8/22~9/1の北海道ツーリングのレポートの4回目です。
いつも読んでくださり、ありがとうございます。
前回は、サクラマスが跳ぶ「さくらの滝」を見て、知床ウトロへ行き、知床半島から根室へと走りました。今回は、納沙布岬から北太平洋シーサイドライン(霧多布・厚岸)を走って釧路市郊外の温泉へ、さらに襟裳岬からアポイ山麓のキャンプ場へとバイクを進めます。
北海道ツーリング Vol.4 ~知床、納沙布、霧多布、釧路、襟裳岬~
<8月28日>
天気予報では北海道を除いて全国的に雨。根室も釧路も夕方から雨の予報。もちろんキャンプは無理。今回のツーリングで雨男、雨女を返上した僕たちは雨が降る前に宿に着く作戦を考えてみた。うまくいくかどうか。
根室のホテルを出て、まずは納沙布岬だ。北側ルートは右側に牧場、左側は曇り空で白っぽくなった海を眺めながら走る快走路。牧場の主役が牛から馬にかわると岬が近くなったことが分かる。
本土最東端に到着すると、「納沙布岬」と書かれた古い柱状の碑の近くにバイクを停めた。岬周辺は新しくきれいに整備されているが、僕はその古い碑が好きなのだ。30年前に初めて来た時と同じ碑、やっぱりこれの近くにバイクを停めなきゃ最東端に来た気がしないね。曇り空で景色はよく見えなかったけど。
本土最東端の碑を見たら、次は本土最東端の駅を見に行くことにした。JR東根室駅だ。
納沙布岬から根室へ戻るのに、今度は南側ルートを走った。根室半島の南側は、いくつかの集落が点在する趣のある道だ。
根室市街に入った辺りの所にJR東根室駅があった。初めて訪れる場所というのは本当にわくわくする。最東端の駅JR東根室駅はは無人駅で、2、3時間に一本しか列車が停まらないひっそりとした駅だった。
ここに来る途中、首の右側にチクッとした痛みを感じた。チクッどころかかなりイッタイ!。何か虫に刺されたような痛みだったのてタンクバッグからムヒを取り出して塗ってみたが、どうやらアブ・ハチ系の虫刺されっぼくてすごくイッテェ~。
インカムで妻に伝えて、落石へ向かう途中で痛い所を見てもらうと・・・「赤く腫れて真ん中に針で刺したような穴があいてる」。
ヤバイかも。とりあえすまたムヒを塗って、落石の集落で薬局を探すことにした。道道142は森の中を走る素敵な道だ。いい感じ~と思いながら走ったが、右首の痛みがどうにも気になる。
落石に着いて集落をのろのろと薬局を探しながら走った。でも、薬局なんて見当たらない。その先の落石港にバイクを停めてムヒを塗っていると、心配した妻が近くの作業員の方に薬局の場所を聞いてくれた。作業員の方に事務所に来るように言われ、事務所に入ると、女性事務員の方が救急箱を持ってきてくれた。なんてありがたいこと。結局、アブ・ハチ系の虫刺されの薬はなかったが、本当に感謝感謝です。株式会社「兼由」の従業員の方、お世話をおかけしました。ありがとうございました。
再び道道142通称北太平洋シーサイドラインを西に向けて走った。海岸段丘の上に上がると、それはそれは超絶景。ずっとずっと超絶景だ。美しい海岸線と、ふわふわした草原をずうーっと見続けながら走るのが道道142なのだ。
次の目的地、霧多布岬に到着した。曇りなのに霧がない。霧のない霧多布岬を見るのは初めてだった。草原から眺める岬はとても美しく、いつまでも眺めていたいほどだった。そして、足元にはかわいらしい花がいっぱい咲いていて、雰囲気よすぎ~。
時間はお昼を回っていた。ここでも、いざというときのセイコーマートだ。
浜中市街のセイコーマートで昨日と同じようにサンドイッチを買って店先で食べた。ツーリングだからこそできることかもしれない。
