経済なんでも研究会

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複雑怪奇な 電気料金の値上げ (下)

2022-12-14 07:49:06 | 電気料金
◇ なぜか申請を遅らせている残り5社 = 中国・中部・九州の3電力会社は企業向けの電力供給でカルテルを結び、公正取引委員会から総額1000億円の課徴金を言い渡されたばかり。このうち推定700億円の課徴金を収めることになった中国電力も、値上げを申請している。ところが松野官房長官は「課徴金は燃料費とは関係がないから、値上げの審査には影響しない」と言明。しかし結果として、課徴金は値上げ分から支払われるのではないか。どうもおかしい気がする。

北海道・東京・中部・関西・九州の5社も4月から値上げする予定だが、まだ申請はしていない。必要な書類の作成が遅れているのか、それとも様子を窺っているのか。経産省の審議会はすでに東北電力など5社についての審査を始めているが、途中で後続5社の審査もするのだろうか。10社の経営状態を横並べにしてみないと、適切な値上げ幅を探りにくいのではないか。

加えて政府の補助金が、問題をいっそう複雑にしている。政府は来年1月から電力会社に補助金を出して、値上げ分の2割程度を補填する方針。したがって家庭の電気料金は、来年1-3月は2割ほど安くなる。しかし仮に4月から30%の値上げが実施されると、4月以降は10%高くなる。さらに政府の補助金は来年10月以降1割程度に引き下げられるので、その時点で電気料金はまた値上がりする。とにかく来年の電気料金は、ややこしい。

ウクライナ戦争の影響で燃料の輸入代金が高騰したのだから、電気料金が値上がりすることはやむを得ない。しかし、その過程はまとこに複雑怪奇だ。同時に心配なのは、こんな状態がいつまで続くかということ。長続きしたとき、持ち応えられるのかどうか。政府が長期的な対策を進めていないことが、最も‟怪奇”なのかもしれない。

        ≪13日の日経平均 = 上げ +112.52円≫

        ≪14日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

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