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タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

東京モザイクタイル&建築巡り2022【會津八一記念館&演劇博物館他】

2022-12-09 | 東京タイル&建築巡り2022
次なる目的地は、これまた加藤さんにおすすめして頂いた早稲田大学にある會津八一記念館。
途中、以前にも見に来た梵寿綱のドラード早稲田の前を通りかかったので、タイル部分をクローズアップしつつ写真に収める。
以前ほぼ網羅した梵寿綱の建築巡りはこちら→


そして、會津八一記念館へやってきた。
早稲田大学出身、東洋美術史の研究者であった會津八一が、学生の教育、研究の資料として私財を投じて収集してきたコレクションなどが収蔵されている博物館。

建物は、1925年建築当初は早稲田大学の図書館として使われていたもので、なんと、建築家今井兼次のデビュー作なのだそう。
今井兼次の日本十二聖人記念聖堂&聖フィリッポ教会→
今井兼次の糸車の幻想→


元の?正面玄関にある大扉。
扉を二つ合わせたところに八芒星がかたどられ、その中には、レリーフと透かし彫りの細工がされている。


内部に入ると、あちらこちらに興味深い意匠の数々が目に留まった。
階段下には、階段のラインに沿ってくり抜かれたアーチの透かし細工や、扇状の飾り窓、


階段ホールの柱は裾窄まりの形状。


面格子的なものが



床は、市松模様のテラゾー?


1階のホールには、上部が間接照明?になった不思議なデザインの柱が立つ。




ホールから見える大階段。


階段の踊り場にかかる絵画は、横山大観、下村観山による日本画、「明暗」
直径4.5mトの継ぎ目のない和紙が使われてるのだそう。


2階へ上がると、



天窓から明るい光が差し込んでいた。



階段ホールの腰壁にはこんな透かし模様の細工が並んでる。



こちらの持ち送りの細工も凝ってる。


同じく早稲田大学の構内にある坪内博士記念演劇博物館。
看板によると1928年に坪内逍遥の古希と「シェークスピア全集」の完訳を祝って、イギリスのエリザベス朝の様式で建てられたそう。
外部は実際にシェークスピア劇が上演できるように、建物正面が舞台、二階の廊下は上舞台、建物両翼は桟敷席になっているという。



博物館の入口。


玄関ホールの柱には演劇の博物館らしく、仮面が貼り付いていた。


館内の撮影は一部のみ。
こちらは1階の廊下。


天井装飾が美しい部屋。


明治期に建てられたという早稲田大学に現存する最古の建物、大隈邸馬丁小屋。


重要文化財となっている1926年に建てられた大隈記念講堂。


三連尖塔アーチのあるファサード。
内部は関係者以外立ち入り禁止のようだったので断念。









建築巡りは更につづく・・








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淡河宿・ヌフ松森医院

2022-12-06 | 建築巡り・街歩き【兵庫】

本陣なな福でランチした後、やって来たのは「ヌフ松森医院」
実は、本陣へ行く前に、早く着き過ぎたので、ここでゆっくり見学させてもらってたのだった。食後お茶しに再びやって来た。

明治中期から地域の名医として医療を支えてきたという歴史のある旧松森医院。
こちらには築100年になる母屋の旧医院と昭和33年築の旧医院棟の他、蔵などが450坪の敷地内に残されている。
老朽化した建物を、壊すのではなく、保存すると共に地域活性化の為に活用しようと、現オーナーの方が手を加え、旧医院棟を昭和レトロをテーマにした複合施設として昨年オープンされたという。


こちらの棟は三代目が昭和33年に建てられたという新病院棟。
現在、こちらの建物がリノベーションされ、カフェやおためし住居、コワーキングスペースなどの複合施設となっている。


