◇ 投資家の行動も様変わり = ニューヨーク株式市場の空気が一変した。FRBは先週14日、政策金利の0.5%引き上げを決定。同時に、23年末の政策金利が5.1%になるという見通しも公表した。これで23年中に利下げが始まるという公算はほぼ消滅、アメリカは景気後退に入る――と、多くの市場関係者が懸念した。その結果、一部の投資家たちは「景気後退に備えるための行動」をとり始めている。
パウエルFRB議長は、利上げ発表後の記者会見で「23年中に利下げを実施できる可能性はない」とバッサリ。また「景気後退になるかどうかは判らない。仮になったとしても、その深さがどのくらいになるかは判らない」と発言。さらに「23年末の金利予想を再び引き上げないという自信はない」とまで言い切った。これで市場関係者の景気後退に関する懸念は、一気に確信に変わっている。
これまで市場は「実体経済が悪化すれば、FRBの金融引き締めテンポは緩和される。だから株式は買い」という、やや奇妙な論理を貫いてきた。これは景気後退を‟遠くの幻影”としか考えていなかったからである。しかし現実に景気後退の影が目に見えてくると、そうは言っていられない。これからは実体経済を映す経済指標を注視、素直に反応して行く必要に迫られた。
その経済指標は、これから悪い結果が出てくる可能性が高い。すでに工業生産が2か月連続で減少、小売り高も11月は前月を下回った。各種の景況感指数も低下している。だとすれば、株式一辺倒の資産運用は危ない。投資先は安全性の高い国債などに分散することを考えよう――投資家の行動に変化が現われ、市場のムードは一変した。
(続きは明日)
≪19日の日経平均 = 下げ -289.48円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
パウエルFRB議長は、利上げ発表後の記者会見で「23年中に利下げを実施できる可能性はない」とバッサリ。また「景気後退になるかどうかは判らない。仮になったとしても、その深さがどのくらいになるかは判らない」と発言。さらに「23年末の金利予想を再び引き上げないという自信はない」とまで言い切った。これで市場関係者の景気後退に関する懸念は、一気に確信に変わっている。
これまで市場は「実体経済が悪化すれば、FRBの金融引き締めテンポは緩和される。だから株式は買い」という、やや奇妙な論理を貫いてきた。これは景気後退を‟遠くの幻影”としか考えていなかったからである。しかし現実に景気後退の影が目に見えてくると、そうは言っていられない。これからは実体経済を映す経済指標を注視、素直に反応して行く必要に迫られた。
その経済指標は、これから悪い結果が出てくる可能性が高い。すでに工業生産が2か月連続で減少、小売り高も11月は前月を下回った。各種の景況感指数も低下している。だとすれば、株式一辺倒の資産運用は危ない。投資先は安全性の高い国債などに分散することを考えよう――投資家の行動に変化が現われ、市場のムードは一変した。
(続きは明日)
≪19日の日経平均 = 下げ -289.48円≫
≪20日の日経平均は? 予想 = 下げ≫