伊東良徳の超乱読読書日記

雑食・雑読宣言:専門書からHな小説まで、手当たり次第。目標は年間300冊。2022年から3年連続目標達成!

アノニム

2020-12-08 23:34:38 | 小説
 IT長者のアートコレクター、トルコ絨毯商人、花形建築家、画廊経営者、世界屈指の美術品修復家、ラグジュアリーブランドオーナー、サザビーズの花形オークショニア、天才エンジニアらで構成される謎の美術品窃盗団「アノニム」が、香港で行われるオークションのメイン出品作品となっているジャクソン・ポロックの知られざる記念碑的作品「ナンバー・ゼロ」を贋作とすり替えるというミッションに挑むというメインストーリーに、香港で繰り広げられる学生運動/デモにそれまで消極的だった画家志望の難読症の高校生が関わっていくサブストーリーを絡ませた小説。
 豪華メンバーの窃盗団という設定から、オーシャンズ11みたいなサスペンス・アクションを期待しましたが、そちらはあまり追求されず、全体としては初心な高校生の爽やかな青春小説という趣になっていきます。それはそれで悪くないのですが、大仕掛けな設定を用意したのに、もったいないなぁという不完全燃焼感が残ります。


原田マハ 角川文庫 2020年7月25日発行(単行本は2017年6月)
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