ホテルオークラ第4代総料理長(2001~2009年)だった著者が、ホテルオークラの設備と料理とサービスの充実ぶりを説明し、料理人としての研鑽の過程や総料理長として心がけたことなどを語る本。
料理人としてヨーロッパで修業していた時代の食べ歩きで想い出に残る一流レストランの名物料理について語るパートもありますが、それはごく一部で、このタイトルに惹かれて読むと羊頭狗肉の感があります。
著者自身も述べているように、料理のできあがり・水準を落とさないことに気を遣いながら、いかにコスト面で合理化していくかも総料理長の仕事であり、マネージメントの面での仕事の比重が相当ある訳で、むしろビジネスとしてのサービスとホテルオークラにかける思いが書かれた本として読んだ方が適切だろうと思います。そういう面を含んだホテルオークラのPR本としての性格が強く、2100円払っても「ダブルコンソメ」を飲んでみたい、「世界一のフレンチトースト」を食べてみたい(この本には値段は書いていませんが、テイクアウトなら2切れ1260円)と思えたら執筆意図は満たされるという本かなと思いました。
根岸規雄 新潮新書 2012年8月20日発行
料理人としてヨーロッパで修業していた時代の食べ歩きで想い出に残る一流レストランの名物料理について語るパートもありますが、それはごく一部で、このタイトルに惹かれて読むと羊頭狗肉の感があります。
著者自身も述べているように、料理のできあがり・水準を落とさないことに気を遣いながら、いかにコスト面で合理化していくかも総料理長の仕事であり、マネージメントの面での仕事の比重が相当ある訳で、むしろビジネスとしてのサービスとホテルオークラにかける思いが書かれた本として読んだ方が適切だろうと思います。そういう面を含んだホテルオークラのPR本としての性格が強く、2100円払っても「ダブルコンソメ」を飲んでみたい、「世界一のフレンチトースト」を食べてみたい(この本には値段は書いていませんが、テイクアウトなら2切れ1260円)と思えたら執筆意図は満たされるという本かなと思いました。
根岸規雄 新潮新書 2012年8月20日発行