高校時代に短期語学留学のためにカナダでホームステイしたのをきっかけにカナダでの生活で英語を身につけてブリティッシュ・コロンビア大学に入学し、数学専攻から日本史研究に切り替えてブリティッシュ・コロンビア大学で修士、プリンストン大学で博士をとり、ハーバード大学で授業を行い、現在はケンブリッジで研究生活を送る著者が、自分の行ってきた勉強法を紹介する本。
冒頭、英語力が低い状態で大学入学に必要なTOEFLの基準を満たすことが無理と判断したので、無理なものに挑戦してうちひしがれるのを避けるためにTOEFLの問題を解くことをやめ、3歳の子どもの子守をしながら子供用アニメを見たり絵本を読み聞かせたり家族との会話を通じて会話力を自然に身につけてTOEFLの基準点を突破し大学に入学できたというエピソードを紹介して、とても無理なことはすっぱりあきらめ、急がば回れで焦らずゆったり勉強することを勧めています。一理あると思いますが、対象が語学の習得で、大学に入試がない(TOEFLの他は志望理由のエッセイだけ)という条件だからそれで行けたということは押さえておく必要があるでしょう。
ノートはほとんどとらず(とってもA4一枚まで)教授の話の重要点(おもしろい点)を仕分けして記憶を反芻することで頭に入れていくというのは、私もノート・メモはあまりとらない方なのでよくわかる気がします。
「なんの勉強でも、どんな仕事でも、きっとそうである。目の前には無限の可能性が広がっていて、それに気づいた一瞬、大きな竜巻に呑み込まれそうになる。そうやって無限の可能性を感じながら空を眺める時こそ、可能性の果てしなさに翻弄されないよう、逆に、自分の手のひらに収まる範囲の話を考える。」(100~101ページ)というのは至言であると思います。ついそこを踏み越えて無理をしたり無理なことを抱え込んだりしてしまいがちではありますが。
できないことについて、自分の能力を責めたり悩んだりするより、いいあきらめ方をする方がずっと大事、できないことをどのように受け入れるか、自分にできる他のことでどうかバーするかが大切だという指摘(108~109ページ)も、なるほどと思います。失敗については、内発性のミスで人に迷惑をかけた時はすぐに謝るべきだが、反省してもそれが記憶に残り次に同じ場面に遭遇した時足がすくむことになりかねないし時間の無駄、反省はそこそこにして原因を割り出して冷静に現状を見極め、それが世界に影響するか→まったく影響しないので忘れる(176~182ページ)といわれると、いわんとすることはわかるけどそこまではねぇと思いますけど。

北川智子 幻冬舎 2013年2月15日発行
冒頭、英語力が低い状態で大学入学に必要なTOEFLの基準を満たすことが無理と判断したので、無理なものに挑戦してうちひしがれるのを避けるためにTOEFLの問題を解くことをやめ、3歳の子どもの子守をしながら子供用アニメを見たり絵本を読み聞かせたり家族との会話を通じて会話力を自然に身につけてTOEFLの基準点を突破し大学に入学できたというエピソードを紹介して、とても無理なことはすっぱりあきらめ、急がば回れで焦らずゆったり勉強することを勧めています。一理あると思いますが、対象が語学の習得で、大学に入試がない(TOEFLの他は志望理由のエッセイだけ)という条件だからそれで行けたということは押さえておく必要があるでしょう。
ノートはほとんどとらず(とってもA4一枚まで)教授の話の重要点(おもしろい点)を仕分けして記憶を反芻することで頭に入れていくというのは、私もノート・メモはあまりとらない方なのでよくわかる気がします。
「なんの勉強でも、どんな仕事でも、きっとそうである。目の前には無限の可能性が広がっていて、それに気づいた一瞬、大きな竜巻に呑み込まれそうになる。そうやって無限の可能性を感じながら空を眺める時こそ、可能性の果てしなさに翻弄されないよう、逆に、自分の手のひらに収まる範囲の話を考える。」(100~101ページ)というのは至言であると思います。ついそこを踏み越えて無理をしたり無理なことを抱え込んだりしてしまいがちではありますが。
できないことについて、自分の能力を責めたり悩んだりするより、いいあきらめ方をする方がずっと大事、できないことをどのように受け入れるか、自分にできる他のことでどうかバーするかが大切だという指摘(108~109ページ)も、なるほどと思います。失敗については、内発性のミスで人に迷惑をかけた時はすぐに謝るべきだが、反省してもそれが記憶に残り次に同じ場面に遭遇した時足がすくむことになりかねないし時間の無駄、反省はそこそこにして原因を割り出して冷静に現状を見極め、それが世界に影響するか→まったく影響しないので忘れる(176~182ページ)といわれると、いわんとすることはわかるけどそこまではねぇと思いますけど。

北川智子 幻冬舎 2013年2月15日発行