経済なんでも研究会

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ワクチンしかない コロナ対策 (下)

2020-08-27 07:04:25 | なし
◇ 間に合いそうにないオリンピック = ワクチンを使ってコロナ・ウイルスを撲滅するまでには、いくつもの大きな関門がある。その第1は、有効性の問題。ワクチンの製造法は、大別するだけでもウイルスの毒性を薄める、毒性をなくす、DNAを使うなど、いろいろ。さらに、その先はそれこそ企業秘密で、製品の内容は千差万別だ。どのワクチンがどれほど効くのか、全く分からない。ウイルスの方も変異するから、ヨーロッパでは効いてもアジアでは無力なワクチンという事態も起こりうる。

第2の関門は、副作用の問題。副作用を起こさないためには、通常3年ぐらいの臨床実験が必要といわれる。しかし今回は急を要するので、各社とも臨床実験を最小限度で済まそうとしている。それだけ副作用が出る確率は、高くなるわけだ。このため各国政府は、仮に重大な副作用が出た場合、製薬会社の損害賠償責任は問わず、国が賠償に応じる制度を作ろうとしている。日本も国会に法案を提出する予定だ。

第3の関門は、実用化される時期。数社は来年早々からと言っているが、トランプ大統領は選挙を前に得点を挙げるため、10月にも実用化を目指しているとも伝えられる。だが投入が早ければ早いほど、そのワクチンの有効性や副作用の問題は大きくなるだろう。また早い段階で、どれだけの量が供給されるかも不鮮明だ。

常識的に考えると、大量のワクチンが実際に投入されるのは、早くても来春だろう。それが副作用もなく、大きな効果を挙げれば、先進国のコロナ禍は鎮静するかもしれない。ただし、そうなるのには相当な幸運が必要だ。しかも先進国がワクチンを奪取してしまったから、新興国にはなかなか行き渡らない。そんな状態で、オリンピックの開催はムリと考えざるをえない。

       ≪26日の日経平均 = 下げ -5.91円≫

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

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