うまい具合に、セイコーマートの隣が薬局だったので、化膿止め系の塗り薬を買うことができた。薬ってすごいね、痛みがずいぶんやわらいだような気がしてきた。そして、浜中町と言えばルパンⅢ世の街。作者の故モンキーパンチ氏の出身地ということで、どこの店にもルパン・グッズが売られていた。薬局でも、ルパン・コーナーがあり、ついついルパンのステッカーと、不二子とルパンのキーホルダーを買ってしまった。なんだかとても高い薬代になった。
塗り薬で痛みがやわらいだ僕は、さらにバイクを西へと進めた。
浜中町霧多布の市街地から再び海岸段丘の上へと坂道を登るとすぐに琵琶瀬展望台がある。ここも外せない場所の一つだ。展望台から北側を眺めるとは霧多布湿原が一望でき、一面に広がる湿原の美しさに感動する。
その後も、展望台じゃなくてもずっとずっと森と海と草原と湿原を交互に見ながら走る絶景続きの道が延々と続いているのです。道道142、すごすぎ。
午後2時、あやめヶ原でカッパを着た。たま~にシールドに小さな雨粒が付くようになった。カッパが必要な振り方ではなかったが、夕方から雨というのは分かっていたので早めに着るのが得策ということだ。
厚岸からR444に合流する。再び道道142北太平洋シーサイドラインと枝分かれするが、この後の天気を考え、そのまま国道を走って釧路へと向かった。雨雲が立ちこめてきたので、海岸線を走ってもたぶん絶景は期待できないだろう。それよりも本降りになり前に宿に着くことが最優先だ。市街地の雨なんて最悪だからね。
幸い、釧路市街に入っても雨はほとんど降ってこなかった。
キャンプを諦めた時点で予約したのは釧路の奥座敷、山花温泉。釧路市街をバイパスでワープすると、北側に釧路湿原が広がっているのが分かる。
こうして、ちょうど4時に宿に着いた。駐車場にバイクを停めて荷物をおろしていると・・・ザーっと雨が降り出してきた。
セーーーフ
こういう日は早めに宿に入り、あったか~い温泉に浸かり、おいしい晩ごはんを食べる。これが一番です。
い~い気持ち
○本日の走行 230km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数 9回
<8月29日>
この日の釧路は朝のうち雨、のち晴れ。目的地の襟裳町は曇り時々雨。そこで、雨が上がるのをしばらく待っていると、9時ころにはほとんど濡れないくらいの霧雨状態になってきた。そのタイミングでチェックアウトし、パッキングをすませるとすっかり雨は上がった。僕たち、完全に雨男、雨女返上となったようだ。
山花温泉から釧路空港横の道路を走り、大楽毛からR38に入った。この地名は僕たち夫婦のお気に入りの地名だ。なんだか楽しそうでしょ、「オタノシケ」。
道の駅「しらぬか恋問」でトイレ休憩。日が射してきてなんだか暑くなってきた。僕は「白い恋人ソフトクリーム」なんかを食べちゃったりして。で、この時の気温は20℃。20℃で暑いと言ってソフトクリームを食べてる僕。猛暑日の豊田に帰ったら即熱中症だよ。ちゃんと適応できるかなあ。
R38を西に向かうと、次の町は釧路市音別町。かつておじ、おば、妻のいとこが住んでいた町だ。彼らはもうみんな天国にいってしまっているが、音別にはバイクつながりの知り合いの人がいる。10年近く前のこと。たまたま自販機で缶コーヒーを飲んでいた時に声をかけてくれたプロパン屋のSさんだ。ちょっと寄ってみると2匹の犬、リンゴとイチゴが、しっぽをふりふりお出迎え。30分ほどお邪魔させていただいた。
音別からさらに西に向かうと、R38は林、牧場、畑、林、牧場、畑・・・ただただその連続で信号なんて一つもない。まさに北海道の雄大な景色が眺められる道で、ずっとずっと快走快走また快走で、浦幌までハイペースのままノンストップ。妻といっしょなので浦幌のおっぱい神社を通過して、さらに西へと走った。
