最近テレビで夏山を扱った番組を観ました。 先週で終わりましたが「山女日
記」(全7回)では、唐松岳、白馬などを舞台に、いろんな人生ドラマが繰り広げ
られる 原作「湊かなえ」のドラマでしたが、それぞれ想い出の場所などが映され
ていましたし、稜線の俯瞰映像などは、そこに引き込まれるような感じになり、
最終回では、上高地から涸沢カールへの行程で何度か来た景色が出てきたりして
懐かしい雄大な景色が広がり、しばしタイムスリップしてしまいました。
また別の、夏山の楽しさ紹介の番組では、奥秩父の瑞牆山(みずがきやま2230m)
が紹介されて、大きな岩がごつごつとした山で、行ったことはありませんがいか
にも楽しい雰囲気でした。
もう一つ、福島県の磐梯山では、五色沼などの紹介とともに、ウエットスーツ
に身をまとった沢登りは、テレビ映像からでも年齢を忘れる楽しさを感じさせて
くれましたね。
もう履くことはないだろう登山靴
そんな刺激を受けて、過去の山々の想い出が湧いてきたのでした。 学生時代
に、伯耆大山、磐梯山あたりをポラポラ歩きした程度の経験しかありませんでし
たが、会社勤めを始めた年から、同期入社の中に山岳部出身者がいて、彼の指導
で10人ばかりの山グループができ、立山、剣、槍、穂高、尾瀬など入門者にワク
ワクする山々を体験させてもらいました。 はじめの頃は、山小屋に米を持参し
ていったものでした。
40代の中ほどから、北陸勤務時代には、職場の山好きの皆さんに支えられて毎
年山行きが計画され、私が転勤した後も昨年まで30年以上続く山グループがあり
ます。36回目の今年はコロナの影響でやむなく中止となりましたが、これまで白山
を皮切りに、(順不同で)薬師、槍、立山・剣、唐松、白馬、奥穂、白馬槍温泉
などの北アルプスのほか、大雪山、仙丈ケ岳、茶臼岳、谷川岳、大山、御嶽、月
山、八ヶ岳、など様々に楽しませていただきました。 土砂降り雨中の登り、山
小屋での足止めなど大自然の厳しさと人間の無力さなども経験することができま
した。また、山頂小屋で実施した、スイカ割、自作凧揚げ、打ち上げ花火、しゃ
ぼんだまなどのイベントはあまり成功しなかったことなど、それぞれの山での想
い出が廻ってくるのでした。
古いたくさんの写真の中から、いくつかをピックアップしました。
ちょうど常念岳山頂(1989年)で、「山渓」の写真取材に会い、他のグループ
も一緒に撮影したのが、「夏山JOY」(山渓1990年記念号)に掲載され、さらに翌
年には、わがグループの長老T氏の取材記事「山行きは人生のアナロジー」(岳
人、1991年3月)の一部に掲載されました。
常念岳頂上(「夏山JOY」に掲載) 立山連峰(「岳人」に掲載)
(この辺りがグループ)
そのほか、自分たちのスナップから・・
槍のとりつき(1988年)
八ヶ岳頂上(赤岳山頂小屋) 行者小屋 (共に1991年)
この北陸時代から現在も続く山グループを「三究会」と名付けています。三つ
を究めるという意味ですが、自然を究め、お湯を究め、味を究めるということで、
この3つを究め、以て人生を究める・・な~んて意気込んでいました。
ちょうど10回目の記念に再び白山を目指しましたが、この時は山小屋ではなく
テント泊りの行程でした。また、2000年(17回)には、モンブラン、ユングフラ
ウなどヨーロッパアルプスのさわりも体験しました。
山のグループも、30年近くを過ぎると、年齢がそれだけ増えるわけで、以前の
様には山小屋泊りなどは無理となりましたが、「三究会」の理念通りに温泉旅行
などに切り替わり、山はトレッキング程度もしくは、車で行けるところ・・など
安直行程となりました。それでも年に一度仲間との出会いを楽しむ会としていつ
までも心に刻まれているのです。
「山の日」にちなんだテレビ番組の影響で、昔を想い出し、ひととき暑さを忘
れさせてくれました。
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