生まれつき子供が産めない体で17歳の時にレイプされたトラウマから一生セックスしないと決めている三女凪子、かなわない姉と末っ子に挟まれてひねくれ気に入らないことがあると他人のせいにして八つ当たりし3歳の娘を虐待してリアル世界では孤立しブログで虚飾に浸る次女月子、子どもの頃から母に頼られ愚痴を聞かされ続けて結婚に希望を持てず独身のまま仕事に打ち込む長女征子、長年夫に従い姑の世話を黙って続けてきたがその鬱憤をため込んで爆発する母佐喜子の4人の思いと変貌を描く小説。
それぞれに問題を抱え、家族や友人に屈折した思いを持ちながら、問題を乗り越え家族と向き合っていく/折り合っていく過程が、月子の場合はやや劇的に、他は穏やかにあるいは行きつ戻りつしながら描かれ、そのあたりが読みどころとなっています。
叔母のユキナや父親まで巻き込んで、家族愛に踏みとどまれるところが、最近は崩壊した家族の話が多い中で、ホッとする安心感があります。
朝比奈あすか 光文社 2010年5月25日発行
それぞれに問題を抱え、家族や友人に屈折した思いを持ちながら、問題を乗り越え家族と向き合っていく/折り合っていく過程が、月子の場合はやや劇的に、他は穏やかにあるいは行きつ戻りつしながら描かれ、そのあたりが読みどころとなっています。
叔母のユキナや父親まで巻き込んで、家族愛に踏みとどまれるところが、最近は崩壊した家族の話が多い中で、ホッとする安心感があります。
朝比奈あすか 光文社 2010年5月25日発行