経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

「景気は悪い」が 14か月連続 : 街角調査

2016-10-13 07:44:22 | 日記
◇ 家計部門が悪化 = 内閣府は11日、9月の景気ウォッチャー調査を発表した。それによると、総合判断指数は前月より0.8ポイント低下して44.8となった。この調査は、景気動向を肌身で感じているスーパーの店長やタクシー運転手に「景気はよくなったか、悪くなったか」を聞いている。指数が50なら横這い、50を下回ると「景気は悪い」ということになる。総合判断指数は、これで14か月連続で50を下回った。

聞き取りは、家計・企業・雇用の3部門で実施される。9月の調査では、企業部門が前月比1.0ポイント、雇用部門は0.1ポイントそれぞれ上昇した。しかし家計部門が1.5ポイント低下したため、総合では前月より悪化してしまった。その家計部門では、飲食関連の3.5ポイント低下が特に大きい。住宅、小売り、サービス関連もすべて低下している。

地域別にみると、判断指数が上昇したのは南関東・東京都、中国・四国・沖縄。あとの地域はすべて低下した。ただ南関東のデパートからは「天候の影響もあって、秋冬物の動きが悪い」という報告があったり、九州の生花店からは「地震の影響が薄れて新規開店を祝う注文が多かった」など、地域全体の傾向とは違う回答も。

2‐3か月後の先行きについての調査では、総合指数は1.1ポイント上昇する見込み。しかし、それでも50には届かないから、総合指数の50割れは15か月連続になるだろう。つまり景気ウォッチャー調査からみる限り、景気は1年以上にわたって下降していることになる。一方、政府の公式見解は「景気の緩やかな回復が続いている」だ。どちらが間違っているのかしら。

      ≪12日の日経平均 = 下げ -184.76円≫

      ≪13日の日経平均は? 予想 = 上げ


             

玉石混交の 雇用統計 / アメリカ

2016-10-12 11:13:14 | 日記
◇ 強弱の要素がぴたり伯仲 = アメリカ労働省は先週末、9月の雇用統計を発表した。仮にその内容がアメリカ経済の強さを裏付けるものだったら、FRBの利上げが12月に実施される公算はぐっと大きくなる。逆に弱さを示せば、年内の利上げは消えると考えられていた。だから関係者は目を皿のようにして発表文を読んだが、どうも評価はまとまらない。というのも発表文の内容には、強弱の要素が全く伯仲して並んでいたからである。

最も重視されるのは、農業を除いた雇用者の増加数。9月は前月比で15万6000人の増加だった。8月の増加数は16万7000人だったから、伸びはやや鈍化している。しかし7-9月の平均では19万2000人の増加。順調な雇用増とみなされる20万人にかなり近い。その一方で、失業率は前月より0.1ポイント上昇して5.0%に悪化した。これらの数字からは、強とも弱とも判定できない。

業種別にみると、重要な製造業の雇用者数が2か月連続で減った。失業者数も前月より9万人増えた。これらは明らかに悪い要素である。しかしFRBが重視する27週間以上の長期失業者は3万2000人減った。さらに全雇用者の平均時給は25ドル79セントで、前年比2.6%増加するなど、いい要素も出ている。

こうした結果を見て、株式市場は迷ったあげくダウ平均は小幅に下げている。しかし為替市場ではドルが売られ、円相場は急反発した。ここからみる限り、市場の読みは「年内の利上げなし」にやや傾いているようにも見受けられる。それにしても9月の雇用統計には、強弱の要素がよく並んだものだ。いちばん神経を使っているのは、イエレンFRB議長ではあるが。

      ≪11日の日経平均 = 上げ +164.67円≫

      ≪12日の日経平均は? 予想 = 下げ


             

今週のポイント

2016-10-10 07:53:01 | 日記
◇ 原油が4年ぶり50ドル台 =  ダウ平均株価は先週68ドルの値下がりだった。原油の国際価格が4年ぶりに50ドル台を回復した好材料もあったが、国内の景気指標はまちまち。なかで9月の新車販売台数が8月に続いて前年割れとなったニュースは、株価の足を引っ張った。また週末の雇用統計を見極めたいという投資家が多く、慎重な空気が市場を支配した。

結果としてニューヨーク市場の株価は冴えなかったが、為替相場は原油高にきっちりと反応した。他の国際商品も堅調に推移すると予想されたことから、新興国経済にも明るさが戻る。そうした読みで、ドルが買われ円が売られた。円の対ドル相場は一時103円台まで下落。日経平均は先週410円の値上がりとなったが、その主な原動力は円安にあったと言っていい。