途中、広尾町方面R336に入ると、さらに60kmくらい家一軒ない一本道になった。さすがに腹は減るわトイレに行きたいわ、それでもただ走り続けるしかない道だ。時速60kmで走れば間違いなく1時間後には60km先にいる。それが北海道だ。
1時間もトイレを我慢してようやく豊似防災ステーションを見つけた時のうれしかったこと。誰でも自由に使えるトイレがあり、ホントほっとした。妻はもう「林の中に入ってしちゃおうかと思った」なんて言ってたほど限界だったようだった。とにかくよかったよかった。それにしてもすごい道だよ、R336は。見渡す限り森、見渡す限り牧草地と牧場、見渡す限り広大なスケールのとうもろこし畑、そんな景色が60kmも続くのだから。
広尾町で燃料補給。道の駅も無さそうなので、今日のお昼もコンビニのパン。ただし、今日はセイコーマートではなくセブンイレブン。それにしても、まったく食にこだわらない二人。北海道に来たら北海道らしいものを食べなくちゃ、と普通は思うわな。
お昼のパンを買うついでに、今晩と明日の朝の食料の調達もした。北海道最後の夜はキャンプと決めていたからだ。
買い物を終えて外に出て店先でパンをかじっていると雨がパラつき始めまた。この先の襟裳町の天気をチェックすると降水確率40パーセント。キャンプ、大丈夫かなあ。
このまま走れば襟裳岬に3時頃、そうすると、キャンプをするとしたらその先のアポイ山麓か。そうだ、バンガローにしよう。バンガローなら雨が降っても大丈夫じゃん。
電話をしたら空いているとのことだったので、即予約した。妻は、「バンガロー、初めての経験」なんて言って大喜びしてる。
カッパを着て、襟裳に向かった。雨はすぐに上がったが、空はどんよりと曇っていたのでカッパを着たまま走った。
間もなく黄金道路に入った。この日の太平洋は波が高く、白い波しぶきが道路にも打ち寄せている所もあった。所々新しいトンネルができ、かつてのような風情は減ってしまったが、やっぱり楽しい道だ。海岸に添ってここも快走快走。
襟裳岬に着いてびっくりしたのは、「風が無い~」。
岬には資料館「風の館」があるように、いつも強い風が吹いているイメージがあった。波は荒いのに風が吹いてない。暖かくて穏やかな襟裳岬は初めてだった。
灯台と岬を眺めて駐車場に戻ると、室蘭ナンバーの真新しいZ400に乗る若い女性ライダーがぎこちない動きで駐車場を出ていった。ビギナーライダーが一人でツーリング。妻は「きっと 彼女にとっては大冒険なんだろうな」とつぶやいていた。僕はICOSを1本吸って、アボイ山麓キャンプ場へと向かった。
しばらくすると、真新しいZ400を先頭に数台のクルマが連なって走っていた。大冒険の女性ライダーだ。がんばれーと心の中で応援しながらゆっくりペースで走った。それにしても、チョイ乗りで襟裳岬だなんて、うらやましすぎる~。
岬から30分ほどでアボイ山麓キャンプ場に着いた。妻にとって初めてのバンガロー。テンションが上げ上げがびんびん伝わってくる。
晩ごはんは、レトルトのカレーとインスタントのオニオンスープ、そして北海道初日に買っておいた南富良野のバターじゃが。アポイ岳の麓の自然の中で食べるとこんなに質素なメニューでもものすごくうまい。
何かかさかさと音がしたかと思ったら、キタキツネが食卓の横を普通に歩いて通り過ぎていった。人に寄りつくわけでもなく、人を怖がるわけでもなく。
空には星が一つも見えなかった。それでも、北海道最後の夜は、なんだかとても楽しい気分のバンガローの中だった。
○本日の走行 228km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数 12回
