今日「政策通」と言われる与謝野薫さんの新党が立ち上がりましたが、無関心という予想通りの反応がマスコミなどでは流れています。政権与党の民主党の支持率が急降下した(というより風が吹く前の政党支持率に戻った)状況の中で、野党第1党である自民党の評価も横這いで、参院選に向け今や40%と言われている浮動票の受け皿として、政界再編までの期限付き新党が作られるという構図が見えてしまっています。新党の目的が「民主党の過半数獲得の阻止」では何をや語らんという反応は仕方ないところでしょう。そしてこのデフレ不況下で(自主)憲法改正と消費税増税を掲げるのですから、一般の国民感覚からのズレは大きいものを感じます。
一方では最近「デフレ経済からの脱却」(リフレとも言います)を訴える本が良く読まれているようです。テレビや自己啓発ベストセラーでも有名な経済評論家の勝間和代さんや、社会・経済など分野を問わず詳しいコメンテーターとして八面六臂の活躍をされている宮崎哲弥さん(この2人には最近共著もあります)など、大きな影響力を持つ方達も積極的に声を上げ始めました。また実証・解析的なスタンスで最新の経済理論を研究する、飯田泰之さんのような若い経済学者の真摯な責任感からのバックアップも見られます。
これらの本を読むと、現在袋小路に嵌って身動きできない状況にある日本が、経済的にはもちろん社会的な問題も含めて再び蘇る可能性を強く感じます。全ての原因がデフレ経済を20年近くも放置していることにあると理解できます。勝間さんの言葉を借りれば「ボーリングの一番ピン」がデフレ経済からの脱却ということです。
翻って現在の政局を見ていても、デフレ経済からの脱却を真剣に「一番ピン」に掲げたところは既成・新党ともにありません。何という政治における危機感の無さかと嘆いても始まらないのですが‥‥少なくとも僕は他の政策がどうこうより、先ずその「一番ピン」を掲げる政党に清き1票を投じます。
「郵政民営化YesかNoか」そして「先ずは政権交代」というスローガン選挙に、マスコミも国民もまた政治家自身も踊らされてきました。今の日本に本当に大事な「一番ピン」は何かということを自分で考え、「デフレ経済からの脱却」を具体的な争点に掲げ多くの政治家が結集して欲しいと思います。
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