さて夜はどこに行くか。酒と料理の旨いところなのは当然だが、それをどう選ぶかだ。
ガイドブックはまあまあ参考になるが、店が有名すぎたりする。そういうところじゃ
なくて、ちとこじんまりしていて客の扱いが行き届くようなところがいいのだがなぁ。
ネットでもランキングまで出ていたりしますが、結構当たり外れが大きいのぢゃ。
そこで今回は、空港から街までのバスのなかに置いてあった「無料街案内」の
パンフレットを参考にしました。ここの地元だけで出回っているものだし、それの後ろ
のほうにはスナックなどの案内が沢山あって、笑えるような女性たちが笑っている
写真が並んでいるのもご愛嬌ではないか。そのパンフに控え目に、しかししっかりと
いい料理出すよ、と出ている店に行くことに決める。
とある建物の2階にその店はありました。主人、奥さん、息子さんの3人でやって
おり、テーブルが3つぐらいでカウンターが4~5席だったか。こちらひとりなので
当然カウンターの隅に陣取る。
勧めてくれたのは、こちらの郷土料理をひと通り楽しめるコース。ただ、「私はこの
ホルモンが少し苦手でして…」と言うと、それは刺身の盛り合わせにしてくれるとか。
ううむ、なかなか親切。これだから家族経営の小さなところがいいんだよ(^益^)b
まだスタートしたばかりなのに、辛子蓮根が出てきてしまったので、早速日本酒に
突入する。九州は焼酎が有名ですが、私は他のどんな酒も飲みますが、唯一焼酎
だけはあまり好きでないのですぅ~~w
最初に出てきた「水前寺海苔」もよかったが、この「一文字ぐるぐる」も地元の料理で
なかなかよい。「一文字」と呼ばれる小葱をさっと茹でて氷水に通し、茎の部分を
葉でぐるぐると巻いて酢味噌をのせたもの。実にシンプルな料理ですが、旦那曰く、
「これがしっかり出来ていることが大事」だそうです。
歯ざわりといい、葱と酢味噌の組み合わせといい、色合いの美感といい、日本酒との
相性といい、和食を楽しめるのは本当に幸せです。
話をしているうちに、ここの親父さん、だいぶ立派な板前としての経歴があるとかw
馬のホルモンに変えて出してくれた刺身の盛り合わせ。手前が真珠貝、その上が
鯛、一番上が鯖、これが東京のように酢で〆ることなく生で出してます。これを胡麻
ダレで戴くのです。左は蛸ですね。熊本の街は内陸にありますが、海産物が豊富に
とれる天草から直送されるらしく、刺身のレベルはとても高い。
熊本といえば「馬刺し」ですよね。福岡と会津若松を旅行したときも堪能しましたが、
こちらでも当然これを食べないと^^ このあたりで酒は3杯目くらいになっているw
金目鯛の煮つけとゴボウが出てきた。これはコースになかったと思うのでサービス?
身が良くしまっていて、味付けも絶妙でした。いい仕事してますよー。
いつの間にかカウンターのとなりに店の旦那の友人が来て話をしている。こちらも
プロの料理人で、いまは引退して何かのときに「助」=「助っ人」で出るだけだとか。
料理の話に花が咲く。一杯飲んで話をしたら帰って行ったが、渡された名刺には
「日本調理技能士会 相談役」と書いてあった。あとで聞いたら大物だったようですw
馬肉を炙ったものが出てきました。どうしてこう酒が進む料理が続くかなーw
うしろで黙って仕事をしている息子さん、東京の超有名どころで修行して帰り、
親父の店を手伝っているとか。旦那曰く、「良い感性をしている」そうです。普通
こういう職人はなかなか息子を褒めないものでしょうが、よほどの孝行息子=親父の
期待に十分に応えられる跡取りなのでしょう。
この揚げ物も、コースにはないサービス品だったようです。
これも食べてくれ、と酒に合うつまみ出すしー。もう何杯飲んだかわからんw
これも大そう旨かったが、もう酔っ払いが勢いだけで食べたとゆーか。。。
もうダメ、飲み過ぎ、と思って終わりかかったところで、おかみさんが「これもサービス
だから是非飲んで!」とお勧めの焼酎を2杯出してくれる。結局夕方早くの開店時
から、閉店になる時間まで飲み続けた。会計をした記憶がないのだが、旦那が外まで
出てきて送ってくれたのは覚えているので、無銭飲食はしてないだろう。
初日の夜から、熊本は人情があついなー、料理がうまいなー、という感動でした。
*この日はホテルに帰るのが遅くなりすぎ、大浴場は使えずw(゜゜)w