伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

ライム

2007-01-01 21:39:43 | 小説
 はずれ者の中学生ライムこと日向舞の日常を描いた青春小説。
 ライムの由来は、中1で自己紹介するときに何も言えなくなって「すきなものはライム。以上」とだけ言って座ってしまったことから。
 父親は小学校教師で同僚の女性のところに住み込みたまにしか帰らない上に帰ってくるといつも母親とけんかして暴力沙汰、母親はライムの帰りが遅いと怒鳴りつけるという荒んだ家庭に育ったライムが、反抗し、不良友達とつきあったり教師に反発する様子が描かれます。そうした日常の中でのライムの心の動きが、この作品の読みどころだと思います。
 最後には父親と母親は離婚し、高校に入学するとともに引っ越したライムの少し明るい気持ちで終わります。
 特に事件があってということでもなく、またあるところからはっきり変わるわけでもなく、何となしの日常の中で少し前向きになっていく。実際の人生はたいていそういうものですし、そういう受け止め方をする作品かなと思います。


長崎夏海 雲母書房 2006年11月24日発行
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「挫折しない整理」の極意

2007-01-01 00:06:08 | 実用書・ビジネス書
 家庭の物の整理法の本。
 冒頭に「使わない物は整理しない」とあるのは、納得。で、使う物は消耗品は新しい物を一番奥に置き消費期限の近い物から使用する、道具類はよく使う物を手前に置き使わない奥の方にたまった物は処分(「超」整理法ですね)、愛着物は関心度に応じて置く場所を決めて無関心の表れの見えない場所に置かれるようになった物を処分、だそうです。これも、理屈としては、新しい物を一番奥に置くというのが現実的にはすごい手間ということを除けば、理解できます。
 でも、著者の主張では、実行のために大事なポイントは物を見える状態にしておくことと動かしやすい状態に置くこと。そのためには置く場所のキャパシティの8割までにとどめておくことが必要。そうすると、少なくとも都会の家庭では、やっぱり最初の段階でかなりの物を捨てることが必要になり、「使わない物は整理しない」とかいうのは無理。
 プロフィールによれば、著者は日高山脈の麓で暮らしているそうで、そういう人にとっては収納場所の余裕があるんでしょうけどね。
 それに後半の心の整理編では、成長すれば物は要らなくなるって、そりゃそうだけど、それは整理法の話じゃないでしょう。


松岡英輔 新潮新書 2004年5月20日発行
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