経済なんでも研究会

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アテにするな! サハリン2

2022-07-08 07:41:22 | エネルギー
◇ 逃げ腰では何も出来ない = プーチン大統領は6月末、極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の運営会社を接収する命令を下した。現在はロシア国営ガス会社ガスプロム、イギリス・シェル、それに三井物産、三菱商事などが出資しているサハリンエナジーが運営しているが、その資産や従業員、各種の権利などいっさいを新しく設立する法人企業に譲渡させる。三井物産などはロシア政府が提示する条件を呑めば、新会社の株主になれるという内容。

サハリン2のLNG(液化天然ガス)生産量は年間1000万トン。日本は600万トンを輸入しており、その半分程度が発電用の燃料として使われている。したがって仮にこの輸入契約が破棄されると、日本はその分を割高なスポット契約で買い付けなければならなくなり、貿易赤字が拡大する。またエネルギーの国際価格がさらに上昇すれば、負担は一層増大する。

「なんという暴挙だ」と怒りの声が挙がるのは当然だ。しかし冷静に観察してみれば、G7(主要7か国)やNATO(北大西洋条約機構)の会議では「ロシアは直接の脅威」と認定、敵国視したばかり。日本も同意した。そうした相手に「暴挙だ」と怒ってみても始まらない。もちろんロシア側と粘り強い交渉を続けることは必要だが、政府はもっと真剣に根本的なエネルギー対策を考えるべきだろう。

日本のエネルギー自給率は、わずか12%程度。輸入が困難になれば、原発や再生エネルギーを増やして自給率を上げるしかない。たとえば欧米諸国は、みな原発に対する基本的な姿勢を明確にして、そのなかで努力を重ねている。それなのに日本政府は、原発をどうするのか。いまの選挙中でも逃げ回っている。その弱腰が、ロシアに付け込まれたとも言えるだろう。

        ≪7日の日経平均 = 上げ +382.88円≫

        ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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