昭和3年に建てられた、旧病院棟の当時の写真。
後ほど、こちらへも案内して頂くことに。


診察室を改装したカフェスペースは、昭和レトロ感たっぷりで、
窓ガラスなどは、元のまま苦心して残されたという。


右手のガラスも病院時代からのもので、


うっすらとガラスに残る「受付」などの文字。


窓辺にぎっしりと並ぶ雑貨たち。


雑貨が並ぶ台もタイル貼りで、元々使われていたもののようだ。


レトロでポップなガラスコップ、調理器具などが並んでいてワクワク


医療用キャビネットにレトロワンピース。



このレターラック、いいなあ。


元レントゲン室は駄菓子屋さんに。


昔懐かしい駄菓子がぎっしり。


病院時代のカルテの整理棚をディスプレイ棚として再利用したそう。
1階にはパン食堂もあって、土日営業されてるとのこと。


2階では宿泊し、里山体験ができるお試し住居というシステムもあり、



又時間貸しのコワーキングスペースもされている。



そして、現在改装中の母屋。
昭和3年に二代目により旧病院として建築され、新病院棟が建築されてからは
住居として使用されてきたという母屋を見せて頂けることに。


住居として改装されて使用されてきたところも、できる限り元の病院時代の
造りに戻しているという。
病院の診察室だったスペース。



入口の扉付近には、鶴と亀がかたどられた透かし彫りなどの細工も残されていた。





建物内で唯一の洋室、応接室。



織り上げ格天井や洋風の窓などが。


台所にはモザイクタイル貼りのかまども。


こちらもそのまま残したいということで、見事補修されて蘇っていた。



お風呂の天井装飾や、


階段下の物置の扉


階段親柱。


階段を上がると、こんな丸窓も残されていた。


2階には大広間があり、こちらは集会や宴会などに使われていたという。


松や鶴が彫られた欄間もあったが、欄間のはいっていない箇所も。
放置されていた間に泥棒に入られて、盗まれてしまったのだとか。
淡河宿本陣でも、欄間や障子の引手がない箇所があったけど、
そこも盗まれた跡だったんだろうか。




母屋からは渡り廊下も伸びていて、かつては蔵までつながっていたそう。


広い敷地内にある2棟の蔵は改装が済み、宿泊施設などとして使われるそう。


もう一棟ある鉄筋コンクリート2階建ての建物は四代目のご夫妻の為に建てられた元住居。
現在改装中。



クリンカータイルが敷かれた土間には、趣味の水槽が置かれていたそう。


2階の寝室だったらしき部屋。
造り付けの棚やドンゴロスのような素材の壁紙もよく、



半分はこのような木の壁面。


こんな飾り棚のある部屋も。
こちらの1棟は、地域活性化の為に事業を行いつつ住まわれる方を募集中だそう。

ベランダから見た母屋。

敷地内の建物はまだまだこれから整備されていかれるそうで、クラファンも視野に入れられてるとのこと。
今後の母屋棟のリノベーションも楽しみ。


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淡河宿・本陣なな福

2022-12-05 | 建築巡り・街歩き【兵庫】

久々の友人たちと遠出で、車を出してくれるというので、
前から行きたかったけどちょっと電車で行き辛い、淡河宿(おうごじゅく)をリクエスト。


江戸時代には宿場町として賑わい、有馬温泉へ向かう参勤交代でも、最後の宿泊所として利用されていたという本陣跡。
60年以上空き家だったというその本陣跡が、地元有志の間でリノベーションされ、食事処やイベント施設などになっている。
そこにはなんとマジョリカタイルも潜んでいるのだ。
マジョリカタイル&食事お目当てでやってきた。



座敷の上がり口には、こんな繊細な組子細工や鶴と松の透かし彫りなどが入ったコーナーが。


二間続きのお座敷が広がる。


塗りの欄間が格調高げ。
縦格子の周りには半菊文様の透かし彫り。


書院欄間には蝙蝠のような不思議な形。


所々、竹の節?らしきものが散りばめられていて、
それが遠目で見ると、良い味わい。


襖には陶器製の引手が付いていた。


同じく陶器製で、また違ったデザイン。



食事は土間の方にもテーブル席があり、


予約していた私たちは、こたつのあるお部屋へ。
部屋毎にこたつが一つづつあって、ゆったりと貸切状態。


一番奥の部屋には床の間があり、書院欄間には組子細工が美しい。


寄って見ると、とても繊細。松皮菱文様?


