さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

東日本大震災・原子力災害伝承館

2022年07月08日 | 東北シリーズ


双葉駅前にはマイクロバスが止まっており、それは伝承館と駅のピストン輸送をして
おり、数分後に出発するというので乗り込んだ。そりゃあ~ほとんど住民もいないし
最近できた伝承館は歩くと遠いので、そこに行くんだろうと思いました。
バスが出発すると、駅前のエリアでも更地が多い。内陸のここらまで津波は来なかった
と思うが。。。


震災後にこういう更地が増えたのか?


こういう商業ビルなんかもずっと閉鎖のままです。


ぽつりぽつりと廃屋。


見事に人がいないゴースト村。そりゃあ爆発した原発の隣だからなあ~。


道路なんかのインフラだけは工事が進んでいるようです。人が住まないけどなあ。


「除染」って、人の住むエリアの土をひっぺがして黒い袋に入れて、近所に山積みに
しているのは見ましたが、こういう草ボウボウのところはどうなっているんだろう?


瓦屋根がボロボロで、10年以上無人だとああなるわけか。


伝承館が近づいてきました。道路はピカピカ^^; すごいぞ日本の土木建設業!


津波でざぱっと更地になった広い広いエリアの真ん中に、ドーンと巨大な施設登場。
これが「東日本大震災・原子力災害伝承館」です。

入り口で「語り部講話がまもなく始まります。ご希望ならすぐに行ってください」と
言われる。時計を見ると2分前!すぐに入館料を払って荷物をロッカーに入れると
親切にも係員さんが講話のある部屋に案内してくれました。

お話がちょうど始まったところに着席。語り部は女手一つでふたりのお子さんを
育てているときに被災した女性でした。さすがに話はリアル感がすごい。ケア施設で
働いているときに地震と原発事故が起こり、老人たちを見捨てて避難するべきかの
葛藤、放射能が降り注いでいることの情報がなく、原発関係者やマスコミ関係者らが
バスに乗って次々に避難していくのを見つめるだけしかなかった怒り、避難先で
自分の子供が「福島から来た」といじめられた悲しみなど、聞いていて苦しくなる
ような内容でした。


このように施設はきれいでものすごく立派です。


設備にいくらお金をかけても、語り部の話のほうがずっと貴重に思えました。


事故直後には原発廃止が世論の90何パーセントになったのですが、もういまや
「フル稼働」になりましたねー。たしかに石炭を燃やして二酸化炭素をまき散らす
のは温暖化を進めるし、ロシアが起こした戦争で天然ガスは止まるしねえ。
ただ商業地でドア全開のところで最強の冷房の冷気が外に解放されていたり、夜には
街中にネオンが煌々とついているのを見ると、他にやるべきこともあるんじゃないかと
思ったりもします。

ズラリと被災したときの写真が展示されており、がれきの山の横で茫然と立ちすくむ
少女の姿など、涙なくしては見られないものでした。。。