◇ 超緩和政策の終わり→引き締めの始まり = 日銀は20日の政策決定会合で、長期金利の変動幅を上下0.25%から上下0.5%に拡大することを決めた。仕組みはややこしいが、実質的には政策金利を0.25%から0.5%に引き上げたことと同じ。この決定を受けて、長期金利は0.25%から0.462%に急上昇。円の対ドル相場は一気に6円も急騰、日経平均は668円の急落となった。
黒田総裁は記者会見で「これは金融政策の小幅な修正だ。利上げではないし、引き締めの意図も全くない」と強調した。しかし、これは完全な詭弁。というのも総裁自身が以前「変動幅の拡大は、利上げを意味する」と繰り返し述べていたからだ。こんな詭弁を弄したのも、10年間続けてきた超緩和政策への思い入れがあったからだろう。しかし市場は0.25%の利上げと受け取り、大きく震動した。
日銀が超緩和政策を守り切れなかった理由は2つ。1つは長期金利が0.25%を超えるのを防ぐため、大量の国債を買い続けたこと。その結果、10年国債の取り引きが阻害され、企業が発行する社債の市場にも悪影響が及んだこと。もう1つは円安の進行で、輸入物価が上昇し過ぎたこと。つまり超緩和政策の悪影響が、限度を超したためとも言えるだろう。
だが、こうした2つの悪影響はウクライナ戦争が始まったころから問題となっていた。その後、アメリカやヨーロッパ諸国が利上げを始めても、日銀はひとり孤高の道を歩んできた。それが、とうとう限界に達したわけである。しかし、いったん中央銀行の姿勢が崩れると、市場はさらなる利上げを要求してくる。日銀の今回の決定は「超緩和政策の終わり」と考えるよりは「新たな引き締め政策の始まり」と、捉えるべきだろう。
(続きは明日)
≪21日の日経平均 = 下げ -180.31円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
黒田総裁は記者会見で「これは金融政策の小幅な修正だ。利上げではないし、引き締めの意図も全くない」と強調した。しかし、これは完全な詭弁。というのも総裁自身が以前「変動幅の拡大は、利上げを意味する」と繰り返し述べていたからだ。こんな詭弁を弄したのも、10年間続けてきた超緩和政策への思い入れがあったからだろう。しかし市場は0.25%の利上げと受け取り、大きく震動した。
日銀が超緩和政策を守り切れなかった理由は2つ。1つは長期金利が0.25%を超えるのを防ぐため、大量の国債を買い続けたこと。その結果、10年国債の取り引きが阻害され、企業が発行する社債の市場にも悪影響が及んだこと。もう1つは円安の進行で、輸入物価が上昇し過ぎたこと。つまり超緩和政策の悪影響が、限度を超したためとも言えるだろう。
だが、こうした2つの悪影響はウクライナ戦争が始まったころから問題となっていた。その後、アメリカやヨーロッパ諸国が利上げを始めても、日銀はひとり孤高の道を歩んできた。それが、とうとう限界に達したわけである。しかし、いったん中央銀行の姿勢が崩れると、市場はさらなる利上げを要求してくる。日銀の今回の決定は「超緩和政策の終わり」と考えるよりは「新たな引き締め政策の始まり」と、捉えるべきだろう。
(続きは明日)
≪21日の日経平均 = 下げ -180.31円≫
≪22日の日経平均は? 予想 = 上げ≫