私たちはこの床の間のあるこたつの部屋を貸切。
この日はそこそこ寒かったので、こたつが暖かくほっこり。


ランチは数種類あって、釜飯を注文。
いくつかおかずがついていて、炊き立てのごはんと一緒に、最後はだし茶漬けにして頂いた。


蔵と母屋に囲まれた中庭。


先ほど、私たちが食事した棟の縁側。


なまこ塀の衣装蔵の中はリサイクルショップに。



片隅にあった戎神社は町内から移築されたものだそう。
屋根だけでなく全体が茅に覆われているのが珍しく、お尋ねすると、
移築時に、淡河に移住されてる茅葺職人集団により、ヨーロッパの茅葺建築を意識して造られたものだとか。



お店の方にマジョリカタイルを案内して頂く。
こちらの棟がお風呂と御手洗い、茶室のある棟。



茶室を通り、


茶室の先は、舟底天井の廊下が続く。


そして元お風呂場へ案内されると、そこにはマジョリカタイルが顔を覗かせていた。
床全面に貼られてそうだけど、倉庫として使われてるそうで、
イベントで使われるという木の椅子がぎっしり置かれてて残念ながら全貌が見えず。


2パターンあるタイルは、ひとつはグリーンのレリーフタイル。
織部釉の濃淡が美しい。



細かいラインのチューブライニングタイル。
わーこれは、塗り分け大変そう。でも素敵なデザイン。
これらのタイルが床面に全面?貼られてるなんて、なんと贅沢なのか・・
タイルパラダイスを満喫!


なな福で食事した後は、近くの老舗の和菓子屋、満月堂へやって来た。



こちらでは、創業の明治15年から名物の豊助まんじゅうをゲット。

続く・・

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東京モザイクタイル&建築巡り2022【モザイクタイルの三宅坂ビル&鳩山会館】

2022-12-04 | 東京タイル&建築巡り2022

赤坂プリンスクラシックハウスの後、やってきたのは、加藤さんイチオシの
三宅坂ビル。
このビルは、全体がモザイクタイルで覆われてるというモザイクタイルビル。すごい~


加藤さんの記事によると、国産一眼レフカメラの旭光学のビル、「ペンタックスビル」として建てられたもので、



デザインは、画家、寺田竹雄により、一眼レフカメラをパーツに解体して、絵画的に再構成されたものだそう。


近くに寄ってみると、
ほんとに細かいモザイクタイルの一粒一粒が迫ってくる。
遠目で見るとよくわからないが、近づくとタイル感が増し、



同じ色の中にも濃淡があったりと、楽しい。
サインも入ってた。
別の角度からの屋上の目玉を見るのを失念してしまった…


そして地下鉄を乗り継ぎ、やってきたのは鳩山会館。
大正13年に岡田信一郎設計により建てられた鳩山家の洋館が、一般公開されている。
小川三知のステンドグラス三昧を楽しみに訪れた。


玄関の階段ホールには鳩が並んだステンドグラスが迎えてくれる。


色とりどりの鳩とコリント式柱、青い空が爽やかで、鳩山邸のステンドグラスの中でも好き。


ホールには、照明のシルエットが天井や壁に反射して、とてもきれい。


第一応接室。



第一応接室は、エンブレムのようなデザインのステンドグラスが、大理石のマントルピースを挟んで両脇に入っている。
よく見ると、三羽の鳩が縦に並んでる〜


第二応接は、サンルームとの境に花や鳥がモチーフのステンドグラスが入る。


色合いも明るく華やか。


小鳥が花の中にひそんでるデザインも可愛い。

 
照明も部屋毎に違っていて、
それぞれの部屋の雰囲気にマッチしてる。


お隣の食堂にも第二応接室と同じ形式でステンドグラスが入っていて、


こちらはライチの実がデザインされてる。



食堂の照明は、蝋燭を模したようなデザイン。


明るく居心地良さそうなサンルーム。


サンルームの床は、モザイクタイル貼りだった。


庭に出ると、ちょうどバラが見頃。
バラ越しの鳩山会館。


そして2階へ。


階段の踊り場には、大きなアーチ窓に、法隆寺の五重塔が描かれたステンドグラスが存在感を放ってた。


木々の色合いも深みがある。


2階には館内で唯一の和室がある。


書斎にはキジがデザインされたステンドグラス。



一見白っぽい部分のガラスが、実は様々な色が混じり合っていて、
西日を受けると、更に美しく輝くのだとか。
確かによく見るとオパールのような色合い。


大広間は建物公開に先立ち、三つの寝室を大広間に改造したのだそう。
さまざまな会合に用いられているという。


テラスに出ると、ブロンズの鹿の首像、



両サイドのコーナー部分には鳩があしらわれている。

ステンドグラス三昧の館を堪能できた。

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