運動音痴を自認する「完全室内型フリーライター」の著者が、運動不足解消・ダイエット目的で各種教室を検索しているうちに大人向けのフィギュアスケート教室週1回月5400円也というのを発見し、子どもの頃から憧れていた観るものと思っていたフィギュアスケートを自分でやってもいいんだと「ヘレン・ケラーが『ウォーター!』と叫んだときのような衝撃」(16ページ)を受け、30代後半でフィギュアスケートを始めたという体験型レポート。
大人になってからフィギュアスケートを趣味でやっている人が多数いることやフィギュアスケートの基本的なテクニックとその難しさなどがわかり、ちょっとお得な気分になれます。
他方、このタイトルや序盤の書き方から著者が意図しているであろう、この本を読んで自分もやってみようという気持ちになるには相当ハードルが高い感じがします。序盤では運動音痴を強調している著者が、実は子どもの頃最初にスケートリンクに降りたときからすんなりと滑れて転ぶことも少なく手すりにつかまっていることなく自己流でバックスケーティングや前向きのクロススケーティングができていた(52~55ページ)といわれて、大人になって教室に通い始めてからも難しい、できないと嘆きながらも競技会の採点対象になるような技に挑戦し初級とはいえ「選手」のテストに受かってしまうという流れでは、未経験の読者からは、元々素質がある人の特別なケースで、やっぱり自分にはとても無理という読後感になるのがふつうでしょう。
本文ではなくコラム欄ですが、「後悔のないよう、始めるのに遅いも早いもない、これからの人生で今が一番若いんだ」(144ページ)という言葉は、気に入りました。
佐倉美穂 誠文堂新光社 2013年11月22日発行
大人になってからフィギュアスケートを趣味でやっている人が多数いることやフィギュアスケートの基本的なテクニックとその難しさなどがわかり、ちょっとお得な気分になれます。
他方、このタイトルや序盤の書き方から著者が意図しているであろう、この本を読んで自分もやってみようという気持ちになるには相当ハードルが高い感じがします。序盤では運動音痴を強調している著者が、実は子どもの頃最初にスケートリンクに降りたときからすんなりと滑れて転ぶことも少なく手すりにつかまっていることなく自己流でバックスケーティングや前向きのクロススケーティングができていた(52~55ページ)といわれて、大人になって教室に通い始めてからも難しい、できないと嘆きながらも競技会の採点対象になるような技に挑戦し初級とはいえ「選手」のテストに受かってしまうという流れでは、未経験の読者からは、元々素質がある人の特別なケースで、やっぱり自分にはとても無理という読後感になるのがふつうでしょう。
本文ではなくコラム欄ですが、「後悔のないよう、始めるのに遅いも早いもない、これからの人生で今が一番若いんだ」(144ページ)という言葉は、気に入りました。
佐倉美穂 誠文堂新光社 2013年11月22日発行