富士山が噴火して山体崩壊し大規模火砕流により御殿場市が壊滅という災害シミュレーションをメインストリームにし、秦の始皇帝に派遣された徐福の日本上陸と記紀神話と火山信仰を絡ませた古代史ミステリーをサイドストーリーにした小説。
作者は、後者の方を書きたかったようで、そちらに力入っていますし、そっちの方が読んでいて面白い。旧約聖書から記紀神話へのつながりを論じ、南方系の火山信仰も入れて、記紀神話を火山神伝説として描き、イザナギ・イザナミの国生み神話を中部地方の伝承と九州の天孫族のリンクで説明し、両者の接点を徐福の探検隊に求めるという構想は、綱渡りの感じはしますけど、読み応えがあります。私は、火山学も記紀神話も素人なんで、どの程度ほんとらしいのかわかりませんけど。
タイトルになり、巻頭のエピグラフにも用いられている「昼は雲の柱」は旧約聖書の出エジプト記のシナイ山の噴火の様子。
人物や状況の設定がやや模式的で都合よすぎるのが気になりますが、文章は読みやすいし、娯楽小説としては、いい線行っていると思います。けっこう字のつまった単行本で本文500頁近い分量なんですが、わりとすらっと読めました。
石黒耀 講談社 2006年11月28日発行
作者は、後者の方を書きたかったようで、そちらに力入っていますし、そっちの方が読んでいて面白い。旧約聖書から記紀神話へのつながりを論じ、南方系の火山信仰も入れて、記紀神話を火山神伝説として描き、イザナギ・イザナミの国生み神話を中部地方の伝承と九州の天孫族のリンクで説明し、両者の接点を徐福の探検隊に求めるという構想は、綱渡りの感じはしますけど、読み応えがあります。私は、火山学も記紀神話も素人なんで、どの程度ほんとらしいのかわかりませんけど。
タイトルになり、巻頭のエピグラフにも用いられている「昼は雲の柱」は旧約聖書の出エジプト記のシナイ山の噴火の様子。
人物や状況の設定がやや模式的で都合よすぎるのが気になりますが、文章は読みやすいし、娯楽小説としては、いい線行っていると思います。けっこう字のつまった単行本で本文500頁近い分量なんですが、わりとすらっと読めました。
石黒耀 講談社 2006年11月28日発行