暑かったり、肌寒かったり・・このところ雨模様の日が続いています。
BS1の録画していた映画を観ました。
原題「Big Fish」は、2003年制作のアメリカ映画で、ファンタジー、冒険、
アドべンチャードラマです。Big fishというのは、「誰も知らないホラ話」という
意味合いだそうですが、原作は、アメリカのダニエル・ウオレス(1959~)のベス
トセラー『ビッグフィッシュ -父と息子のものがたり』で、これを独特のファン
タジー映像を取り入れた父と子のものがたりとして描かれていました。
(filmarksより)
事件物や、サスペンスではなく父と子のよくある話を、自分の生きてきた人生を
誰しもがそのように思いたい、誇張して他人にもわかり易く楽しませる内容に仕立て
て語る・・そんな父に子供の頃には興味を持つが、次第に成長するにしたがって、
そんな話に嫌気を覚えるのですが、そのうち、それが父の一途な生き方であった
のではないかと思えてくるのです。
父は、現在病の床に伏していて、その死期にも気づいていますが、その父の枕
もとで、それまで聞かされてきた物語が、一つひとつ語られるのです。 そして、
その物語が展開するうちに息子に見守られながら息を引き取るのです。
父の葬式には、大勢の、そして物語に出てきた人々にも囲まれて見送られている
シーンで終わります。
人は、とくに若い頃、いろいろな好奇心に満ち、いたずら好きで怖いもの見たさ
も手伝いながら、恐ろしいことにも勇敢に立ち向かい、そして戦い、決して悪の
道には踏み込まず、素晴らしい女性にも出会い、時には、花園に囲まれた英雄の
ように多くの人々にも知られている・・そんな自分の夢見る人生を描き切った思い
が描かれているのだと感じました。
落雷で焼失した住宅セット(アラバマ州)
(映画.COMより)
一つひとつのものがたりは、誇張された嘘に飾られてはいますが、それは自分が
歩み直面した事実を、自らの憧れで思い描く形で表現されているのかもしれません
ね。
物語の部分の映像は、とんでもないつじつまの合わない(と思える)シーンや
まるで夢の中にいるような情景が矢継ぎ早に通り過ぎるのです。そんなバカげた
シーンの数々が流れていますが、それらは、あるいは深層で思い描いている夢を
誇張して具現化(映像化)されているのかもしれないと思え、見終わった後には
何となくほんのりとしたメルヘンチックな感覚に誘われているように思いました。
それなりにほのぼのとした映画でした。
劇場公開翌年の2004年に第76回アカデミー賞作曲賞にノミネートされ、第61回
ゴールデングローブ賞最優秀作品賞他にもノミネートされていました。 また、
ミュージカルとして、2013年にシカゴで初演され、2017年以降に再々日本公演が
されていたようです。
さらに、今年(2024年)5月30日~6月16日には、宝塚歌劇星組公演が東急シア
ターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)で予定されていました。
宝塚歌劇星組ミュージカル
(東急シアターオーブより)
【コロンビア・ピクチャーズ100周年!】映画『ビッグ・フィッシュ』2003年公開 父と息子の絆を描く。ティム・バートンが贈る心あたたまるファンタジー! #TBT