市場は今週、考えるべきことが多い。原油はまだ上昇力を持っているのか。アメリカの9月の雇用統計を、どう評価するのか。その結果、FRBの利上げは年内なのか来年にずれ込むのか。円相場はどちらの方向に進むのか。円高になって株価が下向いたとき、日銀はどのような頻度で買い出動するのか、などなど。ナゾ解きの秋の夜長になりそうである。

今週は11日に、8月の国際収支と9月の景気ウォッチャー調査。12日に、8月の機械受注。13日に、8月の第3次産業活動指数。14日に、9月の企業物価。アメリカでは14日に、9月の小売り売上高、生産者物価、10月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が13日に、9月の貿易統計。14日に、9月の消費者物価と生産者物価を発表する。

      ≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ


           

サタデー自習室 -- 健康寿命の すゝめ ⑥

2016-10-08 07:25:21 | 日記
◇ 不健康期間が短いのは秋田と青森 = 平均寿命から健康寿命を差し引いた年数。この期間中は「自力だけでは日常生活が送れない」「介護などが必要」「慢性疾患に悩まされる」など、健康とは言えない状態にあることを意味している。その呼び名もさまざまだが、このブログでは“不健康期間”と言うことにした。

厚生労働省が発表した13年の統計から、不健康期間を計算してみよう。全国平均は女性が12.14年、男性が8.40年だった。地域別で女性の場合、最も短いのは秋田県で10.50年。次いで茨城県、静岡県が続いている。男性の場合は青森県が最も短く6.99年。山梨県、沖縄県と続く。一方、不健康期間が長いのは女性が京都府で13.54年。次いで大阪府、島根県の順。男性は京都府の10.00年が最長。滋賀県、徳島県と続いた。

こうしてみると、秋田県や青森県は平均寿命が短いことと関係がありそう。また京都府は健康寿命の短いことが、不健康寿命を長くしているように思われる。しかし、その他の地域に関しては何らかの相関性を見出すことは難しい。要するに平均寿命が長く、健康寿命も長いことがいちばん望ましいが、その双方で突出した地域は見当たらない。

国は22年度までに健康寿命の地域的な格差を縮小し、不健康期間を10年度の実績より短縮することを目標に掲げている。この方針のもと、地方自治体は格差を縮小する対策に取り組むことになった。しかし厚労省の調査によると、実際に行動を起こした自治体は12年時点で11都道府県。14年時点でも30自治体に過ぎない。対策は始まったばかりと言うべきか、遅すぎると言うべきか。

                                    (続きは来週サタデー)

      ≪7日の日経平均 = 下げ -39.01円≫

      【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】   


            

ポンド急落で 大助かり : イギリス

2016-10-07 07:12:51 | 日記
◇ EUとの交渉には暗雲が = ポンドが急落している。ロンドン為替市場では4日、1ポンド=1.2735ドルと1985年以来31年ぶりの安値を付けた。イギリスの輸出産業にとっては、まさに干天の慈雨。観光客の訪問も、どっと増えるだろうと期待が高まっている。こうした状況が買い材料になって株価も急回復、FTSE指数は節目の7000を突破して新高値を狙う勢いだ。

ポンド急落の直接の原因は、メイ首相が「来年3月までに、EUに対して離脱通告をする」と明言したこと。イギリス経済はいよいよ困難な季節を迎えるという不安感から、ポンドが売られた。EUと交渉できる期間は離脱の通告から2年間と決められているが、その交渉はイギリスにとって厳しいものになるとみられている。

EU側としては、離脱したイギリスを加盟国と同様に扱うわけにはいかない。したがってヒト・モノ・カネの移動には、なんらかの制限が設けられる。そのうえメイ政権は移民の受け入れを規制する方針で、EUの基本的な政策と相いれない。EUとの交渉が難航することは間違いなく、下手をするとイギリスは“ヨーロッパの孤児”にもなりかねない。

そんなイギリスの将来見通しから、ポンドは急落した。本来なら株価が下がってもおかしくない。ところが当面は、ポンドの下落がイギリス経済を活気づけている。こんな現象がいつまで続くのか。頭を悩ましているのは、ロンドンに拠点を置いている海外の企業。大陸側に引っ越した方がいいのかどうか。まだ様子見のところが多い。

      ≪6日の日経平均 = 上げ +79.86円≫

      ≪7日の日経平均は? 予想 = 下げ


                

Zenback

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