◇ 文部科学省の“砂上の楼閣” = 萩生田文部科学相は17日、大学入学共通テストに「国語と数学の記述式問題を導入することを延期する」と、正式に発表した。すでに英語の民間委託は見送っているので、文科省が声高に宣伝してきた共通テストの改革案はすべて消滅したことになる。国語と数学の記述式問題は、適正な採点が期待できないため。また英語の民間委託は、交通が不便な地域に住む学生が不利になることが実施不可の理由になった。
萩生田文科相は「さらに検討を重ねて不備をなくす」と述べているが、不備を補う名案はなさそうだ。関係者によると、記述式問題の導入や民間委託案には早くからその欠点が指摘され、反対意見も少なくなかった。にもかかわらず、こうした案が浮上したのは各種の審議会の席上で、原案を作成した文科省の担当者が強引に議事を進めたからだという。
皮肉なことに、今回の一連の事件は萩生田氏自身の発言が引き金となっている。文科相に就任した直後のテレビ番組で、英語の民間委託に関して生じる不公平について「身の丈に合わせて」と発言。ここから民間委託の問題点が、世間の注目を集めることになった。さらに、これが国語と数学の記述式問題にも飛び火。すべてがご破算となったわけである。
ここまでくると、そもそもの大学入学共通テストについても、疑問が湧いてくる。文科省は「高校教育のレベルを上げるため」と説明しているが、詳しい趣意書を読んでもピンとこない。高校教育のレベルアップなら、高校の先生を対象にすればいいわけで、なぜ共通テストが必要なのだろう。まさか、文科省が天下り先を作ったとは思わないが。
≪19日の日経平均 = 下げ -69.58円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
萩生田文科相は「さらに検討を重ねて不備をなくす」と述べているが、不備を補う名案はなさそうだ。関係者によると、記述式問題の導入や民間委託案には早くからその欠点が指摘され、反対意見も少なくなかった。にもかかわらず、こうした案が浮上したのは各種の審議会の席上で、原案を作成した文科省の担当者が強引に議事を進めたからだという。
皮肉なことに、今回の一連の事件は萩生田氏自身の発言が引き金となっている。文科相に就任した直後のテレビ番組で、英語の民間委託に関して生じる不公平について「身の丈に合わせて」と発言。ここから民間委託の問題点が、世間の注目を集めることになった。さらに、これが国語と数学の記述式問題にも飛び火。すべてがご破算となったわけである。
ここまでくると、そもそもの大学入学共通テストについても、疑問が湧いてくる。文科省は「高校教育のレベルを上げるため」と説明しているが、詳しい趣意書を読んでもピンとこない。高校教育のレベルアップなら、高校の先生を対象にすればいいわけで、なぜ共通テストが必要なのだろう。まさか、文科省が天下り先を作ったとは思わないが。
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