引いたり、手段はいくらでもある。これからは中国が、交渉のペースを握る。そして国家政策の根幹に関わる補助金の問題や技術開発政策については、絶対に譲らない。習政権はこう考えているが、アメリカはそれでは納得しないだろう。したがって、米中間の経済戦争はこれからが本番と見ておく方が賢明だ。

       ≪17日の日経平均 = 上げ +113.77円≫

       ≪18日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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