次回は静内、新冠から苫小牧港へ、そして1週間の旅を終え、太平洋フェリーで帰ります。
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前回は、サクラマスが跳ぶ「さくらの滝」を見て、知床ウトロへ行き、知床半島から根室へと走りました。今回は、納沙布岬から北太平洋シーサイドライン(霧多布・厚岸)を走って釧路市郊外の温泉へ、さらに襟裳岬からアポイ山麓のキャンプ場へとバイクを進めます。
北海道ツーリング Vol.4 ~知床、納沙布、霧多布、釧路、襟裳岬~
<8月28日>
天気予報では北海道を除いて全国的に雨。根室も釧路も夕方から雨の予報。もちろんキャンプは無理。今回のツーリングで雨男、雨女を返上した僕たちは雨が降る前に宿に着く作戦を考えてみた。うまくいくかどうか。
根室のホテルを出て、まずは納沙布岬だ。北側ルートは右側に牧場、左側は曇り空で白っぽくなった海を眺めながら走る快走路。牧場の主役が牛から馬にかわると岬が近くなったことが分かる。
本土最東端に到着すると、「納沙布岬」と書かれた古い柱状の碑の近くにバイクを停めた。岬周辺は新しくきれいに整備されているが、僕はその古い碑が好きなのだ。30年前に初めて来た時と同じ碑、やっぱりこれの近くにバイクを停めなきゃ最東端に来た気がしないね。曇り空で景色はよく見えなかったけど。
本土最東端の碑を見たら、次は本土最東端の駅を見に行くことにした。JR東根室駅だ。
納沙布岬から根室へ戻るのに、今度は南側ルートを走った。根室半島の南側は、いくつかの集落が点在する趣のある道だ。
根室市街に入った辺りの所にJR東根室駅があった。初めて訪れる場所というのは本当にわくわくする。最東端の駅JR東根室駅はは無人駅で、2、3時間に一本しか列車が停まらないひっそりとした駅だった。
ここに来る途中、首の右側にチクッとした痛みを感じた。チクッどころかかなりイッタイ!。何か虫に刺されたような痛みだったのてタンクバッグからムヒを取り出して塗ってみたが、どうやらアブ・ハチ系の虫刺されっぼくてすごくイッテェ~。
インカムで妻に伝えて、落石へ向かう途中で痛い所を見てもらうと・・・「赤く腫れて真ん中に針で刺したような穴があいてる」。
ヤバイかも。とりあえすまたムヒを塗って、落石の集落で薬局を探すことにした。道道142は森の中を走る素敵な道だ。いい感じ~と思いながら走ったが、右首の痛みがどうにも気になる。
落石に着いて集落をのろのろと薬局を探しながら走った。でも、薬局なんて見当たらない。その先の落石港にバイクを停めてムヒを塗っていると、心配した妻が近くの作業員の方に薬局の場所を聞いてくれた。作業員の方に事務所に来るように言われ、事務所に入ると、女性事務員の方が救急箱を持ってきてくれた。なんてありがたいこと。結局、アブ・ハチ系の虫刺されの薬はなかったが、本当に感謝感謝です。株式会社「兼由」の従業員の方、お世話をおかけしました。ありがとうございました。
再び道道142通称北太平洋シーサイドラインを西に向けて走った。海岸段丘の上に上がると、それはそれは超絶景。ずっとずっと超絶景だ。美しい海岸線と、ふわふわした草原をずうーっと見続けながら走るのが道道142なのだ。
次の目的地、霧多布岬に到着した。曇りなのに霧がない。霧のない霧多布岬を見るのは初めてだった。草原から眺める岬はとても美しく、いつまでも眺めていたいほどだった。そして、足元にはかわいらしい花がいっぱい咲いていて、雰囲気よすぎ~。
時間はお昼を回っていた。ここでも、いざというときのセイコーマートだ。
浜中市街のセイコーマートで昨日と同じようにサンドイッチを買って店先で食べた。ツーリングだからこそできることかもしれない。
