51歳の音楽評論家溝口恭平と駆け落ちした19歳の和装の少女さよの4年にわたる爛れた性生活の後の恭平が脳梗塞に倒れキーボードでしか意思を表現できなくなった3年間の生活を中心に、信州の山中でのエコライフとエコライフグッズの販売を楽しむさよの父母、戦前からの恭平の祖先たちとのつながりのドラマを描いた小説。
26歳になったさよの視点とボーイハントに始まる冒頭は、愛する人の介護を抱えたさよのドラマかと感じさせますが、その後の展開は、妻を失った後失意の日々を送っていた恭平が妻に生き写しのさよを侍らせることで復活して仕事もうまく行き、しかしさよの変調で2人だけの生活をするが、罰が当たったのか脳梗塞に倒れてリハビリに励みつつ、離れず介護を続けてくれるさよに送る慈愛の目線・・・という感じです。
冒頭にさよにハントされた近所の学生素示は本人の自意識とは別に道具的な存在ですが、でも、確かにもう体も言うことを聞かないし50代でさよの若い時期を費やさせたという思いはあるとしても、思い人が若い男と肉体関係を持つことについてそうあっさり微笑んでいられるものかなぁ。
領家高子 実業之日本社 2010年11月25日発行
26歳になったさよの視点とボーイハントに始まる冒頭は、愛する人の介護を抱えたさよのドラマかと感じさせますが、その後の展開は、妻を失った後失意の日々を送っていた恭平が妻に生き写しのさよを侍らせることで復活して仕事もうまく行き、しかしさよの変調で2人だけの生活をするが、罰が当たったのか脳梗塞に倒れてリハビリに励みつつ、離れず介護を続けてくれるさよに送る慈愛の目線・・・という感じです。
冒頭にさよにハントされた近所の学生素示は本人の自意識とは別に道具的な存在ですが、でも、確かにもう体も言うことを聞かないし50代でさよの若い時期を費やさせたという思いはあるとしても、思い人が若い男と肉体関係を持つことについてそうあっさり微笑んでいられるものかなぁ。
領家高子 実業之日本社 2010年11月25日発行