ついに11年間思い出を共にした’99ZRX1100とのお別れの日がやってきました。ZRX1100は、99年にNinja900から乗り換え、この11年間でものすごく多くの思い出を共にした大事なバイクです。しかし、古さから消耗部品等の心配もあり、危険を伴う二輪車であり、やはり安心して乗ることができなければなりません。8年、せいぜい10年と思っていましたが、愛着の深さからなかなか買い替えられずにいました。
いよいよお別れの時がきました。とても、さっさとバイク屋さんに持って行って新しいバイクに乗って帰ってくる気にはなれませんでした。
家のバイク置き場で、僕はたった一人でお別れ式をしました。紙に「11年間たくさんの思い出をありがとう」と感謝の言葉を書き、それを洗濯ばさみでZRX1100に付けて記念 写真を撮りまくりました。それが、僕のZRX1100とのお別れ式なのです。
バイク屋に向かう時の最後の高速走行も、いつもよりペースを落として走りました。1100とふれ合う時間かせぎだったのかもしれません。もちろん、 最新型のZRX1200ダエグへの期待、わくわく感もすごく感じていました。複雑な心境、妙な寂しさ。そのせいか、僕は、子どもの頃の「みんなのうた」で強く印象に残っている歌「ドナドナ」を思い出しました。売られていく牛を市場に連れていく歌だったと思います。
豊田のカワサキのショップ「トーカイオート」に着いて手続きをしていると、僕の1100の近くに新しいダエグが運ばれてきました。新旧ZRXが並びましたが、同じイメージでのモデルチェンジのため、1100にあまり古さは感じられませんでした。色も同じカワサキのイメージ・カラーの緑ですが、1200ダエグの緑はメタリックの入ったキャンディ・グリーンで、ちょっと高級感がありました。まだ注文しておいたリア・キャリアとトップケースは取り付け台座が届いて いないということでノーマルの状態のままでしたが、BEETのチタンの集合マフラーのチタン・ブルーがすごく目立っていました。
手続きを終え、説明を受けて、いよいよ1200ダエグで帰ります。またがった感じはほとんど同じでしたが、シートの肉厚のせいか多少足つきが悪くなったような感じがしました。両足がべったり着いたのが、1200ダエグでは少しかかとが浮きます。その程度ですから、まったく不安はありませんでした。
そして、いよいよ初ツーリングです。初ツーリングと言っても、土曜の夕方のチョイ乗りツーリングです。これは、妻と2台で走りました。行き先は、家から40㎞ほどの距離の新城市作手(旧作手村)にしました。作手に向かうR301は、コーナーの続くワインディングあり、北海道を彷彿させるのどかな直線路ありの、初乗りには適したコースだと思ったからです。
まず、何よりもチタンマフラーから発する音がいい。車検対応の合法マフラーですから、音の大きさはノーマルとほぼ同じですが、音質がずいぶん違います。ヒューンというノーマルの音に対し、僕のはブォーンと低音が響きます。10㎏以上軽く、しかも吹き上がりとパワー感 もよくなっているはずですが、ノ-マルマフラーで走っていないのでよく分かりません。
走っていてもっとも違和感を感じたのは、5速ミッションから6速になったことです。のんびりツーリング派の僕にとっては、5速でも全然不満はなかったので、シフト・チェンジの頻度が増えたことに多少のとまどいはありました。しかし、コーナーでちょうどいいギアを使えるので、6速ミッションもいいかもと思いました。ただ、6速で流していると、知らず知らずのうちにスピードが上がっているのです。メーターを見てびっくりして速度を落とすこともしばしばありました。今まで以上にスピードに気を付けて走らないと、免許が無くなってしまいます。
一番すごいと感じたのが、コーナリングの時のバイクの動きの確かさです。今までの1100もすごく素直なハンドリングで、曲がりたい方向へすうっと曲がってくれる優れ物でしたが、さらにその性能が上がっているのです。とてもリッターバイクとは思えないくらい、つまり重量級のバイクとは思えないくらいひらりひらりとコーナリングできるのです。おそらく、大型バイクの経験のない人が運転しても、安心してライディングできる優しさのあるバイクだと思います。
帰ってきてオドメーターを見ると、まだわずか103㎞。この新しい愛車で、またいっぱいい っぱい思い出を作っていきます。
ちなみに、新城市作手の道の駅の「ベーコン串」は超お薦めです。ジャンボ・フランクばかりに人気が集中していますが、僕は「ベーコン串」こそナンバー・ワンだと思っています。