うまい具合に、セイコーマートの隣が薬局だったので、化膿止め系の塗り薬を買うことができた。薬ってすごいね、痛みがずいぶんやわらいだような気がしてきた。そして、浜中町と言えばルパンⅢ世の街。作者の故モンキーパンチ氏の出身地ということで、どこの店にもルパン・グッズが売られていた。薬局でも、ルパン・コーナーがあり、ついついルパンのステッカーと、不二子とルパンのキーホルダーを買ってしまった。なんだかとても高い薬代になった。
塗り薬で痛みがやわらいだ僕は、さらにバイクを西へと進めた。
浜中町霧多布の市街地から再び海岸段丘の上へと坂道を登るとすぐに琵琶瀬展望台がある。ここも外せない場所の一つだ。展望台から北側を眺めるとは霧多布湿原が一望でき、一面に広がる湿原の美しさに感動する。
その後も、展望台じゃなくてもずっとずっと森と海と草原と湿原を交互に見ながら走る絶景続きの道が延々と続いているのです。道道142、すごすぎ。
午後2時、あやめヶ原でカッパを着た。たま~にシールドに小さな雨粒が付くようになった。カッパが必要な振り方ではなかったが、夕方から雨というのは分かっていたので早めに着るのが得策ということだ。
厚岸からR444に合流する。再び道道142北太平洋シーサイドラインと枝分かれするが、この後の天気を考え、そのまま国道を走って釧路へと向かった。雨雲が立ちこめてきたので、海岸線を走ってもたぶん絶景は期待できないだろう。それよりも本降りになり前に宿に着くことが最優先だ。市街地の雨なんて最悪だからね。
幸い、釧路市街に入っても雨はほとんど降ってこなかった。
キャンプを諦めた時点で予約したのは釧路の奥座敷、山花温泉。釧路市街をバイパスでワープすると、北側に釧路湿原が広がっているのが分かる。
こうして、ちょうど4時に宿に着いた。駐車場にバイクを停めて荷物をおろしていると・・・ザーっと雨が降り出してきた。
セーーーフ
こういう日は早めに宿に入り、あったか~い温泉に浸かり、おいしい晩ごはんを食べる。これが一番です。
い~い気持ち
○本日の走行 230km
○本日のヤエー(ピースサイン)の数 9回
<8月29日>
この日の釧路は朝のうち雨、のち晴れ。目的地の襟裳町は曇り時々雨。そこで、雨が上がるのをしばらく待っていると、9時ころにはほとんど濡れないくらいの霧雨状態になってきた。そのタイミングでチェックアウトし、パッキングをすませるとすっかり雨は上がった。僕たち、完全に雨男、雨女返上となったようだ。
山花温泉から釧路空港横の道路を走り、大楽毛からR38に入った。この地名は僕たち夫婦のお気に入りの地名だ。なんだか楽しそうでしょ、「オタノシケ」。
道の駅「しらぬか恋問」でトイレ休憩。日が射してきてなんだか暑くなってきた。僕は「白い恋人ソフトクリーム」なんかを食べちゃったりして。で、この時の気温は20℃。20℃で暑いと言ってソフトクリームを食べてる僕。猛暑日の豊田に帰ったら即熱中症だよ。ちゃんと適応できるかなあ。
R38を西に向かうと、次の町は釧路市音別町。かつておじ、おば、妻のいとこが住んでいた町だ。彼らはもうみんな天国にいってしまっているが、音別にはバイクつながりの知り合いの人がいる。10年近く前のこと。たまたま自販機で缶コーヒーを飲んでいた時に声をかけてくれたプロパン屋のSさんだ。ちょっと寄ってみると2匹の犬、リンゴとイチゴが、しっぽをふりふりお出迎え。30分ほどお邪魔させていただいた。
音別からさらに西に向かうと、R38は林、牧場、畑、林、牧場、畑・・・ただただその連続で信号なんて一つもない。まさに北海道の雄大な景色が眺められる道で、ずっとずっと快走快走また快走で、浦幌までハイペースのままノンストップ。妻といっしょなので浦幌のおっぱい神社を通過して、さらに西へと走った。
途中、広尾町方面R336に入ると、さらに60kmくらい家一軒ない一本道になった。さすがに腹は減るわトイレに行きたいわ、それでもただ走り続けるしかない道だ。時速60kmで走れば間違いなく1時間後には60km先にいる。それが北海道だ。
1時間もトイレを我慢してようやく豊似防災ステーションを見つけた時のうれしかったこと。誰でも自由に使えるトイレがあり、ホントほっとした。妻はもう「林の中に入ってしちゃおうかと思った」なんて言ってたほど限界だったようだった。とにかくよかったよかった。それにしてもすごい道だよ、R336は。見渡す限り森、見渡す限り牧草地と牧場、見渡す限り広大なスケールのとうもろこし畑、そんな景色が60kmも続くのだから。
広尾町で燃料補給。道の駅も無さそうなので、今日のお昼もコンビニのパン。ただし、今日はセイコーマートではなくセブンイレブン。それにしても、まったく食にこだわらない二人。北海道に来たら北海道らしいものを食べなくちゃ、と普通は思うわな。
お昼のパンを買うついでに、今晩と明日の朝の食料の調達もした。北海道最後の夜はキャンプと決めていたからだ。
買い物を終えて外に出て店先でパンをかじっていると雨がパラつき始めまた。この先の襟裳町の天気をチェックすると降水確率40パーセント。キャンプ、大丈夫かなあ。
このまま走れば襟裳岬に3時頃、そうすると、キャンプをするとしたらその先のアポイ山麓か。そうだ、バンガローにしよう。バンガローなら雨が降っても大丈夫じゃん。
電話をしたら空いているとのことだったので、即予約した。妻は、「バンガロー、初めての経験」なんて言って大喜びしてる。
カッパを着て、襟裳に向かった。雨はすぐに上がったが、空はどんよりと曇っていたのでカッパを着たまま走った。
間もなく黄金道路に入った。この日の太平洋は波が高く、白い波しぶきが道路にも打ち寄せている所もあった。所々新しいトンネルができ、かつてのような風情は減ってしまったが、やっぱり楽しい道だ。海岸に添ってここも快走快走。
襟裳岬に着いてびっくりしたのは、「風が無い~」。
岬には資料館「風の館」があるように、いつも強い風が吹いているイメージがあった。波は荒いのに風が吹いてない。暖かくて穏やかな襟裳岬は初めてだった。
灯台と岬を眺めて駐車場に戻ると、室蘭ナンバーの真新しいZ400に乗る若い女性ライダーがぎこちない動きで駐車場を出ていった。ビギナーライダーが一人でツーリング。妻は「きっと 彼女にとっては大冒険なんだろうな」とつぶやいていた。僕はICOSを1本吸って、アボイ山麓キャンプ場へと向かった。
しばらくすると、真新しいZ400を先頭に数台のクルマが連なって走っていた。大冒険の女性ライダーだ。がんばれーと心の中で応援しながらゆっくりペースで走った。それにしても、チョイ乗りで襟裳岬だなんて、うらやましすぎる~。
岬から30分ほどでアボイ山麓キャンプ場に着いた。妻にとって初めてのバンガロー。テンションが上げ上げがびんびん伝わってくる。
晩ごはんは、レトルトのカレーとインスタントのオニオンスープ、そして北海道初日に買っておいた南富良野のバターじゃが。アポイ岳の麓の自然の中で食べるとこんなに質素なメニューでもものすごくうまい。
何かかさかさと音がしたかと思ったら、キタキツネが食卓の横を普通に歩いて通り過ぎていった。人に寄りつくわけでもなく、人を怖がるわけでもなく。
空には星が一つも見えなかった。それでも、北海道最後の夜は、なんだかとても楽しい気分のバンガローの中だった。
○本日の走行 228km
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